子育て体験談

プリントを隠す!? ADHDの子どもにありがちな行動とその心理

プリントを隠す!? ADHDの子どもにありがちな行動とその心理

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こんにちは、ADHD(注意欠陥・多動性障害)ママライターの木村華子です。

2016年の大掃除にて。同じくADHDを持つ息子の部屋から、未提出の宿題プリントが大量に発掘されました。

その瞬間脳裏に蘇った子ども時代の自分の記憶……。何を隠そう、私自身も全く同じ年末を何度も迎えてきた立場です。

ADHDの子どもを育てることは難しい、大変だ、という声をよく耳にします。「わが子の考えていることがわからない!」と悩むご両親も少なくはないことでしょう。

私の場合、息子がやらかす一挙一動に痛いほど共感できるのですが、これはある意味自分もADHDであるメリットなのかもしれません。

そこで今回は、子ども時代よりADHDに振り回され続けている私の経験談とともに、そのとき何を考えていたのかをご紹介いたします。

発達障害児の育児に奮闘するママたちのヒントになりますように……。

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子ども時代のADHDな経験と、その時考えていたこと

(1)なぜかプリントを隠す

冒頭でお話しした、息子の行動によって蘇った記憶です。小学生時代の私は学校からもらったプリントを隠す子どもでした。

宿題のみだった息子はまだカワイイもので、学級通信やイベントの案内(運動会や遠足、授業参観etc……)など、どんなプリントでもとにかく親に見つからないように隠していたのです。

そのため両親は学校行事に(行事はもちろん、プリントの存在も知らないから)疎く、よく当日の朝になって「その日に言われても!」と叱られたものです。

学期末に机の中から大量発掘されるプリントによって、こっぴどく絞られた経験も一度や二度ではありません。

大人になった今思い返せば、もらったプリントを親に渡すだけじゃん……と思えるのですが、当時の私にとってプリントの存在は恐怖でしかありませんでした。

“プリントを渡さない→怒られる”、という経験から子ども時代の私が学んだのは、「プリントは怒られる原因だ」ということ。

自分が渡さないから怒られている、という答えには行きつかないのです。

昨年末の息子に関しても、私がどこかで宿題にまつわるトラウマを植え付けてしまったのかもしれません……。3学期は宿題を隠されないママを目指さなくては。

(2)提出物を出さないで乗り切ろうとする

夏休みや冬休みの宿題は、「やらない」というのがお決まりでした。提出が遅れるのではありません。最後までやることなく、踏み倒してしまうのです。

宿題以外の提出物も、よっぽどしつこく言われない限りは「やらない、出さない」を貫いていたことを覚えています。

私の学校では、未提出の生徒の名前が黒板に書き出されていました。提出を済ませると名前が消えていくシステムです。

もちろん私は毎回そこに名前を書かれるレギュラーメンバーで、「また書かれちゃったよ……嫌だなあ〜」と感じていました。

そこで私がとった行動は、黒板消しを持って忍び寄り、先生が見ていないスキを狙って“木村”の2文字を消してしまうというもの。

宿題を済ませるとか、急いで提出する、とはならないのです。

もちろんこの行動は何の解決にもなりません。結局は気付いた先生によって再度名前を書き足されるのですが、そのときでさえ「せっかく消したのに、先生も嫌なことをしてくるな〜」と感じていました。

そもそも長期休暇の宿題を計画的に行うことができない上に、“未提出者”として名前を書かれてしまった問題を解決させるまでのルートをイメージすることができていなかったのだと思います。

大人になってからは「私は提出物が苦手だから、今すぐに済ませておこう!」と注意を払うことでさまざまな手続きを乗り切れていますが、やはり今でも長期的な計画を練ったり、難しい問題を解決させることが人一倍苦手です。

(3)怒られながら空想する

これは今でも続いている特性です。大人に怒られているシーンで、「あ、この話は私のキャパを超えているな……」と感じてしまう瞬間が多々あるのですが、その瞬間から私の耳には何も届いてきません

とくに子ども時代では、大人が使う小難しい単語や、長々と説教されることなどがキッカケで集中が途切れるという事態が頻発していました。

加えてワーキングメモリ(短い時間に心の中で情報をとどめておく能力)の容量が少ないため、話が進めば進むほど「何言ってるんだろう」状態の深みにハマってしまいます。

すると、どんなに集中しようと意識しても、頭はどんどん現実から離れていってしまいます。

最終的には、怒っている人の顔を見ながら「この中にはどんな骨が埋まってるんだろう」と頭蓋骨を推理し始めたり、窓の向こうの山が巨大な魚に見えてきたり。

ADHDがこうなると馬の耳に念仏で、私が言うのもアレですが長いお説教も無駄な努力でしょう。

息子への説教が長引くと、彼もポヤ〜ン……とした表情になってきます。叱っている親の立場からすれば「まったく、何を考えているんだか……」と悩ましいところですが、はっきり言って私の場合何も考えていませんでした。

叱るときはスパッと明確に。グチグチと感情を引きずるようなお説教からは何もメリットが生まれません。

「このままじゃヤバい」ということは分かっていた

最後になりますが、ここでお話ししたエピソードのときも、そうでないときも、子ども時代の私がいつだって抱き続けていたある悩みを紹介します。

それはズバリ、「このままじゃ、私はヤバい!」という焦燥感。

同級生に比べてできないことが多すぎる自分、いつも誰かに嫌われてしまう自分に対し、私自身ももがき苦しんでいたのです。

プリントを隠しながら、提出物を踏み倒しながら、真剣に叱っている大人の顔で空想しながら、「どうにかしないと、どうにかしたいのに……」と、いつだって“デキる自分”に憧れ続けていました。

たしかにADHDの子どもの育児は大変です。何度言い聞かせても、叱り倒しても、何事もなかったかのように同じミスを繰り返し続けるわが子にうんざりするママも多いはず。

しかし、どうかお子様本人もその苦しみの当事者で、改善を誰よりも望んでいるということを知ってあげてください。

何を考えているのか分からない表情の裏では、きっとママと同じ顔をして悩んでいるはずです。

●ライター/木村華子(ママライター)

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