パートナーのせい? 結婚後に“適応障害”になる原因と対処法
2016年10月19日 | よみものパートナーのせい? 結婚後に“適応障害”になる原因と対処法

こんにちは。メンタルケア心理士の桜井涼です。
結婚をしたらパートナーと一緒に住むという人が大半を占めます。
しかし、何らかの事情やストレスによって、結婚後に適応障害を引き起こしてしまう人が年々増えてきていることを知っていますでしょうか。
環境の変化についていけない状態が、体や心にさまざまな症状を引き起こしてしまうのです。
幸せであるはずの結婚がストレス要因となってしまうことは、パートナーにとってはショックでしかないでしょう。
話を聞いただけで落ち込んでしまうこともあるかと思います。
でも、対処法を試してみることで良い方向に向かうこともありますから、諦めないでいただきたいです。

適応障害とは?
適応障害とはどのような状態を言うのか説明したいと思います。
人生の節目というのは誰にでも起こります。入学や就職、妊娠、出産、介護、退職といったものが節目にあたります。
もちろん、結婚も人生の大きな節目となります。
こういった環境の変化に、人はついていける(適応する)ものなのですが、何らかの事情やストレスが過剰にかかった状態では、環境の変化についていけないことが出てきます。
そのときに適応しようとする心の動き(適応機制)がうまく働かない状態が続くと、体や心に不調をきたします。
これが、適応障害という脳の機能低下によって起こる病気です。
しかも、日常生活に支障をきたすほどの大きいものであることが多く、重症化してうつ病になってしまう可能性を秘めている病気のひとつです。
症状としては、
【身体症状】
・胃痛、胃もたれ
・頭痛
・不眠
・息切れ
など。
【その他】
・過剰な不安感
・会社に行けなくなり、自室に引きこもってしまう
・ギャンブル
・過剰飲酒
などが挙げられます。
結婚後に起こってしまう理由
結婚は人生の大きな節目となるものです。そして、パートナーとの生活は自分の生活に少なからず影響を与えます。
このときに、自分で理解しているストレスや、違和感など無意識下でストレスを感じることがあります。
食生活や生活習慣はパートナーに合わせなければいけませんし、結婚によってさまざまな相手のいい面や悪い面を垣間見ることになるでしょう。
正常な状態であれば適応できるものが、できなくなってしまうことがあります。
また、適応しようと心のバランスを取るために適応機制が働くのですが、それが働かなくなってしまいます。
結婚自体に関係している場合と、結婚後にストレスを抱えて適応できなくなる場合が考えられます。
どう対処するか
一番はパートナーと話し合うことです。話し合うことで、ストレスの原因となっているものが何なのかをお互いが理解することができます。
ストレスの原因となっているものを前向きに捉えることができるようになるからです。
ストレスになるのはパートナー個人である場合もありますが、「自分が支えなくてはいけない」という考えや「過度に期待しすぎた結婚生活とのギャップ」にも生じることがあります。
また、環境の変化にも同様のことが言えるため、個々でストレスの原因は違ってくることがほとんどです。
だから、ストレスの原因となっていることを話し合うことが必要不可欠なのです。
しかし、適応障害にかかっている人からすれば、話し合いの場を持つことすら嫌かもしれません。
そんなときは、心療内科やメンタルヘルス科を受診して、パートナーと医師がカウンセリングを行うことが大切な要素となってきます。
環境を変えるという方法もあります。
しかし、原因が分からないままの状態では、下手をすると悪化させてしまうことがあります。その点に注意しましょう。
おわりに
症状を見て、怠けているのではないかと感じることもあるでしょう。
しかし、本人からすればとてもきつくてつらい症状です。どうしてこうなってしまうのかがわからないのですから当然です。
パートナーの様子がおかしい、会社を休みがちになっていると感じたら、できるだけ早く話し合いや病院を受診することを考え、行動していただきたいと思います。
うつ病になってしまえば、本人だけでなく家族も大変になってしまうからです。
パートナーは、「結婚してから適応障害を起こすなんてありえない」という考え方を持たずに、ストレスの要因となっているものを一緒に探すことを第一に考えてあげてほしいと思います。
【参考文献】
・『史上最強カラー図解 臨床心理学のすべてがわかる本』松原達哉・編著
●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)