大流行でワクチン不足!? 乳幼児の命にも関わる“はしか”の症状と予防法
2016年9月19日 | よみもの大流行でワクチン不足!? 乳幼児の命にも関わる“はしか”の症状と予防法

こんにちは、子育て研究所代表の佐藤理香です。
先日、子どもの予防注射で『MR(麻しん・風しん)』2回目を予約しようと試みました。
ところが病院からの返事は、「現在、麻しんのワクチンが不足しているため、予約できない状況です。入荷も未定です」でした。
この“麻しん”こそ、2016年9月現在流行中の『はしか』です。
乳幼児がかかると死にも至るケースがある怖い病気。本日はこの『はしか』のポイントを確認したいと思います。

『はしか』ってどんな病気?
はしかは、麻しんウイルスによる感染症です。感染力が強く、死に至ることもあります。
ワクチンを接種していない乳幼児に比較的多い傾向があります。空気感染やひまつ感染、接触を通じても感染します。
『世界保健機関(WHO)』では、はしかを排除することを目標にしています。
日本では昨年2015年に、“はしかを排除できた状態”と認定されましたが、なんと今年の8月中旬以降、患者が出てきてしまいました。
どんな症状がでるの?
10日~12日くらいの潜伏期を経て、熱が出て発症します。
はじめの2日~3日は38度前後の熱や咳、鼻水、結膜炎など、かぜと同じ症状です。
その後、一旦熱が下がる傾向にありますが、再び高熱、それとともに赤い発しんが出てきます。
全身に発しんが現れてからも4日~5日高熱が続きます。合併症で肺炎などを併発することでも知られています。
一度発症してしまうと特効薬はなく、熱をやわらげるなどの対処療法となります。
妊婦と1歳前後の乳幼児、ママパパ世代は要注意!
妊婦と1歳前後の乳幼児、ママパパ世代は特に注意が必要です。
妊娠中の方が『はしか』に感染すると、流産や早産の恐れがあると言われています。
さらに1歳前後の乳幼児は免疫力が低いうえ、ワクチンを接種していない場合もあるので、流行している場合はできるだけ人混みを避けるなど対策が必要です。
つい先日、兵庫県尼崎市では、保育園に通う子どもや職員が18人も集団感染する事態になりました。
厚生労働省から各自治体を通じて集団生活の場となる園にも連絡が入っているとは思いますが、気になる場合は感染防止対策について園の先生に聞いてみるのもよいと思います。
意外にも要注意なのが26歳~39歳のママパパ!
実際に感染した人を年齢別にみた調査では、この世代が半分以上いることがわかっているのです。
なぜかというと、理由はワクチンの接種回数にありました。
『はしか』はワクチンを2回接種することで、高確率で予防することができるといわれています。
しかし、この世代のママパパは、ワクチンの定期接種が1回しかなかったのです。
このため、きちんと免疫がついていない、または免疫が低下してしまったママパパが『はしか』にかかりやすい状態になっているのです。
どうやったら予防できる?
一度かかってしまったら対処療法しかとれないので、予防することが最優先になります。
『はしか』はワクチンを2回接種することで、免疫が確実につきます。現在は、1歳で1回目、小学校入学前に2回目の定期接種(通常は無料)が行われています。
このため、1歳になったらできるだけ早く接種することがポイントです。
また、『はしか』を予防するMRワクチンは、生ワクチンです。赤ちゃんへの影響を避けるため、妊娠している人は接種できません。
妊娠していない場合であっても、接種後2か月程度の避妊が必要と言われています。妊娠の希望がある人は事前に確認しておきましょう。
感染症を防止するための一般的な対策も有効です。人混みを避ける、マスクを着用する、しっかり手を洗うなどを行いましょう。
最後に、『国立感染症研究所』が出しているスローガンをお伝えします。
『はしかにならない! はしかにさせない! 1歳のお子様は、1歳のお誕生日に!!』
わが子のためにも、お友達にうつさないためにも、時期がきたらすぐにワクチンを接種したいものですね。
【参考リンク】
・麻しん・風しん | 厚生労働省
・麻疹とは | NIID国立感染症研究所
●ライター/佐藤理香((株)子育て研究所代表)
●モデル/大上留依(莉瑚ちゃん)