教科によっても変わる? 音楽を聞きながら勉強するメリット&デメリット

2016.08.12

学習アドバイザーの佐々木恵です。

子どもが勉強したり、宿題をしたりするのはいいのですが、音楽を聞きながら勉強していたらちょっと気になりますよね。

とはいえ、せっかく子どもが自分から勉強を始めたのに「音楽は聞くな!」と言うと、勉強しなくなってしまうのではないかと不安になるのではないでしょうか。

今回は、音楽を聞きながら勉強するメリット&デメリットや注意の仕方などをご紹介します。

目次
 音楽を聞きながら勉強するのには理由がある(P1)
 音楽を聞きながら勉強するメリット4つ(P2)
 音楽を聞きながら勉強するデメリット4つ(P3)
 音楽を聞きながらの勉強に関する研究(P3)
 音楽を聞きながら勉強するのに向いている教科・向いていない教科(P4)
 音楽を聞きながら勉強してはいけない人(P4)
 聞きながら勉強するのに適した音楽のジャンル(P4)
 周りの音が気になってしまう人におすすめのBGM(P5)
 音楽を聞きながら勉強する子どもへの声のかけ方(P5)
 音楽を聞きながら勉強するときのマナー(P5)
 音楽を聞きながらの勉強の効率をあげるコツ(P6)
 音楽を聞きながら寝ると睡眠の質が下がる?(P6)
 まとめ(P6)

音楽を聞きながら勉強するのには理由がある

170502tuiki1

音楽を聞きながら勉強する理由は“落ち着かない”から。音楽を聞きながら勉強する中学生は、こんなふうに言います。

『静か過ぎると落ち着かない。少し音楽がある方が集中できるし、はかどる気がするんです』(中1男子)

実はこれ、脳科学の観点でも言われていることなのです。人間は、“静かで壁に囲まれた狭い空間にたった一人でいること”に慣れていないそうです。

たとえば、こんな経験はありませんか? 自宅で読書よりも、カフェの方が落ち着く、はかどったという経験が。

BGMや周りの人のおしゃべり、調理するときの音。適度な雑音がある方が人間は集中できるのです。

自然に生活していれば、何かしらの音が出るのが当然ですね。全く音がない状態というのは、かえって不自然な状態なのです。

だから、静かな部屋で一人で勉強するときに音楽を流したくなるのです。

反対に、あまりにも音がうるさいのも不自然な状態といえます。

自宅の近くで工事をしていて騒音がひどい、家族がテレビを見ていてその音が漏れ聞こえてくるから集中できないという理由で、要するに耳栓がわり。

私の生徒にも、こんな子がいます。

『毎晩のように夫婦げんか、兄弟げんかが聞こえてくる。うるさくて集中できないから、音楽を流して聞かないようにしないと集中できないし、音楽がある方が安心できる』(中2女子)

もし「音楽を流さないと集中できない」なら、静かすぎる・うるさすぎる不自然な状態に耐えられないのかもしれません。

この場合は、「音楽を聞きながら勉強してはいけない」と言う前に、環境改善が必要です。


→次ページでは、音楽を聞きながら勉強するメリットを見ていきましょう。

音楽を聞きながら勉強するメリット4つ

170502tuiki2

(1)勉強が楽しくなる

勉強する習慣がないという人にとっては、そもそも机に向かうことが苦痛ということもあるでしょう。

自分の好きな音楽を聞くことはきっと楽しいことのはずですから、それをもとに勉強することで少しでも嫌な気持ちをやわらげることができるかもしれません。

勉強をするためには、まずはじめに「やろう!」という気持ちを奮い立たせることが大切なのです。

スマホやウォークマンなどに入っている曲の中で、勉強用の好きな曲を決めておくと、スイッチの役割も果たしてくれるでしょう。

勉強へ向かうエネルギー源となるのです。

また、明るい音楽などアップテンポなものは、朝の勉強にのぞむときの眠気覚ましとしての役割も果たしてくれます。

(2)雑音を防いでくれる

周囲に何もない環境で、静かに勉強できるということはまれかもしれません。

図書館などの静かな場所でも、隣の人の咳や鼻をすする音が気になったり、カフェであれば周囲の人の話し声がうるさかったりするはず。

そういった不要な音を完全にシャットアウトしてしまいたいという場合、音楽を聞くことは有効でしょう。

最近では、周囲のさまざまな騒音・雑音を低減してくれる“ノイズキャンセリング機能”が搭載されたイヤホンもあります。

イヤホンやヘッドホンがあれば、電車での移動中などでも勉強する環境を手に入れられるため、時間を有効に使うことができると言えます。

(3)集中力が保てる

音楽を聞きながら勉強すると、長時間であっても疲れにくくなると言われています。

疲れを軽減することができれば、そのぶん集中力も保つことができるでしょう。

特に、流している音楽が聞こえなくなるような深い集中に入っている場合には、特にこの傾向が強いようです。

(4)リラックスすることができる

音楽を聞くことには、気持ちをリラックスさせる効果もあります。これによって心地よく勉強に取り組むことができはかどるはず。

医療の現場においても、手術の際に音楽が流されることが多いようです。

これは執刀医や看護師の気持ちをリラックスさせ、万全の状態でオペにのぞむことができるようにするため。国内外問わず、広く利用されているようです。


→次ページでは、音楽を聞きながら勉強するデメリットを見ていきましょう。

音楽を聞きながら勉強するデメリット4つ

170502tuiki3

(1)集中を妨げることもある

音楽を聞きながら勉強することで集中力を高めることができますが、状況によっては逆に集中力を妨げることもあるようです。

音楽を聞く場合、勉強する際に使う視覚とは別に、聴覚も使うことになります。

これは違う神経を同時に2つ使うことになるため、集中力が分断されてしまい、半減するということもあるのです。

音楽に頭がいきすぎてしまうという人も不向きと言えるでしょう。

(2)音楽のない環境で勉強できなくなる

常に音楽を聞きながら勉強していると、その状態が当たり前となってしまい、「音楽がないと集中できない」「音楽がないとやる気が出ない」といった悪循環に陥ることもあります。

実際にテストや試験が行われるのは静かな環境ですから、いざ本番というときになって実力が発揮できないということになるかもしれません。

あまり音楽に慣れすぎてしまうのもよくないでしょう。音楽がなくても集中できるという環境にもクセをつけておく必要があります。

(3)暗記の効率が落ちる

英単語や歴史の年号など、暗記ものを勉強するときも音楽はない方がいいでしょう。

特に歌詞があるような音楽だと、頭がそちらに引っ張られてしまい、効率が下がってしまいます

暗記は口に出して覚えることもあるため、自分の声が妨げられる音楽は極力聞かない方がいいと言えるでしょう。

(4)時間を意識してしまう

通常音楽は、1曲が4〜5分程度のものが多いですよね。つまり、1曲終わるごとに4〜5分が経過しているということ。

これは、勉強中に時間を意識してしまうことになり、「まだ○分しか経ってないの?」と経過時間が気になってしまうことがあるのです。

60分のアルバムでは、1周聞き終わると「まだ1時間……」となりますし、勉強時間に意識が向きすぎてしまうことで効率は下がるでしょう。

音楽を聞きながらの勉強に関する研究

170502tuiki4

2007年にスタンフォード大学が行った研究によると、音楽は学習能力を高め、集中力も高めるということが分かったそうです。

音楽には人の脳内にある状況を変化させる効果があり、これが良い学習環境を作り出しているとのこと。

またこの研究では、大多数の人が会話をしている中でも、自分の目の前にいる人の会話だけを聞き取ることができる“カクテルパーティー効果”についても触れられています。

人間は自分に必要な音だけをうまく聞き分けて上手に処理することができるため、音楽を聞きながらの勉強でも情報をうまく取り入れられると考えられるでしょう。

さらに別の研究では、音楽は情報に対する関心を高める効果があり、音楽と情報が結びつくことで、勉強した内容を思い出すきっかけにもなると言われています。


→次ページでは、音楽を聞きながら勉強するのに向いている教科・向いていない教科を見ていきましょう。

音楽を聞きながら勉強するのに向いている教科・向いていない教科

170502tuiki5

向いている教科

数学、化学、物理など、あまり暗記をする機会のない理数系科目は音楽を聞きながらの勉強と相性が良いと言えるでしょう。

特に問題を機械的に解いていくような場合は、モチベーションを加速させるために有益です。

ただし、これらの科目中も暗記する部分や深く理解する部分もあり、そのときには音楽をとめた方がいいでしょう。

向いていない教科

特に相性の悪い教科と言えるのが、“英語”です。英語は文脈を理解しなければならず、音楽を聞きながらだと障害となってしまいます。

英単語の暗記などをする際には絶対に音楽を聞かないようにし、歴史や地理、古文・漢文など、暗記をすることの多い文系教科でも音楽は避けた方がいいでしょう。

音楽を聞きながら勉強してはいけない人

170502tuiki6

“音楽が好きすぎる”ことは、勉強する上では邪魔になってしまうでしょう。

『音楽が大好きで、音楽を流して歌いながら勉強しています』(中1女子)

もしこちらの理由で音楽を聞きながら勉強しているなら、やめましょう。音楽に気を取られてしまい、勉強に集中できるわけがありません。

特に、歌を歌ってしまうような人は絶対にやめた方がいいです。

ただし、いずれの理由にせよ、「最初は音楽が聞こえていたけれど、気が付いたら聞いていなかった」という人は音楽を聞きながら勉強しても大丈夫です。

聞こえないのは集中している証拠。集中するための儀式として音楽を聞いているならそれで大丈夫です。

結論としては、集中できているなら音楽を聞きながら勉強してOK。集中できていないならやめるべきです。

一度、お子さんが音楽を聞きながら勉強する様子を観察してみましょう。加えて、なぜ音楽を聞きながら勉強しているのか聞いてみてください。

音楽がある方が集中できているようであれば大丈夫です。歌いながらであればやめた方がいいでしょう。

聞きながら勉強するのに適した音楽のジャンル

160812sasakimegumi

初めて聞く音楽に対しては、脳が刺激を受け、ドーパミンという物質が分泌されます。

ドーパミンは脳が快感を覚えるため、勉強のやる気を引き起すきっかけとなるでしょう。

その後、集中力を維持させるためには、ノルアドレナリンという物質の分泌が有効と言われています。これは音階の上下がゆるやかで、テンポよく進む曲が適しているとのこと。

クラシックではバッハベートーヴェンが良いでしょう。

また、できるだけ歌詞(文字情報)がない音楽の方がよく、リラクゼーション音楽のようなものもおすすめです。

リラックス系のBGMのなかから、自分がリラックスできると感じられるものを選ぶといいかもしれません。


→次ページでは、周りの音が気になってしまう人におすすめのBGMを見ていきましょう。

周りの音が気になってしまう人におすすめのBGM

ここでは、実際に勉強する際におすすめのBGMをご紹介します。

まずはピアノ系の勉強用BGMです。勉強に限らず、作業効率のアップに効果が見込めるでしょう。

これは自然の音を使ったBGM。人工的な音楽に比べ、深いリラックス効果を得られ、集中することができるでしょう。

そして最後は、クラシック音楽の中でも勉強しながらのBGMとして最適なものを集めたものです。

歌詞がないため、勉強の邪魔をすることなく、集中力のアップが見込めるでしょう。

音楽を聞きながら勉強する子どもへの声のかけ方

170502tuiki7

子どもが音楽を聞きながら勉強している場合、本当に効果的な聞き方ができているか心配になりますよね。

できれば音楽を聞かずに勉強に集中してくれるならそれが理想的ですが、あまり口うるさく言ってやる気をそいでしまうのも気が引けるものです。

そこで、子どもに声かけをするときは、以下のようなことを意識してみるといいでしょう。

・自分が子どものころは音楽を聞かない方が覚えが良かった
・良いところと悪いところがあるから、自分に合った方法を見つけなさい

必要以上に干渉してしまうと、子どもは反発するだけ

実体験を踏まえながら、最終的な判断は任せるというスタンスで声をかけるといいのではないでしょうか。

音楽を聞きながら勉強するときのマナー

170502tuiki8

音楽を聞きながら勉強することは決して悪いことではありませんが、周囲に気を配りマナーを守って聞く必要があります。

図書館などの静かな場所では、小さな音で聞かなければ音漏れしてしまうこともあり、迷惑になってしまいます。

図書館は、静かな空間で勉強したいと思って来る人も多いため、そこで音漏れをさせてしまえば大迷惑です。

大きな音は勉強効率の点からも良いとは言えませんから、できるだけ小さな音で聞くことを心がけましょう。


→次ページでは、音楽を聞きながらの勉強の効率をあげるコツを見ていきましょう。

音楽を聞きながらの勉強の効率をあげるコツ

170502tuiki9

勉強中の音楽は、あくまで集中力のアップなど導入部分で取り入れたいもの。つまり、集中しきった状態では無音になるのが理想的と言えます。

そのため、音楽をかけながら勉強をスタートさせるときは、一定時間で終わるようにするか、何曲か決めた状態で流れるのが終わるようにするといいでしょう。

勉強に集中できていれば音楽が終わったことには気づかずに、そのまま無音の状態で勉強し続けることができます。

反対に、音楽がとまったことに気づくということは、それは集中できていない証拠。

延々とリピートさせて聞くようなことは避けた方がいいでしょう。

音楽を聞きながら寝ると睡眠の質が下がる?

170502tuiki10

万全の状態で勉強するためには、質の良い睡眠も大事ですよね。

なかには、勉強するときだけでなく寝るときも音楽を聞きながらという人もいるのではないでしょうか。

基本的には、睡眠中に聞こえる周囲の音というのは、眠りを妨げるものです。これは、音を聞くと脳がそれに集中してしまい活性化するため。

しかし、中にはリラックス効果をもたらすものもあり、それがα波を引き起こす音楽です。

「テンポが遅い」「曲調が一定」「歌詞が入っていない」などの音楽にはこの効果があると考えられます。

勉強のときに適しているクラシック音楽や自然音がこれに当てはまるため、寝付きが悪いという人は試してみてはいかがでしょうか。

まとめ

「音楽を聞きながら勉強するメリット」や「向いている科目」などについて紹介してきましたが、いかがでしたか?

毎日コツコツと勉強し続けなければならない受験生などは、うまく息抜きすることも必要です。

音楽がそのきっかけになるという人も多く、うまく付き合うことができれば頼もしい味方となってくれるはず。

聞くタイミングや曲の種類に注意して、勉強の効率を上げられるようにしましょう。

【参考文献】
・『記憶力の脳科学』柿木隆介・著

●追記/パピマミ編集部
●モデル/ゆみKUMI(陸人くん、花音ちゃん)福永桃子



あなたにオススメ

パパ・ママに読んでもらう

同じカテゴリーの記事

  • インスタグラム
  • ライターの紹介

ピックアップ