巧妙な手口に要注意! 「略取・誘拐」から子どもを守るポイント
2016年4月29日 | よみもの巧妙な手口に要注意! 「略取・誘拐」から子どもを守るポイント

こんにちは、保育士ライターのyossyです。
2016年3月、埼玉県朝霞市で行方不明となっていた女子中学生が約2年ぶりに保護されました(朝霞市女子中学生誘拐監禁事件)。
車に乗せられて誘拐され、長期間にわたって監禁されていたことで大きな話題に。同じ子どもがいる親としては恐ろしくなってしまいます。
誘拐事件が起きると、残念ながら手口をまねた犯罪が起きることもあるようです。
子どもは大人が守らなくてはいけません。わが子はもちろん、地域の子どもたちの身の安全のために、できる限りの対策をしていきましょう。
ここでは、略取・誘拐にスポットをあてて、その対策法をご紹介します。

子どもを狙った犯罪が増えている
平成26年の子ども(13歳未満)の被害件数は全体で24,707件。うち109件が略取・誘拐(未遂を含む)で、9年ぶりに100件を超えてしまいました。
警視庁によれば、近年、子どもが事件の被害者になる割合が増える傾向にあるといいます。
特に略取・誘拐は子どもが狙われることが多く、全被害のうち実に5割以上は子どもが被害に遭った事件とのこと。
警察でももちろんパトロール強化などの対策を講じていますが、私たち親もできる限りのことをしていきましょう。
優しさや不安につけこみ、巧妙にだます手口に注意
では、どういった誘拐の手口があるのでしょうか。
例えば、
・「道案内をしてもらえない?」などと、困っているふりをして優しさにつけ込むケース
・「遊園地に連れて行ってあげる」「お菓子をあげる」などと、子どもの興味を引きそうなことを言って誘惑するケース
があります。
また、朝霞市の女子中学生誘拐監禁事件では、犯人は「両親が離婚したから弁護士のところに連れて行く」とだましたと報道されています。
このように、子どもの不安な心に付け入るような手口も非常に悪質です。
“両親の離婚”以外にも、例えば「お母さんが交通事故にあった」「親族が亡くなった」など、子どもが冷静さを失ってしまうようなことを犯人は言ってくることがあります。
「急いで車に乗って!」などと言われてしまうと、子どもは焦ってしたがってしまうかもしれません。
まずは、子どもにこういった手口があるということを教えましょう。そして、とにかく“ついていかない”ことを肝に銘じておくことが大切。
例えば、道をきかれて答えること自体は問題ありませんが、「説明がよくわからないから、ついてきて」と言われたら、「ダメと言われているからできません。お店や交番で(大人の人に)お願いしてください」などと断るように指導しましょう。
なお、よく「“知らない人”についていかないように」と言われることがありますが、実はこの説明では不十分。
例えば、子どもが1人のときに毎日「こんにちは」と声をかけてくる人がいたら、数日後には子どもにとってその人は“知っている人”に分類されるかもしれませんね。
また、ウソをつかれ「僕は学校の先生だよ」「私は○○ちゃん(お友達)のママだよ」といわれたら、自分が覚えていないだけで知っている人なのかもしれない、と思うでしょう。
微妙なケースでは大人ですらだまされることがあるのですから、子どもには信じられる大人と信じられない大人の区別はつかないのです。
対策としては、例えば
「どんなに大変で緊急な事態であろうと、パパ、ママ、担任の先生以外の人が迎えにいくことはないから、ついて行かないで」
といったように、具体的な人物を挙げて伝えるのがいいですね。
もしママ友さんにお迎えを頼むことがあるなら、「ほかの人にお迎えを頼む場合、必ずママかパパが事前に伝えるよ」といっておくといいでしょう。
そして、約束したからには事前に伝えることを絶対に忘れてはいけません。
“反対方向に逃げる”! 車に連れ込まれないための対策法
有無を言わさず強引に連れていかれるケースでは、車に乗せられてしまう事件が多いようです。
セコム会社IS研究所の舟生岳夫氏は、車から声をかけられたケースに対して、以下のように行動すべきだと注意を促しています。
・車から即座に離れる。大人が両手を広げたくらい距離をおく
・どんなことを言われても、車には近づかない・乗らない
・車から降りて近づいてきたら、防犯ブザーや大声で助けを呼ぶ
・身に危険を感じたら、車の進行方向と逆に逃げる
・すぐに大人に知らせ、助けを求める※もしも車から声をかけられたら?子どもの連れ去りをどう防ぐか | セコム より引用
車はすぐに方向転換できないので、反対方向に逃げるのは有効ですね。
また、無理やりつれていかれそうになったら、できるだけ大きなものにしがみつくのもいいと言われています。
駐停車している車があったら「危険かもしれない」と思うようにし、近づかないように指導しておくことも大切です。
単に「気をつけなさい」「知らない人についていかないで」と言われても、子どもは具体的にどのようにすればいいのかわかりません。
まずは私たち親が犯罪の手口を知り、より具体的に子どもに指導をすることが大切です。
わが子だけでなく、地域の子どもたちみんなを守るために、大人たちは不審者や不審な車、子どもたちの様子などに常にアンテナを張っておきたいですね。
【参考リンク】
・もしも車から声をかけられたら?子どもの連れ去りをどう防ぐか | セコム
●ライター/yossy(フリーライター)