もう4歳なのにナゼ? 子どもの「指しゃぶり」をやめさせるサポート方法
2016年4月27日 | よみものもう4歳なのにナゼ? 子どもの「指しゃぶり」をやめさせるサポート方法

【ママからのご相談】
4歳の娘がいまだに指しゃぶりをしていて不安です。遊んでいる間も保育園にいる間もずっとこの調子です。
なんとかやめさせようと、口から指を離されたり、「ダメだよ」と優しく言いつけたりしています。
しかし、なかなか治らず、このままずっとクセとして残るのではないかと心配です。どうすれば指しゃぶりをやめさせることができるのでしょうか。
お子さんの心が、満たされる状態になればやらなくなります。
こんにちは。メンタル関連を中心に書いているメンタルケア心理士の桜井涼です。ご相談ありがとうございます。
指しゃぶりでお困りなのですね。指しゃぶりは、心の中にある不安を何とかしようとして無意識のうちに出てしまう行動です。
4歳であれば、環境の変化やちょっとしたストレスで始まってしまうことがあります。
多くの子どもたちが指しゃぶりや爪かみなどさまざまな行動に起こします。しかし、心が落ち着けば自然となくなります。
お子さんが発している心のサインが何なのかを調べてみると、早い段階で心を満たしてあげることができるかもしれません。

心のサインが行動に出ている
人の心と行動は非常に密接に関わっており、切り離すことができません。そのため、心で不安に感じることがあると、それを行動に出してしまうことがあります。
例えばウソをついた場合、不安な気持ちを抑えるために、
・鼻をさわる
・身振り手振りが大きくなる
・手を隠す
・ツバを飲み込む
などの行動でごまかそうとします。
ご相談者様のお子さんの場合は、よく指をしゃぶっているとのことですので、同じように何らかの不安な気持ちを抱えているのかもしれません。
一般的に、指しゃぶりや爪かみ、タオルやぬいぐるみなどを持ち歩くなどの行動は、精神不安を意味すると言われています。
つまり、それらの行動は心の安定をはかる目的で行われており、不安を強く感じたときの心の支えとなっているのです。
また、このような行動を取るのは、2~4歳くらいから始まるお子さんが多いです。
この年齢になると、語彙が増えてきているのに気持ちをうまく伝えることができないというストレスを感じることもあります。
また、親の様子や人との関わりにも不安を感じ取りやすくなります。こういった精神不安な状態の子にさらにストレスがかかると、吃音が出てきたりすることもあります。
指しゃぶりはいつまで続くのか
ご相談者様と同じように、「この子は一体いつまで、こんなことをするんだろう」と悩まれている方も少なくありません。
指しゃぶりは不安な心を示すサインですから、心が満たされる状態を作ってあげることが必要です。
以下は、取材をしたり、学習塾の講師をしていたときの面談などで聞いた話です。
・『小学1年生なのにお気に入りのタオルケットがないとダメなんです』
・『17歳の娘は、未だに指しゃぶりをしています』
・『年長になっても爪かみをしています』
・『小4なのに手だけでなく、足の爪やあまがわまでかんでいます』
・『3歳からずっと今(当時8歳)まで指しゃぶりをしています』
というように、不安な気持ちが解消されないと「ついやっていた」という状況になってしまう子どもたちも多くいます。
大人でも爪かみをしてしまうことがありますよね、それと同じです。
その子によって、何が不安材料になっているかはわかりません。そのため、親が早いうちに気がついてあげることが大切なのです。
心を安定させるために親ができること
新しい環境で不安ということもあるでしょうし、親にもっと甘えたいという気持ちから起こることもあります。個々によって原因は変わります。
指しゃぶりなどの行動を見せたときは、叱らないであげることが大切です。外出時に指をしゃぶっていたりすると、つい無理矢理やめさせようとしますよね。
注意しすぎたり、無理矢理にやめさせようとしたりすることは逆効果になってしまいます。
そんなときは、抱きしめてあげたり、手をつないで微笑んであげたりすることが有効です。子どもはスキンシップを通して安心感を受け取ることができるからです。
日常であれば、それとなく遊びの方に注意を向けてあげるとか、時間的に余裕のある生活をすることも効果があります。
そして子どもと接する時間を増やしてあげましょう。ニコニコしたママと過ごせるだけで自然と指しゃぶりをしなくなる方向に向かいます。
また、夫婦が仲良く話をする姿や、過ごしている姿を子どもが見るだけでも安心することにつながります。
「早くやめさせたい!」と相談者様が焦れば焦るほど、その気持ちがお子さんに伝わってしまいます。そのため、やめさせるのに逆に時間がかかってしまうのです。
まずは、お子さんに安心感を持たせるために、何に不安を感じているのか見てあげて欲しいと思います。
言葉で聞いても話さないことが多いです。行動を見てあげることが発見につながります。
【参考文献】
・『「気づいて! こどものこころのSOS」こどもの心の病全書』星野仁彦・著
●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)