プロ家庭教師が伝授! 子どもに“ごほうび”をあげて勉強させるテクニック
2013年12月3日 | よみものプロ家庭教師が伝授! 子どもに“ごほうび”をあげて勉強させるテクニック

【ママからのご相談】
小学生の息子がいますが、勉強嫌いのようで、自分からは全く勉強しません。クリスマスが近いこともあり、「次のテストでいい点を取ったら、ゲームソフト(かなり高価な)を買って!」とねだってきました。
自分から勉強をしてくれるなら、安いもののような気がしますが……ごほうびで勉強をさせるのはどうなのでしょうか?
ごほうびは効果がありますが、使い方には注意が必要です。
ご質問ありがとうございます。プロ家庭教師の佐々木恵です。
全く勉強しないお子さんに対しては、「○○をあげるから、お願いだから勉強して!」と言いたくなりますよね。今回は心理学的に見たごほうび作戦の効果と、注意点について書きたいと思います。

短期的には効果あり
心理学的にいうと、人が自主的に何かをする時というのは、
・「自分ならできる!」という自信があるとき
・「これができたら○○してもらえる!」という期待感があるとき
・目標があるとき
この3つです。だから、「期待感を持たせる」ことができるごほうび作戦は効果があるといえます。
物理的なごほうびはすぐに慣れてしまう
人間のモチベーション理論に、『XY理論』というものがあります。
それによると、お金や物は短期的なモチベーションにはなるけれども、長く続かないということが示されています。
「次のテストで80点を取ったら1,000円ちょうだい!」とお子さんに言われ、それが実現されました。ごほうびとして、1,000円のおこづかいをあげたとします。おそらくその子は、次のテストでも1,000円のおこづかいをねだってきます。もしかしたら、それ以上の金額をねだってくるかもしれません。
これを続けると慣れてしまい、もらうのが当たり前になってしまいますし、ごほうびがないことを知ったら、やる気をなくしてしまうかもしれません。
「ごほうびなしでは勉強しない子ども」になってしまう危険性があるのです。
ごほうびはあくまで、「きっかけ」として使う
では、ごほうび作戦を有効に使うためにはどうすればいいでしょうか。
人が自主的に何かをするのは、「自信があるとき」「期待感があるとき」「目標があるとき」でしたね。この期待感というのは、物理的なものだけでなく、「人から褒められたり、認められるかもしれない」とか、「達成感を得られるかもしれない」という期待も含まれます。
お子さんが成果を出せたら、ぜひ褒めて、その努力と実力を認めてあげましょう。そうするだけでもモチベーションがアップします。
ごほうび作戦は、本当に勉強が嫌い、自分からは何もしないような子の、“最初の一歩”として有効です。
ぜひ、ごほうび作戦の効果が出て、お子さんの成績が上がったら、褒めてあげましょう。そうすることで、「やればできるんだ!」という気持ちがお子さんに芽生えます。成績が上がる喜びや、達成感を感じることもできます。
ぜひ、次の時からは、ごほうびなしでも、その気持ちをモチベーションにできるようサポートしてあげてくださいね。
●ライター/佐々木恵(プロ家庭教師)