勉強嫌いはママのせい? 子どもの「学習意欲」を奪う親のNG行動6つ

【ママからのご相談】

「こんにちは。小学1年生と4年生の男子の母親です。子どもたちの勉強のことで、今壁にぶち当たっています。私自身の学歴コンプレックスもあって、子供たちが幼いころからいろいろな教材を買い与え、幼児教室にも通い、勉強には力を入れてきました。

なのに、下の子はまだ低学年なので何とも言えませんが、長男の成績を見ると今まで頑張ってきた成果を感じることができず、つい焦ってしまいます。見ていて思うのは、長男は自分から勉強を楽しんでやっている様子がありません。私が押しつけすぎたんでしょうか?」

初めまして! ライターの月極姫です。

ウチの末っ子もこの春やっと小学校に上がり、ご相談者様と同様、私も2人の小学生の母親になりました。よくブログなどでもお子さんの勉強嫌いに悩まれている方はいらっしゃいます。

しかし、小4で思うような成果を感じないからといって、焦って直す必要はありません。大切なのは、いざというときに高い学習能力を発揮するだけの“基礎”が、小さいうちに構築されているか否かです。

お子さんが、うるさく言わなくても“能動的に学習する子”に育つよう、日頃の接し方をちょっぴり見直してみましょう。

小学校の時点では大丈夫で、高校や中学で進学校に進んだとしても結局勉強が嫌いでドロップアウトしてしまうケースもあるそう。

また近年のデータでは中学2年生で「勉強嫌い」と答えた割合が60%であるというデータも出ています。

そこで今回は子どもの学習意欲を下げてしまう“NG行動”や能動的に学習する子どもに育てる方法をご紹介します。

子どもの学習意欲を妨げる“親のNG行動”の特徴6つ

勉強嫌い
もしかしたら、子どもの学習意欲を妨げているのは、親のせいかもしれません。

今からそんな親のNG行動を6つ紹介します。

(1)勉強を“神聖化”する

勉強部屋の環境をばっちり整え、雑音をシャットアウトし“集中”を余儀なくさせる。一見理想的な学習環境のようで、子どもの勉強嫌いを促進させる、ありがちな間違いです。

テレビや音楽をかけながらの“ながら学習”は賛否両論ですが、リビングでお母さんが料理する音、お父さんや兄弟のおしゃべりを聞きながらの学習は大いに結構。

なぜ勉強を嫌いになってしまうかというと、特別視するからなのです。“勉強=日常”という図式を植え付けてしまえば、肩の力を抜いて勉強するようになります。

受験の年頃になれば、自分の意思で自室で集中するようになるので大丈夫。幼児~小学生のうちは雑音・生活音の中でリラックスして学習できることの方が大切です。

(2)勝手に“学習計画”を立てる

「今日はこれをやりましょう」「今週はここまでクリアしよう」と、親の方で勝手に計画を立てていませんか?

親が干渉しすぎるのはNG行動の一つです。

まず、最初に行うべきは「何を勉強したいか」を子どもに問うことです。勉強が好きになれば、勝手に勉強する子に育ちます。

しかし、お子さんがどの教科を好きなのか、把握していない親御さんは意外に多いものです。小学生のうちは、お子さんが「やりたい教科」がメイン。

他は、余った時間にできる範囲でやる。1つの教科で自信をつけた方が、他の教科に対してもやる気がわくものです。

(3)飽きっぽさを否定する

「1つの教科をじっくりと」「最後まで集中して」「1つのことを終わらない限り次の勉強はさせない」これも、大人にありがちが押しつけです。

極端に落ち着きのない性格の場合は別として、じつは知能が高いほど“飽きっぽい”傾向があります。

学校から出た宿題は最低限やらなくてはいけませんが、その他のワークや家庭学習に関しては「飽きたら他の教科をやる」でOK。

飽きた教科を延々と無理矢理やらされた記憶は、そのまま勉強嫌いの原因になってしまいます。飽きっぽさは、じつはお子さんが親御さん以上に頭の回転が速いサインかもしれませんよ。

褒めながら勉強のやる気を引き出す方法についての詳細は以下の記事をご覧ください。

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(4)“ゆっくりじっくり、長時間”勉強させようとする

長時間の学習、延々とした復習もまた、子どもを勉強嫌いにさせてしまう原因の1つ。「スピーディに、短時間集中型」で行うのが効果的です。

ご相談者様は、授業参観に出られたときに、先生の授業がとてもゆっくりであると感じられたことはありませんか?

先生の手腕にもよりますが、学校の授業がゆっくり進むのは、ある程度仕方ない面があります。

数十人いる生徒の理解度はさまざまで、やはりゆっくりの方に合わせていかなければならないからです。しかし、これがあまりに極端だと、お子さんの授業離れが進んでしまいます。

ご家庭でできることは、お子さんの興味関心やスピードに合わせた学習をさせてあげることです。

たとえばワークや教材をお持ちならば、15~20分くらいで、学校の授業の進度は気にせずお子さんがやりたがる部分をやる。

また、学校で学んだことが理解できているようなら、延々と復習するよりも短時間で予習をして、終了。家庭で予習、授業で復習という形の方が、お子さんが意外に勉強好きになったりします。

短時間で勉強をする方法の詳細については以下の記事をご覧ください。

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(5)「勉強しなさい」と命令する

はい、のび太くんのママがよくやっていますね(笑)。「勉強しなさい」という命令はナンセンスです。そうではなくて、自分から勉強する子になるように、日頃から働きかけていたか否かを、親は自分に問うべきなのです。

もっとも大切なのは、親に向上心があること、親自身がよく勉強することです。年頃になった子どもに「どうして勉強なんかしなくちゃいけないの?」と聞かれ、答えに詰まるような親ではいけないということです。

資格の勉強、料理の勉強、家計管理の勉強、趣味の向上、大人にも学ばなければいけないことはたくさんあります。

親が、自分自身の人生が豊かになるように、努力しているかどうか。これを、子どもはじつによく見ています。

「勉強しなさい」と言われなくても「よし、勉強しよう」と思える子どもになるためには、あなたがお手本になることです。

命令ではなく自発的に子どもが勉強をする方法の詳細については以下の記事をご覧ください。

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(6)遊んであげない、人任せにする

遊びにしても、学習にしても、人任せにし過ぎると子どもの学習意欲に影響してしまいます。子どもと接する“時間の長さ”ではなくて“時間の濃さ”が大切です。

先生や塾に頼りすぎず、親が勉強を教えることも大事。また、遊んであげることもとても重要なのです。

体を使った遊び、トランプやボードゲーム、カルタなどを使った遊びを、お子さんとしていますか?

1人で遊ぶゲーム機とは違い、たとえば家族でやるトランプなどは感情をコントロールしたり、論理的に考えて目標を達成する訓練になります。

ゲーム機も確かに楽しいものですが、一見能動的にやっているように見えて、結局はゲームのプログラムに誘導された受動的な遊びです。

東北大学の竹内光准教授らの研究グループが「長時間のゲームが言語性知能の低下につながる」という研究成果を発表しましたが、あまりに長時間、ゲーム機に子どものおもりをさせるのは考えものです。やはり家族が頭と体を使って遊んであげる。

これが結局は、お子さんの能力を総合的に向上させることになるのです。

子どもが勉強を嫌いになってしまう心理の詳細は以下の記事をご覧ください。

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勉強嫌いを克服させる親の接し方

子どもの勉強嫌いを克服させる親の接し方として3つのステップがあるとされてるので、紹介します。

最初のステップとしてすることは、子どもの小さな成長を見つけて喜ぶこと。どんなに小さな成長でも、しっかり認めてあげて喜びを表現しましょう。

次のステップとしては、ワクワクするような将来の夢や目標を立ててあげること。

中学生、高校生、大学生、社会人と子どもが成長していくに連れて、夢が消極的になったり、ないしは夢が消えていくということがあります。

そうではなく、子どもの頃から、どのような夢でも実現することを伝え、具体的にイメージをさせるようにしましょう。

最後に、その夢を実現するまでの道筋(進路)を示すようにしましょう。具体的に、夢実現のための仕事・職業や、学校を調べて、ステップを設定してあげることが大事です。

勉強嫌いを克服させる詳細の方法については以下の記事をご覧ください。

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勉強嫌いと学習障害

ここまで勉強嫌いについて解説してきましたが、単純な勉強嫌いではなく、もしかしたら学習障害の可能性もあります。

そこで少し学習障害についても触れておきます。

学習障害とは

学習障害とは、発達障害の一種で、学習障害の中でも読字障害、書字表出障害、算数障害の3つに分類されます。

必ずしも「話す」「読む」「書く」「計算する」「聞く」の全てに障害があるわけではなく、どれか一つだけに障害を持っていることもあります。

学習障害の特徴

学習障害の大きな特徴は、得意なものと、不得意なものの差が大きいことです。

もちろん人間には得意、不得意はありますが、学習障害の場合、その差がとても大きいです。

学習障害は正直、小学生頃までは判断が難しい障害であり、軽度の知的障害などと間違われるケースもよくあります。

勉強嫌いが勉強好きになった体験談

今まで話してきたような勉強嫌いが克服され、勉強好きになった人の実際の体験談を紹介しようと思います。

『中学生の時まで勉強が嫌いでした。しかし、高校に進学してから親が勉強に対して口に出さなくなったことが転機となりました。自分の興味関心のあるものに積極的に取り組むようになったのです。授業を自分から能動的に受けるようになってから、面白さが感じられるようになったのです。』(20代女性)

この体験談は一事例ですが、実際親が口を出さなくなってから、勉強が楽しくなったいい例かと思います。

実際にこの方は、その後校内のテストで1位を取るまで勉強が得意になったそうです。

“勉強する喜び=親からの愛情”。この図式が一生の宝物

勉強嫌い
ご相談者様は、ご自身の経験から「子どもに勉強や学歴で苦労させたくない」という強い思いで、今まで学習面に力を入れてこられたのですね。

「人間は勉強ばかりじゃない」という考え方もその通りですが、実際に一定の学習能力があること、学歴があることで将来の選択肢が広がるという面はあります。

たくさんの選択肢の中から、自由に選ぶ権利を与える。これは確かに、親の大切な役割ですよね。

しかし、結果を焦るあまり、お子さん本人の心の中に「勉強は楽しい」「勉強は役に立つもの」という“学習意欲の種”を撒く過程をないがしろにすると、結局学習意欲や向上心は身に付きません。理想は、“勉強”と“親の愛情の思い出”が直結していることです。

  • 「本を読み聞かせてくれた」
  • 「一緒に勉強してくれた」
  • 「わからないところを、学校や塾の先生以上に根気よく教えてくれた」
  • 「自分に合った教材や塾を一所懸命探してくれた」
  • 「成績が悪くても怒らず、励ましてくれた」
  • 「あなたならできる、と信じてくれた」

親御さんなら誰もが、最初に抱く「この子自身の将来のためにも、できるようになって欲しい」という思い。この思いの“純度”をいかに末永く保つかがポイントです。

一所懸命時間とお金をかけているうちに、その努力の目的が他のお子さんとの競争、家族・親族・友だちへの見栄、プライド、意地といった、大人のエゴにすり替わってはいませんか?

お母さんが頑張ることに疲れてしまったら、お子さんの赤ちゃんのころのアルバムなどを開いて、誕生したころの純粋な喜びを思い出してみるのもおススメです。

お子さんはまだまだ小学生。もっともお子さんのためを考えてあげられるのは親御さんであるという自信を持って、のんびり努力を続けていきましょう!

結局は「この子に幸せになって欲しい」という思いが純粋であるほど、学習成果も上がると思うのです。

【参考文献】
『13歳からの頭がよくなるコツ大全』小野田博一・著
『自分から勉強する子が育つお母さんの習慣』村上綾一・著

●ライター/月極姫(フリーライター)
●追記/パピマミ編集部