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20代にもリスクが? 女性は必ず受けるべき「乳がん検診」の知識

20代にもリスクが? 女性は必ず受けるべき「乳がん検診」の知識

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【女性からのご相談】
少し前の作品ですが、乳がんにかかった花嫁さんの映画を見ました。あとから実話だと知って衝撃だったのですが、20代でも乳がんにかかる確率というのは結構高いんでしょうか?

年上の女性で、市から乳がん検診のクーポンをもらっている人を知っていますが、私はまだ20代のせいかそういうものは届いていません。

乳がんはたしかに怖いですが、検診料が高額みたいなので受診しようか迷ってしまいます。

あと、胸が大きい人の方が乳がんにかかりやすいと聞いてことがあるのですが、本当なんですか?

a 乳がん罹患率、死亡率ともに各年齢層で上昇中……。人ごとだと思わないで!

はじめまして、ライターの月極姫です。

ご相談者様はとてもお若いので、乳がんに対する危機感をどれくらい持てばよいのか、迷うところですよね。

実際に乳がんに罹患された方、闘病中の方、亡くなられた方々の手記などを拝見すると、少しでもすべての女性たちへの警告になれば……という使命感のようなものを感じます。

がん闘病という苦境の中で自分のことだけを考えるのではなく、啓発意識を持てることは純粋にすごいことだと思います。

結論からいうと、現代の日本において乳がんの罹患率がもっとも高いのは40代~50代です。しかし、残念ながら、20代の若さで罹患する人の数も年々増えています

がん研究振興財団が2001年に発表したデータによると、2001年に乳がんと診断された40,675人のうち、15~29歳の若年層は321人。10代の患者さんも存在することに驚きですが、全体からみた比率は決して高くはありませんでした。

しかし、現代独特の生活習慣などにより、若い世代の乳がんの発生率は年々増えています。若年性乳がんは40代以降のケースより進行が早いという側面もあり、油断できないのが現状です。

年代に関わらず、日本人女性の乳がん罹患率は驚くほど上昇してしまっています。

国立がん研究センターが2008年に発表した調査結果によると、がんにかかる女性のなかでもっとも多い発症部位が、胃を抜いて今や乳房。国内で一生の間に乳がんにかかる女性は14人に1人という、ドキッとするようなデータもあります。

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乳がんは早期発見が治癒のカギ。検診代を高額ととらえるか?

ご相談者様のおっしゃるように、40代以上の女性には自治体から乳がん検診の無料クーポンや割引券が配布されることがほとんどです。

お住まいの地域により若干の差異はありますが、40代以上なら、無料または比較的安価に検診を受けることができます。

乳がんは早期発見で治癒する病気です。前述したように、女性でもっとも多くがんが発生する部位は乳房ですが、罹患後の死亡率でいうと、大腸、呼吸器、胃、膵臓を下回って5番目。

つまり、早期発見により最悪の事態を免れた例がたくさんあるということです

若年性乳がんの進行の早さを考慮すると、20歳を過ぎたら2~3年に一度、定期的に検診を受けることが望ましいです。しかし40歳未満の女性は、検診料が全額自己負担になるケースがほとんどです。

医療機関により検診料に幅はありますが、一般的にはマンモグラフィ検査が約5,000円、超音波エコー検査が3,000円~4,000円なので、診察代を含めると10,000円~20,000円の出費になります。

しかし、マンモグラフィ・超音波エコー検診・医師による視触診の合わせ技が、乳がんの早期発見には外せない方法です。

マンモグラフィは超初期段階の小さながんを発見しやすい装置ですし、超音波エコーは、がんが発生する『乳腺』の密度が高いケースでもがんをみつけやすいという特徴があります。

あくまでケースバイケースですが、徹底的に検査して安心感を得るなら、どちらの装置も使用した方がいいのです。

決して安い検診代ではありませんが、乳がんを早期発見できるかどうかは、女性の一生を大きく左右する分かれ道。ご自分自身とご家族のために、他の出費を節約してでも受診されるべきものだと思います。

乳がん検診はどこで受ければいい?

いざ検診を受けることを決めても、どこで受けたらよいのかわからない人も多いのではないでしょうか。

身近に乳がん検診の経験者がいるなら、病院の評判などを聞いてみるのがよいと思います。とくに口コミ情報がなくても、各自治体のサイトには乳がん検診を実施している医療機関の一覧が掲載されています。

料金、受診可能日時など、あらかじめ電話で問い合わせてみてください。予約制の病院、検診実施曜日・時間帯が決まっている病院など、システムはじつにさまざまです。

ちなみに筆者は2015年12月上旬に受診を決め、自治体のWebサイトに掲載されている医療機関に片っ端から電話をかけましたが、自宅の最寄りの医療機関はすでに予約でいっぱい。

どうしても年内に受診したかったのですが、やっと希望の日時に予約を入れられるまでに半日かかりました。

喜ばしいことに、最近は女性たちの乳がんに対する理解が徐々に深まってきています。乳がん検診の希望者が増えてきているため、検診実施機関はどこも混んでいるのが現状のようです。

忙しい育児世代の女性は、とくに早めに行動することをおススメします。

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“乳がんにかかりやすいタイプ”のウソ&ホント

ご相談にある「胸の大きい人の方がかかりやすい」というウワサは筆者も聞いたことがありますが、これは本当なのでしょうか?

結論から言うと胸の大きさと乳がんの罹患率に相関性があるのではなく、

・胸が大きい人は乳房の脂肪層が厚いので、セルフチェックによるしこりの発見が遅れやすい
・胸の大小ではなく、肥満度が乳がんの罹患率に大きく関係している

というのが真相です。小胸さんでも、BMI(身長の2乗に対する体重の比で、体格を表す指数)が高ければ乳がんリスクは高いので油断しないでくださいね。

とくに乳がんになりやすい要素としては、以下のようなものが挙げられます。

(1)遺伝(家族に乳がんに罹患した人がいる)
(2)生活習慣(欧米型の食事、運動不足)
(3)初潮時期が早い、閉経時期が遅い(月経がある期間が長い)
(4)BMIが30以上である
(5)40~50代
(6)ピルを長期間服用している
(7)ホルモン治療を受けている

以上のような理由により、女性ホルモンの一種である『エストロゲン』という物質の影響下に長く置かれてしまい、乳がんリスクが高まるのです。

女性ホルモンは、女性にとっては若さや美しさの源というイメージがありますが、過剰に影響を受けることは健康上好ましくありません。

ピルに関しては、日本では避妊・月経コントロール目的で使用する人がほとんどですが、海外では手軽なホルモン補充法として使用する人も少なくないようです。

しかし、乳がんリスクを考えると、一定の年齢に達したら服用をあきらめる覚悟も必要でしょう。

また上記の条件に加え、アルコールの過剰摂取が乳がんリスクを高めるというデータもあるので、酒量の多い人、休肝日が少ない人も飲酒習慣の見直しをしてみてくださいね。

筆者も乳がん検診を受けてみた……マンモグラフィの痛みはどれくらい?

じつは、筆者も乳がんに対する危機感が低かった方で、思い返せば最後にマンモグラフィを受けたのは10年ほど前……。

しかも、セルフチェックでしこりを発見し、慌てて病院に予約を入れたという過去がありました。結果が良性で良かったです。

しかし、学習能力の低さから、40代前半となった最近になって再びしこりを発見。慌てて予約し、2度目の乳がん検診を体験しました。

まだ乳がん検診を受けたことがない方や、お若い方の中には「マンモグラフィは痛そう」と思っていらっしゃる方も少なくないと思います。

痛みに対する感受性も人それぞれではありますが、結論から言うと、痛いです(笑)。乳房が平らに変形するほど機械にガッチリ挟み込むので、痛くないはずはありません!

とはいえ、出産に比べればミジンコ並みの小さな痛み。例えるなら“搾乳機で搾乳されるときの痛み+3~5割増し”といったところでしょうか。

ありがたいことに、痛い時間はほんの数分×数セット。片方ずつ、複数の角度から撮影するため何回か痛い思いをしますが、女性は元来痛みへの耐性が高いですから、心配し過ぎる必要はありません。

筆者が受診した病院では、マンモグラフィの後で医師による視触診に呼ばれ、上半身裸でベッドに仰向けになって触診を受けました。

先生は触診しながら即座に「明らかに良性、心配ありません」との診断を口にしました。

ホッとしたのもつかの間、「でも過去にも良性腫瘍ができているようなので、一応期間をおいて超音波エコー検査をします。検査予約を入れますので、忘れないように予約票をお出ししますね」とのことでした。

慎重を期してマンモグラフィと超音波エコーを両方行うことも多いですが、まったく心配のない場合、医師から「今回はマンモと視触診だけでよい」と判断されることもあるようです。ちなみに筆者は市からいただいた無料クーポンを活用し、一切費用はかかりませんでした。


さまざまな啓発活動により、乳がんに関する知識や危機意識が徐々に浸透しているようです。読者の皆様も、遅れをとらずに乳がん検診を受けてみませんか?

【参考文献】
・『乳がんと診断されたらすぐに読みたい本 私たち100人の乳がん体験記』豊増さくらと乳がん患者会bambi組・著
・『近藤先生、「がんは放置」で本当にいいんですか?』近藤誠・著

ライター紹介

月極姫

月極姫

元精神科作業療法士、フリーライター。ライターとしては20代の頃に女性誌での連載経験を持ち、当時の得意分野は恋愛&メイク&占い。精神科勤務時代も、メイクアップセラピーを主に担当する。2児の母となった現在は教育や児童福祉への関心が高まり、池上彰先生や水谷修先生の御著書を読み漁る日々。趣味は毎朝5キロのジョギングと、毎月のマツエクサロン通い。

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