親子ともに試練の時! 「思春期の子ども」に接するポイントまとめ
2016年1月4日 | よみもの親子ともに試練の時! 「思春期の子ども」に接するポイントまとめ

子どもが思春期に入ると、身体の変化と共に心にも変化が起こり、親子間でも幼少期のころとは違うコミュニケーションが必要となってきます。
思春期は反抗期でもあるため、生意気な言動をするわが子への接し方に戸惑いを感じる親も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、思春期の子どもの心理や思春期の子どもへの接し方についてまとめてみました。
(作成:パピマミ編集部・原)
自分も通った道!? ママが思春期男子を理解するヒント

何を言っても反応が薄い思春期の息子さんを理解しようとするママのケースを見てみましょう。
自分がわが子の年のときのことを思い出してみる
筆者は、息子の態度や言葉に憤慨したとき、深呼吸した後に自分が息子の年齢だったときのことを思い出してみたりしています。すると、親から何か話しかけられたときに、ろくに返事もしなかった自分が思い浮かんできてしまいました。
相談者さまの息子さんが特別なわけではなく、思春期は誰にでもあるもの……。後から考えれば、親が心配するほどのことではなかったりします。
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息子の将来がとても心配…。お母さんであれば当然の気持ちです。
でも、こうした不安や心配が先に立つと、つい「今やっておかないと、将来困るよ」
「未来のために今、頑張りなさい」といったメッセージを伝えがちです。
お母さんの気持ちはよくわかるのですが、これは息子にとっては、つらいことです。(『思春期男子の育て方』より引用)
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他人に迷惑をかけるようなよほどのことをしでかしたのでなければ、もっと気楽に構えていて大丈夫です。子どもは常に、「もっと頑張れ」より、「頑張ったね」の言葉をかけてほしいものなのです。
思春期男子の“ユレ”を理解しましょう
ご相談者さまが悩んでおられる、“ちゃんとした会話”についてはもう少し見守ってください。「将来のために息子さんの受け答えをちゃんとしたい」というご相談につきましては、先に触れましたように、今息子さんは“思春期”という唯一無二の時期にいることを肝に銘じておきましょう。
この時期には、「将来のためにちゃんと……」という要求はしないでおくべきではないでしょうか。先にご紹介しました『思春期男子の育て方』には、
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思春期男子は「ユレ」の時期にいて、人生ずーっと船酔いみたいな感じなのではないか?
言いたいことや思うことがうまく整理できない、言葉にできないモヤモヤでいっぱいーーーーーーーーーー
と書かれています。
日々、“ユレ”に苛まれイライラでいっぱいの苦しい思春期男子を、「会話がなっていない」と責め立てたらいかがでしょう? このモヤモヤを受け止められるのは、親、そして親友だけです。
筆者は、最近自らにそう言い聞かせています。いつもイライラしていてつっかかってきても、親としてしっかり受け止められるようにどんと構えていましょう。
自分が思春期だったときの気持ちや行動を思い出すのは、わが子の言動を理解する上で大切なことだと思います。
思春期は特別なことではありません。わが子の不安定な気持ちを支えてあげられるような親でいてあげたいですね。
それでは具体的に思春期の子どもへの接し方について見ていきましょう。
とにかく「聞き役」に徹することで信頼感UP?!

思春期の子どもは不安や悩みをたくさん抱えていたりします。そんな状態で親に悩みを打ち明けてきたときの親としての態度はとても大切です。
子どもが悩みを話したときは、アドバイスではなく聞き役に徹する
子どもが悩みを話し出すと、つい、それを解決してあげたくなるのが、親心。でも、“悩み”に対する解決法は、本来1つではありません。親は辿り着けない答えに、子どもは悩んだ末にたどり着くことができるかもしれません。
親が良かれと思ってするアドバイスが、親の価値観を押し付ける結果になることもあるのです。それでは、悩みを打ち明けられたときに、親はどうすれば良いのでしょう?
アドバイスではなく、“聞く”ということに意識を向けて接することが、長い目で見て、子どもに自主性と、問題解決能力を身につけさせることにつながります。
『聞く力』に見るカウンセリングの極意
ベストセラーになった、阿川佐和子さんの著書『聞く力』の中で、臨床心理学者の河合隼雄さんとのお話が載っていました。
河合さんは、阿川さんの『患者さんに、どんなアドバイスをなさるのですか?』という質問に対し、『アドバイスはいっさいしません』と、答えられています。
『僕はね、ただ相手の話を聞くだけ。聞いて、うんうん、そうか、つらかったねえ、そうかそうか、それで? って、相づちを打ったり、話を促したりするだけ』
上記のように、ただただ、話を受け止め、促すだけなのだそうです。
『他人のアドバイスが有効に働いたときは良いものの、何かがうまくいかなくなったとき、不幸の全てをそのアドバイスのせいにして、他の原因を探さなくなってしまう危険性がある』ということを、アドバイスをしない理由としてあげていました。これは、河合さんに限らず、カウンセリングをお仕事にされている人にとっては、基本とも言える考え方です。
わが子の悩み相談でも、基本はカウンセリングと同じです。悩みに対してアドバイスをすることは、子どもの考える力を奪って、責任転嫁のクセをつけることにつながります。
「親がすすめたから行った学校のせいで不幸になった!」なんていうセリフ、わが子には言ってほしくないですよね。
“聞く”ことで子どもとの信頼関係を深める!
アドバイスを控えて、聞き役に徹することで、悩みを吐き出して心が軽くなりますし、子どもは、「話を聞いてくれた」「受け止めてくれた」と、親に対する信頼感も増します。
また、親も、わが子がいつもどんなことを考え、どんなことで悩んでいるかを聞くことで、子どもへの理解が深まります。思春期の子どもが悩みを抱えていたら、アドバイスを控えめにして、“聞く”ことを優先してみてくださいね!
出典:聞き役で信頼感UP? 思春期の子どもの「悩み相談」に乗るコツ
たとえ解決策が見つからなくても、話を聞いてあげるだけで子どもの心は落ち着き、親子の信頼関係も深まります。忙しいときでも少し手を止めてお子さんの話を真剣に聞いてあげてくださいね。
さらに、今まで「世話焼きな親」だった方も思春期のお子さんへの接し方には注意が必要です。
思春期の子どもには手出しを我慢し、見守ることが原則!

一人っ子の息子さんについ世話を焼きすぎてしまう夫と息子との関係を心配するママのケースです。
思春期に入ったら気をつけること
思春期に入ると、親子の関係が今までと変わってきます。手取り足取りしていた子育てから、心理的に少し間隔をおいた子育てに変化します。“手をかける子育て”から、“目をかける子育て”に移行する時期なのです。
子どもさんがSOSの助けを出さない限り、様子はみていても“手出し”しないことが大切です。もちろん黙って見守るだけでは子どもはわからないので、「きみが困ったときはいつでも助けるよ」ということをあらかじめ伝えておきます。思春期は、親子の“間”が大切な時期といえます
今は見守る時期であることをご主人に言っておきましょう
このままの状態でいけば、「これをやってしまったら、また何か言われるんじゃないか?」とビクビクしたり、ダメ出しされるのが面倒くさいという理由から息子さんは自分から行動しなくなっています。家の中だけではなく、学校などの外の世界でも言われなければやらない受け身姿勢になってしまいます。
子どもの将来を思うのならば、何にでも、「手を貸したり口をはさむことはすべきではない」ということをご主人にしっかりと伝えておきましょう。手を貸すことだけが、親の愛情ではないことを夫婦ともに肝に銘じておくべき時期です。寂しい気持ちになりますが、そろそろ子離れの準備をすべきですね。
ついつい子どものためを思ってやってあげていることが、本当は逆効果だったりするようです。ここで心を切り替えて手出し口出ししないようにすることがお子さんの成長にとって大切です。
さらに子どもの成長を見守るための親の心構えについても見てみましょう。
思春期の子どもを見守る親の心構え3つ

進路について「うるさい」と反発してくる娘さんのケースです。
(1)自分の価値観で子どもを批判しない
良い学校へ入れてやりたい、良い成績をとってほしい、漫画よりも参考書を読んでほしい……などなど、子どもに対する期待や夢があればあるほど、子どもに対する評価が厳しくなりがちです。行動への批判や、失敗・欠点を指摘して非難することは、一番効果的に思えますが、一番後を引き、遺恨となりやすい諸刃の剣です。
結論から言えば、理想と現実は違います。進路に限らず、自分の夢や期待を子どもに押し付けないようにしましょう。
(2)子どもが自分の背を見ていることを忘れずに行動する
思春期は子どもが親離れしようとする時期ですが、まだまだ依存心はあり、しっかりと親の背中を見ています。子は親の鏡という言葉通り、人をけなす家庭で育てば子どもは人をけなしますし、社会的なルールを、「ちょっとなら大丈夫」と破る親に育てられた子どもは、社会ルールを守れなくなるでしょう。
しかも、言葉の中に心があるかないかを見極めることができるようになっているため、親はこれまで以上に子どもの視線や心を意識して行動する必要があります。
(3)子どもを信じて自主性を持たせる
親の目から見れば、中高生はまだまだ子どもです。親がやってあげたほうが早かったり、楽だったりすることも多々あると思います。
でもここは、なるべく自分のことは自分でやらせましょう。子どもだと思っていても、意外と現実的かつ冷静に物事を見ていることに気が付くはずです。もちろん、それは親とは異なる視点かもしれませんが、そのほうが現代にフィットした思考であることが多々あるはずです。
これらのことは、社会的ルールに反することを行ったときに、厳しく対処することが大前提です。やはり子どものことをもっとよく知るためには、日ごろのコミュニケーションが重要になります。日常での信頼関係がなければ、万が一のときも対応できなくなるのではないでしょうか。
どれも当たり前のようで、実行するのは意外と難しいことです。
子どもの意見を頭ごなしに否定することなく、自主性を重んじて話を聞いてあげることでコミュニケーションをはかりましょう。
最後に、思春期の男女別対応について見てみましょう。
思春期の息子に絶対言ってはいけないママの禁句3つ

思春期男子が傷つく“禁句”3選
相談者さまも叱るつもりがエスカレートしてはいないでしょうか?
男子は、もともとプライドが高く、周囲にどう思われているかを常に気にしています。思春期ともなれば、なおさらプライドが傷つけられることに過敏になっています。大阪教育大学教育学部准教授であり、元保育士の小崎恭弘氏は著書『思春期男子の育て方』で、思春期男子が傷つく言葉として以下の3つをあげています。
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1. みためのこと(ニキビ、身長、体重など)
2. 比較(他人との比較。集団の中での比較。過去の自分との比較)
3. 将来のこと(「どうせ何やってもムダよ」など)(『思春期男子の育て方』小崎恭弘・著より引用)
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叱ってもその後のフォローを忘れないこと
思春期の男の子は、見た目のことで傷つきやすい反面、「あなた、ずいぶん身長が伸びたんじゃないの?」などの褒め言葉にはめっぽう弱く、単純に喜んだりします。
叱るべきときはしっかりと叱ることは大切ですが、傷口に塩を塗るようなことをしないように注意しましょう。見た目は大きくなってもまだまだ子ども……口では強気なことを言っても、失敗や挫折に弱いのが思春期の男子です。お母さんのひと言が原因で、内にこもってしまう恐れもあるのです。
なんだかんだ反発しても、実はお母さんが大好きな思春期男子。叱ったらその後、いいところを見つけ褒めることを忘れないようにしましょう。お母さんのさじ加減が、その子の成長に大きく影響するのです。
一般的に女子よりも男子の方が繊細で、言葉に傷つきやすいのかもしれませんね。
叱るべきときは叱ることが大切ですが、怒りの感情が暴走してこれらのNGワードを言わないように十分に気をつけましょう。
思春期の娘と良好なコミュニケーションを取る7つの方法

かつては「パパ、パパ」と寄ってきた娘が、思春期に入り敵意むき出しで父親を毛嫌いしてくるケースです。
(1)話しはじめたらとにかく聴く――チャンスを逃さない
娘が何か話しはじめたら、テレビから目をそらし、しっかりその話を聞くことです。せっかくのチャンスをみすみす逃してはいけません。肯定的に頷き、ときに笑い、しっかりとしたリアクションをとりましょう。「話を聞いてくれる父」という印象を与えることで、娘さんが少しづつ心を開いてくれる可能性が高まります。私たちは意外に娘の話に上の空なのです。
(2)学校の噂話には「同級生目線」で乗っかる――正論は言わない
学校で起こったことを娘が話しはじめたら、同じ生徒目線で聞いてあげてください。できるなら一緒になって少しだけ“悪ふざけ”してあげましょう。親という立場上、すぐに「ちゃんとしなさい」などと正論を言ってしまいがちです。しかし、それではたちまち心を閉ざされてしまいます。ここは学生時代に戻って、“あいのり”してあげましょう。これにより、「共感力」のある父であることを印象づけられます。
(3)部活による筋肉疲労を和らげるマッサージをしてあげる――快感を覚えさせる
これは、運動部に所属している娘さんとの関係を良好にする最強スキンシップテクです。筋肉疲労のふくらはぎや、足の裏などをマッサージしてあげればよいのです。そのうち、「今日、パパの部屋で寝る! マッサージして!」などと言い寄ってくるようになります。運動部の娘なら、ほぼ100%喜びます。もちろん、会話を楽しみながらマッサージをしてあげてください。
(4)10代のファッション誌を一緒に見る――ぺらぺらめくれば寄ってくる
娘が購読しているファッション誌をペラペラめくり、「へ~」と言っているだけで、数分後、娘の方から話しかけてきます。さらに、「このモデルかわいいね」などコメントすれば、「え〜私はこの子のほうが好き」などと会話が生まれます。自然なコミュニケーションが生むテクニックです。
(5)「パパは体が固いんだよね」といって弱音を吐いてみる――優越感を与える
あえて、娘の目の前で柔軟体操をやってみてください。「いてて、体が固いなあ~」とつぶやくうち、娘が近寄ってきます。そして、「ほら、私なんか!! 柔らかいでしょ」と父親の前で優越感に浸ろうとします。これをコミュニケーションの糸口にします。反応がないときは、「○○ちゃんも体固いのか?」などと軽いジャブを。負けず嫌いな子なら近寄ってきて、「ほら! パパより柔らかいよ」と前屈を見せてくれるはずです。
(6)一緒にボートに乗る――父に「頼らざるを得ないシチュエーション」をつくる
父親に頼らざるを得ないレジャーに誘い出すという作戦です。おすすめなのが、「手漕ぎボート」。船上では娘は父に命を託すことになります。有無を言わさず信頼関係が復活するのです。我が家も「カヌー」で試しましたが、この日ばかりは妻よりも私のほうが需要が高い1日となりました。
(7)夜に一緒にコンビニまでジュースやお菓子を買いに行く―――付き添いで一体感
冷蔵庫のジュースがなくなった夜がチャンスです。コンビニに一緒にジュースを買いに行ってあげましょう。夜道に少女が一人歩きするのは危険だから。そんな名目で付き添います。コンビニでは100円くらいのお菓子も買ってあげましょう。月明かりの下、和やかに会話が弾みます。
パパの涙ぐましい努力ですね。思春期に入って態度が変わったとしても本心はパパが大好きなはず。きっと娘さんが大人になったときにパパがこんな努力をしてくれてたと知ったらとってもうれしいでしょうね。
いかがでしたか?
思春期は子どもから大人に成長する過程であり、本人も自分の心身の急激な変化についていけず戸惑っていることが多いようです。
けだるそうにいい加減な返事しかしなかったり、やたらと反発してきたり、親としても試練の時期だと思いますが、やはり子どもが一番信頼して支えてほしいのは親だと思います。
自分が反抗期だったころを思い出し、またずっと続くわけではないということを念頭に、お子さんと向かい合ってくださいね。