またトイレ? 子供が“心因性頻尿”になる原因とケア方法

2015.07.17

こんにちは。メンタルケア心理士の桜井涼です。

“心因性頻尿”という病気をご存知ですか? これはストレスによってトイレに何度も何度も行きたくなってしまう病気のことです。

子どもに多く見られる病気のため、子育て中のママにとっては他人事ではないかもしれません。

そこで今回は、“心因性頻尿”になってしまう原因や対処法についてお話ししていきます。

心因性頻尿とは

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そもそも、頻尿とは一日の排尿の回数が10回以上の場合を指します。

頻尿にはさまざまな原因が存在しますが、具体的な原因が判明しない場合は“神経性頻尿”に分類されます。

神経性頻尿はさらに“心因性頻尿”と“本態性頻尿”とに分けられ、ストレスが原因と考えられているものは心因性、本当に原因不明のものは本態性として区別されます。

心因性頻尿は“心身症”の一つであり、別名“過敏性膀胱”とも呼ばれています。

環境の変化や人間関係のストレスによって発症すると言われており、小学生低学年によく見られる病気とされています。

子供の平均的なおしっこの回数と頻尿の基準

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自分の子供が頻尿になっているかどうかを知るためには、そもそも子供の理想的な排尿回数を知っておく必要があります。

基本的に子供の排尿回数は年齢によって変わってきます。

  • 赤ちゃん(0歳)……1時間おきに15〜20回
  • 1〜2歳児……2時間おきに8〜12回
  • 2〜3歳児……2時間半おきに6〜10回
  • 4〜12歳児……3〜6時間おきに5〜9回

4歳を超えた後も1日10回以上排尿をしていれば、頻尿の可能性があります。また、トイレの間隔が2時間未満であることが多い場合も頻尿が疑われます。

心因性頻尿の症状

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具体的に、心因性頻尿の症状にはどのようなものがあるのでしょうか。

分かりやすい症状として、“絶対にトイレに行ってはいけない場面で頻尿になる”ことが挙げられます。

試験中や会議中の「トイレに行けない」という状況がストレスとなり、それによってかえって頻尿を引き起こすのです。

このような状況の中で2時間以内の間に何度もトイレに行きたくなった場合は要注意です。

逆に、ストレスがない場面や夜寝ているときなどは頻尿の症状が出ません。ここが他の頻尿と異なるポイントです。

そのため、病院で検査を受けても具体的な原因が見つからず、検査で異常なしと診断されてしまうこともあります。

心因性頻尿を持っている人は常に「トイレしたくなったらどうしよう」という不安を抱えているとも言われています。

心因性頻尿の検査と診断法

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頻尿が見られる場合は、泌尿器科か内科でまず受診し、他の病気である可能性を排除していきます。

具体的には尿検査や血液検査、エコーなどを用いて検査が行われます。

検査で異常が見られない場合は心因性が疑われるため、心療内科や精神科で受診します。

心因性頻尿になる原因

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心因性頻尿はどういうメカニズムで発症するのでしょうか。

一時的な頻尿ではなく、継続的に発症している場合は日頃の学校生活や仕事のストレスによって自律神経が乱れていることが原因の一つとして挙げられます。

また、特定のシーンの場合に頻尿を起こすという人は、過去に排尿を我慢したツラさやおもらしをした恥ずかしさが脳に焼き付いており、同じことを繰り返さないか不安になって緊張して逆に尿意を催すというサイクルが作られている場合があります。

これは“予期不安”と呼ばれるもので、神経症的な心の問題であると言われています。

尿が膀胱に十分にたまっていない状態で何度もトイレに行くことを繰り返していると、それが当たり前になってしまい、膀胱に少し尿がたまっただけで尿意を催す“過活動膀胱”につながることも考えられます。

子供が頻尿になる原因6つ

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(1)過活動膀胱

尿が膀胱に十分にたまっていないのに、何度もトイレに行きたくなってしまう病気です。

日中の頻尿やおもらしが主な症状として挙げられます。

子供の場合は膀胱が十分に発達していないがために発症することも多く、成長とともに解消されることがほとんどだと言われています。

自然に治らない場合は心因性が疑われます。

(2)尿路感染症

新生児や子供に多いと言われている病気です。その名の通り、尿道から腎臓にかけての尿路が感染症を引き起こし、“腎盂腎炎”や“膀胱炎”などを発症します。

赤ちゃんや子供が発症した場合は頻尿の他に38.5度以上の高熱が起こります。

(3)尿崩症

尿崩症は尿が濃縮されずに生成され、薄いまま大量に出てしまう病気のことです。

発症すると喉の乾きを訴えるようになり、冷たい飲み物を異常に欲することもあります。赤ちゃんの場合は大量のおしっこが出るために脱水症状を引き起こす恐れがあります。

尿崩症は遺伝子異常や脳の異常などによって引き起こされますが、中には原因不明のものもあります。

(4)小児糖尿病

小児糖尿病はインスリンに異常が起きて糖が正常に吸収されなくなる病気のことです。その名の通り子供に多く見られます。

発症すると頻尿に加え、多飲や体重減少が起こるようになり、放置すれば意識障害を引き起こす可能性もあります。

子供が発症する糖尿病は1型であることが多く、1型の場合は生涯にわたってインスリン治療を行う必要があります。

(5)膀胱がん

ごくまれにではありますが、膀胱がんによって頻尿が起こっている場合もあります。

膀胱がんは約9割が転移することがないと言われていますが、やはり早期発見が大切となります。

膀胱がんは頻尿の他に、血尿や下腹部の痛み、排尿の際の痛みなどの症状があります。

(6)心因性

厳しいトイレトレーニングを経験したり、おもらしを激しく責められたりといったストレスから頻尿が起こることもあります。

また、人間関係や環境の変化からくるストレスによっても起こります。子供によっては便秘や下痢も同時に発症するケースがあります。

子供の心因性頻尿に対して親ができること4つ

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(1)子供の話を聞く

スキンシップを多く取り入れた方法を使いながら子供の話を聞いてあげるといいです。具体的な方法として、次のようなことをしてあげると効果的です。

  • 座った状態で抱きしめてあげる
  • 2人で一緒に出かけてご飯を食べながら話を聞く
  • 一緒にお風呂に入る
  • 一緒にお布団に入って本を読んであげる
  • 2人だけでピクニックに行く

というようなお子さんが安心できることをしてあげるのです。

親はやっぱり安心できる“場所”なんです。不安要素を心に抱えている場合は、こういった一緒の行動をしてあげることが話しやすい雰囲気を作ります。

まず、心を落ち着かせて、不安となって心の中でくすぶっている原因を言葉にして出させることが大切です。

(2)プラシーボ効果を活用する

例えば、「おしっこに行かなくても大丈夫になる薬だよ」と言ってビタミン剤のようなサプリメントを定期的に与えると、状態が落ち着き良くなっていくことがあります。

これを『プラシーボ効果(偽薬効果)』と言います。ドラマ『Dr.倫太郎』でもこの方法を用いたストーリーがありましたね。だから、言葉としては聞いたことがあるかもしれません。

ちなみに私の娘は、「お腹が痛い」と言って学校を休みがちだったのですが、スキンシップを取って話を聞き、この方法を試したことがありますが効果があり、学校に行くようになりました。

(3)おもらしを過剰に叱らない

子供にとってトイレトレーニングは厳しい修行のようなものです。

“尿意を感じたら排尿する”という生理現象に抗うわけですから、小さい子供にとっては大変な作業なのです。

そのため、トイレトレーニングの途中でおもらしをしても過剰に叱らないようにしましょう。

あまり厳しく叱るとストレスとなってしまい、ますます頻尿になってしまいます

必ずいつかはオムツを卒業する日がくるので、「隣の○○さんの子はもうオムツ卒業したのに」と周囲と比べて焦るのではなく、ゆっくりマイペースでやっていくぐらいの心構えでいいでしょう。

(4)不安を煽らない

ことあるたびに「おしっこ大丈夫?」「本当におしっこしたくないのね?」と聞くと子供の不安を煽ってしまいます。

不安がストレスとなってしまうと、本当はおしっこしたくないのに尿意を感じてしまうこともあります。

必要以上に子供の不安を煽らないようにしましょう。

長時間電車に乗るなどでトイレを済ませておきたい場合は無理矢理促すのではなく、「ママもトイレしたいから一緒に来てくれない?」などと誘導してあげるのが良いでしょう。

まとめ

当たり前ですが、心因性頻尿で一番ツラいのは子供本人です。頻尿であることの大変さを親もきちんと理解してあげることが大切です。

頭ごなしに叱りつけるのではなく、原因を見極めて必要であれば医療機関で診察を受けさせましょう。

心因性頻尿の原因はさまざまです。学校での人間関係のせいかもしれませんし、厳しいトイレトレーニングのせいかもしれあせん。

原因を見極めるためにはまず子供と対話することが大切です。自分のお子さんがどんなことにストレスを抱えてしまっているのか、ゆっくりとひも解いていってあげてくださいね。

【参考文献】
『ストレスから子どもを守る本』富田富士也・著

●モデル/藤本順子(風悟くん)、REIKO(SORAくん、UTAくん)、貴子(優くん、綾ちゃん)



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