住宅ローンを「変動金利」から「固定金利」に借り換えるタイミング
2015年1月27日 | よみもの住宅ローンを「変動金利」から「固定金利」に借り換えるタイミング

【ママからのご相談】
現在変動金利で住宅ローンを借りています。新聞などでは、そろそろ固定金利に借り換えた方がよいのではないかと思わせるような意見もあるのですが、今の低金利が魅力的で固定金利に乗り換えるのもためらわれます。実際のところはどうなのでしょうか?
まずは情報を知り、ご自身の見解を信じて。
現在、住宅ローン金利は空前の低金利状態となっています。しかし日銀が年率2%の物価上昇率を目標として掲げていることから、近い将来金利が引き上げられて、住宅ローン金利も上昇するのではないかとの懸念も出てきています。
このまま変動金利で良いものか、でも固定金利に借り換えて返済コストが上がるのは困るという方もいるのではないでしょうか。先行きの金利がどうなるのか、これは誰も分かりません。
しかし、住宅ローン金利の決まり方を知っておくことで、どういった指標がどう影響してくるのかを知ることで、借り換えた方がよいのか、そのままで良いのか、ご自分なりに考えがまとめられると思います。

変動金利は短期金利に連動する
変動金利が参照しているのは、銀行の短期プライムレート(銀行の優良企業向け短期貸出金利)です。短期プライムレートは日銀の金融政策決定会合によって決まる無担保コールレートを参照しています。
短期金利の無担保コールレートは、日銀が“ゼロ金利政策”を続けているため、限りなく0%に近い値で推移しています。
固定金利は長期金利に連動する
固定金利が参照しているのは、10年国債利回りです。こちらは市場で取引されており、景気見通しが良くなると株が上昇し、国債が売られ、利回りが上昇します。
もとの株価上昇を背景に長期金利は上昇してもおかしくありません。
長期金利は今は、日銀が10年国債を買い支えているため、低く抑えられています。日銀は、『ゼロ金利政策と共に量的緩和策をとっており、2015年も10年国債の買い入れを増額する』と明言しています。
この政策をいつまで続けるかというと、『物価上昇率2%を安定的に持続するために必要な時点まで続ける』と決めています(日本銀行)。これがいつになるかというのは予測できません。
変動金利は固定金利の後に動く
日銀が10年国債の買い入れを縮小すれば、長期金利は上昇します。その結果固定金利も上昇します。しかし、政策金利引き上げとなるのは量的緩和終了後ですので、変動金利が上昇するのはこれより後になります。
しかし、銀行の施策によって住宅ローン金利がどうなるかは変わってきますので、政策金利引き上げまで上昇しないとは言い切れません。
いかがでしたでしょうか。
変動金利と固定金利の決まる主な要因を説明しました。短期金利は金融政策に密接に関わっており、長期金利は将来のインフレ見通しに強く影響を受けるものの、昨今は日銀の買い入れで低位に抑えられているというものです。
こういったことを念頭に、借り換えの検討をしてみてはいかがでしょうか。
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