ママライターのぬかぽんです。
サザエさんになぞらえて“マスオさん状態”といわれる、妻の両親と夫との同居。妻側から見れば、子どもを気軽に預けて仕事できたり、家事を手伝ってもらえたりとメリットが多そうですね。
ただし、一度はマスオさん状態になったものの、夫と両親の関係がうまくいかずに別居し、最悪は離婚につながるパターンもあるようです。
そこで今回は、幸せな“マスオさん状態”を保つための工夫などをご紹介いたします。
> マスオさん状態がうまくいかない理由(P1)
> 嫁の親と同居する夫の気持ち(P2)
> 夫が自分の親と同居する妻の気持ち(P2)
> マスオさん状態がつらくないという人の声(P3)
> マスオさん状態のメリット3つ(P3)
> マスオさん状態を良好に保つコツ5つ(P4)
> 嫁の親との適切な距離(P5)
> マスオさん状態だった渡辺謙の不倫(P5)
> まとめ(P5)
嫁の親と同居する二世帯住宅が増加している背景

旭化成ホームズが行った調査によると、1980年代の二世帯住宅は、息子夫婦との同居が76%、娘夫婦との同居が23%となっていましたが、2013年においては娘夫婦との同居が34%にまで増加しています。
これは、育児における協力や老後の備えなどを考える人が増えたからということで、共働き家庭が増えたことも背景にあるようです。
二世帯住宅自体も建てられるケースが増えており、理由としては、相続税の改正によって税金の面でもメリットが受けられるようになったことがあげられるでしょう。
なお、息子夫婦との同居に関しては、以前は「長男だから」「親が望んだから」という理由が多かったようですが、育児の協力を目的にする人も増えているようです。
マスオさん状態がうまくいかない理由

少子高齢化によって核家族化が進んでいる現代、妻の両親と同居してマスオさん状態になることは、やはりストレスがかかるもの。
いくら親族とはいえ、これまで生活をともにしてきたわけでもなく、家庭生活においては他人と言ってもいいぐらいです。
夫婦間であれば、愛し合った仲ですから多少の生活の違いは譲り合ったり歩み寄ったりしながら近づいていくことができますが、義両親はそうではありません。
もしかしたら自分とはまったく性格が合わず、世間一般的に見ても意地悪な性格だということもあるかもしれないのです。
“好きになった人の親”という理由だけで、食事や金銭感覚などあらゆる生活習慣を受け入れなければならなくなり、これは間違いなくストレスになります。
特に、義両親が子育てや家事などに口出しする元気があるうちに同居を始めてしまうとその傾向は顕著で、どうしても自分には向いていないと思う人は、介護が必要になってからなど、できるだけ遅らせるのが賢明でしょう。
→次ページでは、嫁の親と同居する夫の気持ちを見ていきましょう。
嫁の親と同居する夫の気持ち

実際に、嫁の両親と同居する夫たちは以下のような思いを抱えているようです。
『自宅にいても全くくつろぐことができません。自分の部屋はあるのですが、すぐ隣に妻の両親がいると思うとウトウトすることすらためらわれます。せっかくの休みも自宅でくつろげないので結局出かけて時間をつぶすということもしばしば。きついと感じることが多いのが正直なところです』(30代男性/会社員)
『家族として迎え入れてくれているのですが、どうしても自分だけは他人というような気持ちになることがあります。結局は義両親も娘の方がかわいいでしょうし。自分の居場所が失われたような気がします』(40代男性/不動産営業)
『共働きをしていますが、妻の両親からは「女を働かせて……」みたいな嫌味を言われることもあります。自分の稼ぎが悪いから仕方ありませんが、こういうことを言う人と一緒に生活するというのはつらいものがありますね』(30代男性/アパレル)
『とにかく気を使います。むこうも気を使ってくれているのが伝わってきて、それが余計にプレッシャーです。体調をよく崩すようになりましたが、ストレスが原因に違いないですね。体重もかなり減ってきました』(40代男性/建築業)
女性の場合は、家事などで交流を図ったり、苦痛に感じる時間をごまかしたりすることができますが、何もすることがない男性だといたたまれない時間を過ごすということも。
これに加えて、夫側の親が、「自分の息子は肩身の狭い思いをしているのではないか」と不安に感じることも多いようです。
夫が自分の親と同居する妻の気持ち

ネガティブな声が聞かれた夫側の気持ちですが、自分の親と夫が同居することになった妻側の気持ちはどうでしょうか。
『子どもの面倒を気兼ねなく見てもらえるのはいいですよね。これが反対の立場だったら、夫側のお母さんに頼むのは気が重いですし。金銭的にもラクになりましたし、今のところは同居して良かったなと思います』(30代女性/主婦)
『夫からの不満がけっこう大きくて、グチをよく聞かされます。でも自分の親を悪く言われるのはあまり気持ちのいいものではありませんし、かといってむげにするのも気が引けて……。板挟み状態で心苦しくなることもありますね』(40代女性/パート)
夫側と比べると、ポジティブな意見も少なくない様子。
ただし、グチの多い夫であれば家族間での不満に挟まれて居心地の悪い思いをすることもあるでしょう。
→次ページでは、マスオさん状態がつらくないという人の声を見ていきましょう。
マスオさん状態がつらくないという人の声

つらく、ストレスのたまる生活だと思われるマスオさん状態ですが、中にはつらさを感じない人もいるようです。
『むこうの両親が「来てくれてありがとう」というスタンスなので、僕が過ごしやすいように気を使ってくれています。妻とケンカしたときなんかは、僕の方の肩を持ってくれるぐらい(笑)。妻もそれを笑って受け流しているので、同居に向いている家族だったんだと思います』(40代男性/会社員)
『もうすっかり馴染んでしまったので、つらいと思うことはないですね。最初は気を使いましたが、時間がたてば慣れてくるでしょう。性格的なこともあると思いますが、自分で関係性を構築していく努力も必要じゃないですかね』(30代男性/運送業)
『周りの人には「地獄でしょ?」と言われるけど、まったくそんなふうに思ったことがない。鈍感なんですかね? にぎやかで楽しいとすら思います』(30代男性/飲食店勤務)
このように、夫側の捉え方も千差万別といった様子。このあたりは性格的なことも大きく関係してくるでしょう。
最初にうまく関係性を作ることができれば、その後の生活も自分の思い通りにすることができるかもしれません。
苦手意識を持たず、自分から働きかけてみてはいかがでしょうか。
マスオさん状態のメリット3つ

(1)資金援助してもらえる
子育てにはたくさんの出費がつきものです。孫をかわいがるおじいちゃんおばあちゃんは、遠く離れていても必要なときには惜しまず協力してくれるでしょう。
しかし、いくら家族とはいえお金の話をするのは気が引けることもあります。
それでも、同居していれば必要なお金は生活費として見ることができるため、別居している親と比べると話を持ち出しやすいでしょう。
一緒に生活していれば金銭的に苦しい状況になったときも察知してもらえるため、お金のことであれこれ思い悩むことは少なくなるかもしれません。
(2)嫁姑問題から距離を置ける
結婚後に最も多いのは、嫁と姑の関係がうまくいかないということではないでしょうか。
その点、夫側が妻の両親と同居するということは、妻が夫側の実家で同居することと比べると、悩みの種が少なくなると言えるかもしれません。
男性側も、嫁姑問題が深刻化するぐらいなら、自分が少しばかりガマンして一歩引くのも仕方ないと思うもの。妻と母親の板挟みになって悩むこともありません。
(3)使えるお金が増える
生活を親とともにすることで、当然生活にかかるお金は少なくなります。そのぶん貯金をすることができ、夫のおこづかいがアップするということもあるでしょう。
家族で外食するという機会も増えたという人が多いようで、別々に生活していたころと比べて贅沢な暮らしができるようになるのは大きなメリットと言えそうです。
→次ページでは、マスオさん状態を良好に保つコツを見ていきましょう。
マスオさん状態を良好に保つコツ5つ

(1)家には“マスオさん”のための居場所を作ろう
10年前に弁護士として独立し事務所を構えたAさん(夫)は、経済的な理由から数年間は妻の実家で同居することにしました。
2世帯住宅ではなく、妻の実家に入る完全同居。Aさんが気詰まりだろうと考えた妻と妻の母は、元子ども部屋を、TVとリクライニングチェアーを備えたAさん専用の“書斎”として用意しました。
この“書斎”のおかげで、家にも自分の居場所があり、人の目を気にせずリラックスして過ごせたといいうAさん。結局、数年で解消するはずだった“マスオさん状態”も気が付けば10年に。
金銭的に余裕ができた分、毎年一家で海外旅行に行くなど、現在はとても充実した生活を送っています。
(2)“マスオさん”は趣味を持ち、妻や妻の両親は文句を言わないように
年子の子どもを産んだことをきっかけに、完全分離型の2世帯住宅を建てて“マスオさん”となったBさん(夫)。彼の趣味は地元のサッカーチームでの活動とパチンコです。
サッカーに週末の1日を費やし、雨の日はパチンコに興じるBさんを、妻は文句を言わずむしろ快く送り出してくれるそうです。「妻一家との同居にストレスを感じることがある」というBさんですが、趣味に没頭することでリフレッシュできるといいます。
妻側からすればパチンコなどはあまり歓迎できない趣味かもしれません。とはいえ、お小遣いの範囲内であればあまり目くじらを立てないことが家庭円満の秘訣と言えます。
(3)妻と両親は“マスオさん”を尊重しよう
夫の地方勤務と実父の病気をきっかけに、夫に単身赴任をお願いして都内にリビング共有の2世帯住宅を建てたCさん(妻)。
両親はそんなCさんの夫に感謝し、月2回の夫の帰省時には、リビングをあまり使わないようにするなど最大限の配慮をしていたそうです。
また、時には小学生と中学生の孫を預かり、Cさんを夫の赴任地に1人で行かせることも。
夫を“婿”扱いして上から目線で妻の両親が接したり、妻が完全に父母の側についてしまったりすると、夫も嫌気がさして家に帰りたくなくなります。それがCさんのご両親にはよく分かっていたのでしょうね。
(4)不平不満をきちんと口にする
どれだけお互いに気を使い、健全な関係を築こうと思っても、他人同士が生活すれば不満は出てくるもの。
そんなとき、不満を出さずにガマンしてしまうと余計にストレスとなり、それは態度となって現れます。
直接文句を言えなくても、妻を介して主張してみたり、自分が嫌なことやうれしいことを前もって伝えたりすると、少しは気持ちもラクになるはずです。
(5)お互いに干渉しすぎない
別々に暮らしていれば気にならないことも、目の前で見てしまうと口を出さずにはいられませんね。
よかれと思ってアドバイスしたことも、言われた方は大きなお世話だと感じてしまうことも少なくありません。
つい口出ししたくなっても、まずはガマンして、しばらく様子を見るようにしましょう。これは義両親側だけでなく、娘夫婦からも同じです。
娘夫婦と一緒に生活できることを楽しみにしている親からすると、冷たくされるのは想像以上に酷なもの。
干渉のしすぎは、家庭内で敵味方を作り出してしまうため、極力避けるようにしてください。
→次ページでは、嫁の親との適切な距離を見ていきましょう。
嫁の親との適切な距離

ここまで同居での注意点などをお話ししてきましたが、争いをさけるために一番理想的なのは、やはり距離を置くことです。
同居はせず、たまに顔を見せるためにお互いの家を訪れるという関係がいいでしょう。
親というものはどうしても自分の子どもの味方をしたくなってしまうものですから、次第に娘の夫を否定しはじめてしまうのです。
「どうしても同居する必要がある」ということでなければ、別々に生活するのが最適。
同居でなくとも、「頻繁に義両親が家に来る」という悩みを持っている人が多いことからもわかります。近くにいすぎるというのも考えものです。
マスオさん状態だった渡辺謙の不倫

先日、ハリウッドでも活躍する俳優・渡辺謙さんの不倫が報じられましたね。
『週刊文春』によると、お相手は21歳年下の元ホステスさんだということですが、女優で妻の南果歩さんが闘病中であったことから非難の声もありました。
そんな渡辺謙さんはロスにも自宅があるものの、日本で過ごす際には南果歩さんの母親や姉とともに暮らすマスオさん状態とのこと。
もしかすると、自宅での生活がストレスとなり不倫へと走ってしまった、という背景があるのかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたか?
微妙な人間関係が渦巻くマスオさん状態ですが、良い関係を築くことができればメリットもあります。
妻&夫&妻の両親みんながハッピーになれる方法を、しっかり考えたいものですね。
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●追記/パピマミ編集部
●モデル/ゆみ、杉村智子(まさとくん)、藤沢リキヤ