妊娠後期の中毒症!妊娠高血圧症候群の原因と症状、予防法とは?
2019年11月6日 | よみもの妊娠後期の中毒症!妊娠高血圧症候群の原因と症状、予防法とは?

妊娠すると、お母さんの身体は出産に向けて急激に変化していきます。待ち望んだ妊娠で喜んだのも束の間、悪阻(つわり)や貧血、お腹の張りなど、お母さんにとっては辛い症状が出はじめることも。
今回は特に気をつけておきたい、「妊娠高血圧症候群」について解説したいと思います。
妊娠高血圧症候群とは?
以下の条件に当てはまる場合、妊娠高血圧症候群と診断されます。
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◯ 妊娠前は正常な血圧だった人が、妊娠20週以降に高血圧の症状(最高血圧140mmHg以上、最低血圧90mmHg以上)が見られる場合
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◯ 高血圧に加え、タンパク尿が出た場合
妊娠中は、赤ちゃんの血液もろ過しないといけないため、お母さんの腎臓にかかる負担が大きくなり、タンパク尿が出やすくなります。また、妊娠中の運動不足が原因で、腎機能が低下することもあります。
妊娠高血圧症候群のメカニズム
高血圧になるのは、血液が流れにくくなっている証拠。全身の血管にれん縮(けいれんのような収縮)が起こることで、血圧が上がります。また、れん縮が腎臓で起こると、尿タンパクが出てしまうのです。
妊娠高血圧症候群になるのは、主に妊娠後期に入ってから。妊娠週数が上がるほど血管や腎臓にかかる負担が大きくなるため、お産が終わるまで完治することはありません。
また、産後12週までは後遺症として高血圧が続く恐れがあるため注意が必要です。重症化すると入院になることもあります。
妊娠高血圧症候群になると、なぜいけないの?
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・胎盤に十分な血液が届かなくなるため、赤ちゃんの発育状態が悪くなる
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・胎盤も剥がれやすくなるため、早産になるリスクが正常な血圧の人の2倍に
重症化が進むと、けいれんと意識障害を起こす子癇発作(ルビで、しかんほっさ)や脳出血を引き起こすことがあり、母体へのダメージが大きくなります。経過が芳しくない場合は、人工的に早産の状態で赤ちゃんを取り出すことも。
妊娠高血圧症候群になりやすい人とは?
以下の項目が当てはまる人は注意が必要です。
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35歳以上で初産となる、高年初産の人
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肥満の人、または妊娠中の体重増加が著しい人
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もともと高血圧の人
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濃い味付けの食事や甘い物など、塩分と糖分を過剰に摂取している人
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ストレスや睡眠不足で疲れている人
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ヘマトクリット値(血液の濃さ)が高い人
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多胎妊娠で母体への負荷が大きい人
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糖尿病や高血圧の家系の人
生活習慣を改めれば、発症リスクを抑えられるので、妊娠したら健康管理には十分気をつけること。それでは、予防方法を見ていきましょう。
妊娠高血圧症候群の予防法
血圧上昇を招く食事や、肥満の原因となる生活習慣の改善に加え、身体を冷やさない工夫が大切です。具体的な予防法は、次のようになります。
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減塩食に切り換え、心臓や腎臓への負担を減らす
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1ヵ月に2kg以上増やさないように、体重コントロールをする
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ストレスをためないように、ゆったり過ごす
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睡眠と食事のリズムを整える
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血行が悪くなるため、長時間の同じ姿勢は避ける
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お腹や下半身を冷やさない
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適度に身体を動かし、疲れたら横になる
妊娠前と同じように食事をしていたら、後期になってタンパク尿が出てしまった……なんて人も多いので、塩分を知らず知らずのうちに多くとりがちな日本食では、特に注意が必要です。
最後に
いかがでしたか? 誰にでも起こりうる、妊娠後期の妊娠高血圧症候群。適度な運動と食事を心がけ、身体に負担をかけないようにしてくださいね。
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