助産師 浅井貴子さんに聞いた!妊娠線予防マッサージで、出産後もキレイなおなか
2019年11月5日 | よみもの助産師 浅井貴子さんに聞いた!妊娠線予防マッサージで、出産後もキレイなおなか

臨月が近づくにつれて、驚くほど大きくなるおなか。赤ちゃんの成長を感じられて嬉しい反面、心配なのが“妊娠線”ですよね。ひと昔前までは「母親になる勲章」ともいわれていましたが、できることなら「出産後もキレイなおなかでいたい」のが女心。
そこで、フリー助産師でマタニティ―アロマセラピストの浅井貴子先生が開催する「プレママ★アロマ教室」にて、会陰マッサージのやり方に合わせ、妊娠線予防マッサージについても詳しくお聞きしました。
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妊娠性はいつから、なぜできる?メカニズムと予防法
“妊娠線”とは、皮膚の表面にできる赤いひび割れ模様のこと。急激に大きくなるおなかに真皮の伸びがついていけなくなり、皮下組織が断裂を起こした跡です。おなかの大きくなりはじめる7ヶ月ころからできはじめる妊婦さんが多く、おなかだけでなく、バストや太ももなどにできることもあるそう。
とはいえ個人差も大きく、浅井先生いわく「妊娠線のできやすさは体質などによっても変わってきます」だそうです。
【妊娠線のできやすい人】
ただ、ほんの少し意識してマタニティライフを送るだけで、妊娠線を予防することもできます。マッサージ以外にも次のことを意識しましょう。
【妊娠線予防のためにできること】
●体重コントロール
適度な運動をして、体重が急激に増えないように気をつけましょう。なお、増加した体重が8キロ以下の人は妊娠線がほとんどできないそうです。
●皮膚の保湿
保湿をして皮膚の伸展性を高めましょう。オイルなどを用いてマッサージするのがおすすめです。
妊娠線予防マッサージ(準備)
それでは、妊娠線を予防できるマッサージについてみていきましょう。
【用意するもの】
・マッサージ用オイル
(レッスンではスクワランオイルにパロマローザとマンダリンをブレンドしたものを使用しました)
・フェイスタオル
【注意点】
● 時期と回数
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・羊水の量が増えてくる20週(6ヶ月)ころからマッサージをはじめることがおすすめですが、24週ほどで妊娠線ができる場合もあるため、早くからはじめられればベター。
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・マッサージの回数は、1回5~10分ほどが目安です。20週から9ヶ月までは週に2〜3回程度、9ヶ月に入りおなかが目立つようになってきたら毎日おこなってください。
● オイル
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・マッサージに用いるのは「オイル」がもっとも効果的「ローション<クリーム<オイル」の順に妊娠線ができにくくなります。
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・精油をブレンドしたオイルの使用は、妊娠6ヶ月以降から。また、精油の濃度は0.5%~1%(キャリアオイル30ミリリットルに対して3~6滴)以内に抑え、腕の内側などでパッチテストをしてから使いはじめましょう。
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・予防効果を高めるためにも、オイルをのせた手のひら同士をすり合わせてよく温めてから使用しましょう。
● その他
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・切迫早産気味の人はマッサージが刺激になることも。おなかが張ってきたら休憩し、ムリをしないようにしましょう。
妊娠線予防マッサージのやり方(おなか編)
1:手のひらでオイルを温めたら、右手でおへそに蓋をします。そのまま時計回りに手を滑らせ、だんだんと円を大きくしていきます。脇腹までマッサージできたら左手にかえ、繰り返します。左手も脇腹までいったら、追いかけっこをするように両手で大きく円を描きます。
2:指先にオイルをのせて温め、おなかの外側に添えます。小さな円を描きながら刷り込むように下腹部まで下ろしていきましょう。脇腹のほうまでしっかりと。
3:足のつけ根に手を置き、息を吸いながら斜めに引き上げます。脇腹までいったら、息を吐きながらもとの場所まで戻ります。皮下組織は縦方向に伸びているため、横や斜めになじませるイメージです。
4:下腹部に手を置き、息を吸いながらおなかの横を通って上までゆっくり引き上げます。口をすぼめてゆっくりと息を吐きながら、おへそを通って下腹部まで手を下ろします。ハートを描く感じをイメージしましょう。呼吸を合わせることで、出産時の呼吸法の練習にもなりますよ。
妊娠線予防マッサージのやり方(腰・おしり編)
妊娠線ができるのは、おなかだけではありません。腰やおしりも、次のようにマッサージしておきましょう。
背骨に沿って真っすぐ手をおろし、お尻を包むように回します。腰まで戻ったら、再び背骨に沿わせ、今度は指先が仙骨にあたるまでまっすぐに手を下ろします。
最後に
浅井先生いわく、「妊娠線予防マッサージは、産まれる前にできる“ベビーマッサージ”」とのこと。おなかの赤ちゃんも気持ちがよくなるそうです。「産まれてくるの待ってるよ」などと声をかけながら、リラックスしておこないましょう。
また、背中や見えづらい下腹部は、ご主人に手伝ってもらうのもおすすめ。しっかりマッサージできるだけでなく、手のひらで胎動を感じられるので、新しい命を実感できたり、夫婦のスキンシップにもなりますよ。
【取材協力】
浅井貴子(あさいたかこ)
調布市在住。フリー助産師・マタニティ―アロマセラピスト。大学病院、未熟児センター勤務の後、現在近隣の行政で、母親学級、育児相談、新生児訪問などをおこなう。妊婦さん対象の「プレママ★アロマ教室」を開講し、安全な精油の使いかたや自然な出産方法の提案をおこなう傍ら、マタニティ専用サロン、ベビーマッサージ教室を主宰。→公式HPへ
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