さらば象足!助産師浅井貴子先生に聞く「妊娠中の足のむくみ解消マッサージ」
2019年10月23日 | よみものさらば象足!助産師浅井貴子先生に聞く「妊娠中の足のむくみ解消マッサージ」

妊娠中期から後期にかけて、多くの妊婦さんを悩ませる“むくみ”。とくに足はむくみやすく、象のようにパンパンに膨れた“象足”になってしまう妊婦さんも少なくありません。
前回「妊娠中のつらい足のむくみ解消法」でむくみが起こる原因と、日常でできるケアについてお話しましたが、今回は手軽にできる「足のむくみ解消マッサージ」について、引き続き助産師でマタニティ―アロマセラピストの浅井貴子先生にご指導いただきました。
妊娠中にむくみやすい理由
妊娠中は妊娠前に比べてむくみやすくなります。それはホルモンバランスや血液成分の変化によるほか、大きくなる子宮で血流が妨げられ、足に下りてきた血液が心臓に戻りにくくなり貯留してしまうから。なんと、妊娠後期には足は血液の7割程度しか循環しなくなってしまうそうです。とくに働いている妊婦さんは長時間同じ姿勢で過ごしたり立ち続けていることが多いため、こまめにマッサージなどをして血流を促すことが大切になります。
また、運動不足や冷え性も血流を悪化させてむくみを助長してしまうので、妊娠中は適度な運動を心がけ、体を冷やさない配慮が必要です。
「日常生活でむくみにくい環境を整えるのと同時に、マッサージで血流を促してあげることがむくみ解消に効果的です」と浅井先生。そこで、「むくみ解消」に有効なフットマッサージを教えていただきました。
マタニティーリフレ(フットマッサージ)
マッサージの前に
マッサージの前にリンパ節を緩めると、リンパの流れがよくなります。ふくらはぎのリンパ節はひざの裏側、太もものリンパ節は足のつけ根にそれぞれあるので、まずは圧迫したりもみほぐしたりして、しっかり緩めましょう。
ふくらはぎのマッサージ
両手で足首を包み込んで、程よい圧を加えながら上に向かってマッサージをします。ふくらはぎにある「承山(ひざ裏と足首の中間あたり)」と「承筋(ひざ裏と承山の中間あたり)」というツボは疲れやむくみに効くので、とくに意識して圧しましょう。
内もものマッサージ
東洋医学でエネルギーと血が通うとされている“経絡”は、臓器と関連するツボを結んでいます。そのため、経絡に沿って圧すとマッサージ効果が高まるといわれています。内ももには3つのツボを通って子宮につながる経絡が通っているので、圧すだけで足がとても軽くなります。また、マッサージで経絡を緩めておけば、お産も楽になるそうですよ。
最近の妊婦さんは内もものかたい人が多いそうなので、日ごろからやさしくほぐすように、こぶしで圧すマッサージをしておきましょう。
象足緩和のマッサージ
足の甲がむくむ、いわゆる「象足」の場合は、足首をもんだり回したりしてよくほぐしてから、足背の骨のあいだを足首に向かって流すようにマッサージすることで改善されます。
ペアマッサージ
四つ這いになった妊婦さんの足の裏全体を旦那さんに踏んでもらう、足同士の指圧です。長時間立ちっぱなしだったときやウォーキングのし過ぎで足がだるいときに踏んでもらうと、とても楽になります。
かかと周辺には子宮や卵巣の反射区(末梢神経が集中している場所)があるので、強く圧さないように気をつけましょう。
最後に
精油をブレンドしたキャリアオイルを用いてマッサージをすれば、精油の成分がもたらす効果も得られるそうです。「むくみには浄化作用のある『グレープフルーツ』や、利尿作用と代謝促進の作用がある『ジェニパー』、『サイプレス』などがおすすめです」と浅井先生。
また、フットバスに精油を入れると保湿性が高まり、バスソルトに精油を混ぜれば冷え性改善にもなるそうです。好きな香りに癒されながらしっかりとマッサージをして、つらいむくみを解消しましょう。
【取材協力】
浅井貴子(あさいたかこ)
調布市在住。フリー助産師・マタニティ―アロマセラピスト。大学病院、未熟児センター勤務の後、現在近隣の行政で、母親学級、育児相談、新生児訪問などをおこなう。妊婦さん対象の「プレママ★アロマ教室」を開講し、安全な精油の使いかたや自然な出産方法の提案をおこなう傍ら、マタニティ専用サロン、ベビーマッサージ教室を主宰。→公式HPへ
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