妊娠中はカンジダ膣炎になりやすい!?妊婦・赤ちゃんへの影響は?
2019年9月20日 | よみもの妊娠中はカンジダ膣炎になりやすい!?妊婦・赤ちゃんへの影響は?

妊娠中は免疫力が低下しさまざまな疾患にかかりやすくなります。「膣カンジダ」もその1つ。
「カンジダ」という言葉は一度や二度耳にしたことがあると思いますが、性器に関連した病気だということ以外知らないという人も少なくないのではないでしょうか。
今回は「膣カンジダ」がどのような病気でどのような症状が出るのか、そして妊娠中に万が一感染したら母体や赤ちゃんにどう影響するのかをご説明します。
妊婦さんが健診で膣カンジダと診断されるケースは珍しくありませんので、ぜひ基礎知識として知っておきましょう。
膣カンジダって何?症状は?
膣カンジダは性病の一種
カンジダとは真菌(カビ)の一種で、菌が増殖することで発症する病気です。この菌は常在菌として粘膜や皮膚に存在するため、誰でも、身体のいたるところに発症する可能性があります。
男女ともに発症する可能性はありますが圧倒的に女性に多い病気です。というのも、カンジダは湿った場所を好み、女性の膣で増殖することが多いからです。口腔内にできるカンジダもありますが、膣にできるカンジダが圧倒的に多く膣カンジダ、性器カンジダ、カンジダ膣炎などと呼ばれています。
女性のうち75%以上は生涯で一度は経験し、45%以上は2回以上発症しているというデータもあるほど、誰でもかかる可能性のあるメジャーな病気と言えます。
主な症状は外陰部のかゆみ
膣カンジダの主な症状は外陰部のかゆみです。時には赤く腫れることもあります。
かゆみの特徴としては、我慢できないほどの激しいかゆみをともなうことが多く、万が一かきむしってしまうと炎症を起こすことも。
それ以外にも膣カンジダの代表的な症状には次のようなものもあります。
- ・外陰部のかゆみ、腫れ、発疹
- ・排尿の際に痛みをともなう
- ・おりものがカッテージチーズのようにポロポロ状になる
- ・おりものに酒粕のような粒が混じっている
- ・おりものの量が増える
一般的には、外陰部のかゆみよりもおりものの変化のほうが先に発生します。おりものに上記のような変化があれば早めに病院を受診するか、妊婦健診の際に医師へ相談するようにしましょう。
なぜ妊婦は膣カンジダになる?
妊婦が膣カンジダになりやすい代表的な理由は以下です。
- ・免疫力が低下するため
- ・膣内がアルカリ性に偏るため
- ・妊娠により体温が高くなり汗をかきやすくなるため
妊娠により女性の体調は大きく変化しますが、上記のような変化がカンジダ菌を増殖させ「膣カンジダ」を発症させてしまう可能性があるのです。
もしも妊娠中に感染したら
治療法と母体、お腹の赤ちゃんへの影響
膣カンジダを発症した場合、膣錠や軟膏で治療をおこないます。赤ちゃんへの影響のない薬剤を使用するので妊婦さんでも問題なく治療することができます。
膣カンジダは、出産前であれば母体やお腹の中の赤ちゃんに影響することはありません。ただし、出産時にはリスクを伴うので、ぜひ出産前に完治を目指しましょう。
また、薬剤はかゆみがなくなっても病院の指示通りに使い続けることが大切です。途中でやめてしまってもまた再発してしまう可能性もあります。
膣内を石鹸で洗ってはダメ!
なお、膣カンジダかどうかに限らず、膣内を石鹸やボディソープで洗うことは厳禁です。女性の膣内は菌や感染症に負けないよう自浄作用があり、強酸性を保っています。ところが石鹸などで洗ってしまうと強酸性が洗い流されてしまい、菌や感染症に弱い状態になってしまうのです。
清潔を気にするあまり、洗いすぎることがないよう注意しましょう。膣内は洗わないことと、陰部が気になる場合はデリケートゾーン専用のソープを使って優しく洗うのがおすすめです。
治らないまま出産予定日を迎えたら
完治するまで時間がかかってしまった、臨月に罹患してしまった、といった場合は完治しないまま出産を迎えるケースも考えられます。
この場合、産道を通るときに赤ちゃんに感染する危険性が出てきます。
赤ちゃんが感染すると、肌にカビが発生したりカンジダ皮膚炎を起こすこともあるようです。
そのため、完治しないまま出産する際は感染防止の薬剤を点滴しながら分娩するのが一般的です。少し安心ですね。
まとめ
妊娠中に起こることが多い「膣カンジダ」。免疫力の落ちている妊娠中は誰がかかってもおかしくありません。
妊婦健診では必ずしも内診があるとは限らず、デリケートな部分なので医師へ伝えづらいかもしれません。ご自身の体調にも大きく関わることと、出産時の赤ちゃんのリスクを下げるために、早めに相談することをおすすめします。
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