子宮が飛び出る「子宮脱」ってどんな病気!?子宮脱の原因や症状、治療について
2019年8月31日 | よみもの子宮が飛び出る「子宮脱」ってどんな病気!?子宮脱の原因や症状、治療について

いくつかある女性特有の病気のひとつに「子宮脱」があります。その名の通り膣から子宮が出てきてしまうため、とても恐ろしいイメージがありますが、命に関わることはなく、また、症状が軽い方も含めると出産経験者の半数近くにみられる、意外に身近な病気でもあります。
子宮脱の主な原因
通常、子宮は骨盤底筋群によって支えられていますが、何らかの原因で筋力が弱まったり、筋肉自体が傷ついたりすると、支える力が弱まって子宮が下がってきてしまいます。骨盤底筋群の筋力が低下しやすい主な原因は次の通り。
- ・3人以上の出産経験がある
- ・3500グラム以上の大きな赤ちゃんを産んだことがある
- ・高齢出産
- ・分娩時間が長かった
- ・便秘がちで、日ごろから強くいきんで排便している
- ・肥満体質
- ・立ちっぱなしや、重たいものを持つ仕事をしている
骨盤底筋群の筋力が弱まったり子宮の位置がずれたりすることで、膀胱や直腸が膣側に飛び出してくることもあります。
子宮脱の種類と症状
子宮脱は程度により「子宮下垂」と「子宮脱」の2つに分けられます。
子宮がずれる「子宮下垂」は、子宮が正常の位置からは下がっているものの膣の内部に留まっているため、症状が軽いうちは無症状で自覚のないことがほとんど。重症になってくると、膣に異物感を覚えたり、膣が引っ張られているような感覚が起きたりします。
子宮下垂が進み「子宮脱」になると、子宮が完全に膣から覗いている状態になるため、股の間に違和感があったり、粘膜が下着と擦れて出血を起こしたりします。
なかには、重たいものを持ったり、排便やくしゃみなどでおなかに力を入れたりしたときだけ、子宮が膣から飛び出すケースもあります。また、下がった子宮が尿道を圧迫していると、頻尿や、尿が出づらくなって下腹部に張りや痛みを感じることも。悪化すると膀胱炎や腎臓の病気を招く危険もあります。
子宮下垂や子宮脱だと感じたら
日常生活にさほど支障を感じていない場合、恥ずかしさから受診を先延ばしにしている女性も少なくない様子。ただ、放っておくと悪化したり、膀胱や直腸など子宮以外の場所に症状が現れたりする可能性もあるため、はやめに病院へ行きましょう。
軽度の場合は、骨盤底筋群を鍛える体操や、いきまない、重たいものを極力持たないといった生活改善の指導を受ける程度で、経過を見ることがほとんど。
既に子宮脱を患っていたり、ほかの場所に症状が出ていたりする場合は、主にペッサリーの装着か手術で治療します。
ペッサリー
膣内に装着するリング型の器具で、子宮を持ち上げて正常な位置に戻します。
手術
症状によって、膣側から、筋肉やじん帯、膣壁の修復、子宮摘出などをおこないます。
最後に
初期は無症状で気づかないこともある子宮脱ですが、膀胱や腎臓など周囲の臓器にも影響を及ぼすことがあるため、少しでも違和感を覚えたらはやめに受診するようにしてくださいね。
また、日ごろからエクササイズを取り入れたり、健康的な生活を心がけたりして、骨盤周りの筋力を低下させないように過ごすことも、予防に効果的ですよ。
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