おむつはずしは何歳が最適? ストレスなくおむつはずしを成功させるコツ8つ
2018年11月1日 | よみものおむつはずしは何歳が最適? ストレスなくおむつはずしを成功させるコツ8つ

おむつはずしと聞くと、例えば認知症持ちで介護施設に預けられている高齢者のおむつはずしを思い浮かべる方もいるかと思います。
実際に近年では、高齢者のおむつなどの対策に悩んでいる方も多くいますし、介護にて、「脱おむつ」を支援している事業者には介護報酬を高報酬にする取り組みなどが話題になっています。
しかし、今回は、子どものおむつはずし(トイレトレーニング)をする場合の進め方のポイントをお伝えします。
おむつはずしとおむつはずれの違い
最初におむつはずしとおむつはずれの言葉の違いについてお話をしたいと思います。
まず、おむつはずれとは、子どもの方で準備ができて、自然におむつがはずれる状態のことを指します。逆に、おむつはずしとは、ママやパパが子どものおむつを取り上げることを指します。
今回はそんなおむつはずしの方についてお伝えします。
おむつはずしの大まかな手順
オムツはずしを始める前に、大まかな流れを理解しておくとスムーズに進められるようになります。
以下ではおむつはずしの大まかな流れ(手順)をご紹介します。
STEP1:“トイレ=おしっこ(うんち)する場所”だと教える
当たり前ですが、赤ちゃんは生まれたころからおむつで生活しているので、「おしっこやうんちはトイレでしなければならない」という認識は持ち合わせていません。
そのため、まずは親がトイレの役割を教えてあげることから始まります。
おまるやトイレに繰り返し座らせて、慣れさせてあげましょう。そのうち、おしっこやうんちをするので、そのときはたくさん褒めてあげてください。
STEP2:トイレに行く回数を増やす
“トイレ=おしっこやうんちをする場所”という認識が定着したら、今度はトイレに行く習慣をつけてあげましょう。
ママやパパがタイミングを見て定期的に誘うのが良いです。
毎日繰り返しトイレに行くことで、子供はトイレを怖がらなくなります。
STEP3:トレーニングパンツで過ごしてもらう
ある程度トイレができるようになったら、おむつを外してトレーニングパンツを履かせましょう。
最初はおもらしをすることが多いですが、根気よくトレーニングしてあげるようにしましょう。
この時期はトレーニングの進行が一進一退します。いちいち落ち込まないことが大切です。
STEP4:排泄を我慢させることができるようになったら完了
悩みがちなトレーニングパンツ時期を乗り越えると、子どもも排泄をある程度我慢できるようになっています。
親に知らせてからきちんと我慢できる、トイレでしないといけないことが分かっている、などがクリアできればおむつはずし完了です。
おむつ外し前にするべきステップについては以下の記事をご覧ください。
おむつはずしを始める時期の目安3つ
おむつ外しを始められる時期は、子どもによって個人差があり、一概に「この時期からスタートした方が良い!」と言い切ることはできません。
しかし、多くのママの体験談から作られた一般的な指標があるので、参考にしてみてください。
膀胱が発達しているか
おむつはずしを始めるためには、おしっこをためる膀胱が十分に発達している必要があります。
おしっこをためる量だけでなく、排尿をコントロールする機能が発達していることも大切です。
一般的におしっこの間隔が2〜3時間あけばOKとされています。
自分で立って歩けるか
オムツを外すためには、自分でトイレに行けるようになっていなければなりません。
そのため、一人で立って歩けるようになっている必要があります。おおよそ、一人で立って歩けるようになるには、1歳8ヶ月〜1歳9ヶ月にかけてできるようになると言われています。
歩けるようになっているころには、大抵自分で尿意を感じることができるようになっています。
自分の気持ちを伝えられるか
心がある程度発達していることも重要です。
「トイレに行きたい」という気持ちを言葉や行動で示すことができるようになったら、おむつはずしを開始してもいい時期です。
おむつ外しの時期についての詳細は以下の記事をご覧ください。
約5割のママがおむつはずしを2歳半までに始めている
ベネッセが運営するサイト『子育てインフォ』が取った「何歳の時におむつはずれを始めましたか」というアンケート(381名のママが回答)によると、およそ5割のママが2歳半までに始めたと回答しました。
具体的な数字としては、
- 1歳半未満(0歳、1歳)……4.7%
- 1歳半〜2歳未満……13.6%
- 2歳〜2歳半未満……30.8%
- 2歳半〜3歳未満……32.3%
- 3歳以降……18.6%
という結果になっています。
ちなみに、同サイトが行った「おむつはずれにどれくらいの期間がかかりましたか?」というアンケートでは、約7割のママが「3か月以上かかった」と回答しています。
4歳までにおむつはずしが終わっていればいい!?
おむつはずしが終了する時期は子どもによって異なりますが、多くのママは幼稚園(または保育園)に入れるまでに終わらせたいと考えているようです。
実際におむつが外れた時期として、一般的には2〜3歳半までが多いようですが、中には4歳になってもおむつがとれない子もいます。
4歳になると、大抵の子どもが膀胱の機能が発達して排尿のコントロールができるようになっているので、昼でもおむつをしているようなら心配です。
腎臓や膀胱の病気も考えられるので、一度小児科で相談してみるのもいいでしょう。とはいえ、オムツが外れる時期は個人差が大きいのであまり焦る必要はありません。
また、夜間のおむつはずしについてはまた別問題です。日中おむつが外れたからと行って夜も一緒の時期に外せるとは限りません。
4歳、5歳であるけれども夜のおむつはずしができないとなっても、夜間では排尿のコントロールができるわけではないので、年齢で判断するのはやめましょう。
おむつはずしに必要なアイテム4つ
おむつはずしには根気が必要ですが、アイテムを使うことで効率が上がることもあります。
以下では、おむつはずしでおすすめのアイテムをご紹介します。
(1)はしご式補助便座
普通の便器は大人用に作られているため、幼児が座るとお尻がすっぽりとハマってしまう可能性があります。
そのため、便座のサイズを調節できる補助便座を使うことをおすすめします。
とくにはしごが付いているタイプのものは、子どもが自分で上り下りできるため、遊び感覚でトイレに臨んでくれるようになりますよ。
(2)トイレトレーニング用の絵本
子どもはなぜか「うんち」や「おしっこ」などの言葉が好きですが、こうした言葉を巧みに使っている絵本もトイレトレーニングに有効です。
楽しげな雰囲気の中でトイレトレーニングのことを学べるため、苦手意識を持つことなくトイレしてくれるようになることも。
最近では、しまじろうなどのキャラクターを用いたおむつはずしの教材もあるようです。
(3)おまる
普通の便器では「怖い」と感じてしまう子どもも少なくありません。
また、普段生活しているスペースとは違う場所であるため、“違和感”を抱いてしまって身構える子どももいます。
そんな子どもにおすすめなのが“おまる”。
おまるはどこにでも設置できるので、普段生活しているスペースに置くこともできます。
まずは慣れた環境から便器に慣れさせて、それから普通の便器へ……というステップを踏むことでトイレトレーニングがスムーズになります。
(4)トレーニングパンツ
近頃のオムツは優秀なので、子どもが排泄をしても自覚しづらいと言われています。
トイレトレーニングでは自分が排泄した感覚を知ってもらうことも大切なので、トレーニングパンツがおすすめです。
トレーニングパンツはおむつと比べて、おもらしした際に濡れている感触が強くなるので、“気持ち悪い”という感覚を教えてあげることができます。
おむつ外しのアイテムについての体験談は以下の記事をご覧ください。
おむつはずしの時に着る服
おむつはずしをしている時は服を脱いだり着たりする機会が増えます。
そこで着脱のしやすい服を用意してあげるようにしましょう。
オススメの素材と洋服
基本的に着脱がしやすい服ということで、以下の2点がポイントになっております。
まず着脱のしやすさの観点から、スウェットやジャージ素材の生地がオススメです。
もう一点大事なことは、着丈が出来るだけ短めなものがオススメです。というのも、自分で裾を持って便座に座ることは大変だからです。
以上2点を元に洋服を選びましょう。
避けるべき洋服
逆に避けるべき洋服はどのようなものがあるのでしょうか?
オススメの素材と逆で、着脱のしにくいものが避けるべき洋服として挙げられます。例えば、デニム、タイツ、スパッツなどが挙げられるでしょう。
また丈が長いものも避けた方がいいです。たとえば、ワンピースのようなものも対象となります。
おむつはずしを成功させるコツ8つ
では、ここからはおむつはずしを成功させるコツを8つ紹介します。
それぞれすぐにでも実践できることなので、試してください。
(1)スタート前に言い聞かせる
今までオムツだったのに、急にパンツにされ、今まで通りおしっこをしたら怒られた……なんて、子どもの立場になったら戸惑いますよね。
いきなりスタートせず、もうすぐトイレでおしっこすることを話してきかせましょう。
事前に、出なくてもおまるに座らせてみたり、トイレの絵本を見せたりして意識付けしていくことで、子どもの中で、「おしっこやうんちはトイレでするもの」というイメージが生まれます。
そのイメージがオムツ外しの成功につながります。
(2)予定を入れない1週間を作る
ダラダラと長い期間やるのは親子のストレスになるので、トイレトレーニングの目安をまずは1週間スパンで考えてみましょう。
オムツからパンツにして、出先でおもらしをされると大変ですし、外出するとどうしてもいつもの生活リズムが狂いがちです。
そのため、最初の1週間はどうしても削れない予定以外はなるべく入れず、「トイレトレーニングのための一週間」にしましょう。
その後続けるのか一旦止めるのかは、お子さんの様子や、帰省や旅行などの親の予定を考慮しながら決めましょう。
(3)声をかけるときはタイミング良く!
よく、トイレトレーニングを始めると、「◯◯ちゃんおしっこは?」「そろそろトイレ行こうか」と、しょっちゅう声をかけてしまう親御さんがいらっしゃいます。
タイミング良く声をかけていれば良いのですが、闇雲にしつこく声をかけてしまうと、「トイレ=めんどくさい、いやなもの」と、インプットされてしまい、行くのを嫌がるようになってしまいます。
特に夢中になって遊んでいるときは、本当はおしっこを我慢していても「出ない」と言って、遊びを続けようとすることがあると思いますが、それは子どもの当然の反応です。
大人でも、何かに夢中になっているときに中断するのはつらいものですよね。
食事前後、おやつ前後、お風呂前後など、基本的に、おまるやトイレに誘うのは、区切りのつけやすい活動の前後にしましょう。
また、最初はトイレではなく、見える所にオマルを置いてそこに連れて行くようにすると、距離の短さや見えていることの安心感から、子どもの「めんどくさい気持ち」を軽減することができます。
(4)暑いときは思い切ってスッポンポンで!
夏にオムツ外しをする最大のメリットではないかと思う位、このやり方を試して、短期間ですんなりオムツが取れたという方が多い方法です。
トイレトレーニングの1週間は、ズボンやパンツは履かずにスッポンポンで過ごさせてみましょう。
パンツを履かないことで、おしっこが出る瞬間を本人がはっきり自覚することができます。おしっこが出始めたら、途中からでもオマルに座らせます。
「ちゃんとオマルでできたね。次は最初からオマルでできるといいね」などと毎回声かけるうちに、段々おしっこが出る前にオマルに座ることができるようになっていきます。
トイレトレーニングをする週は、フローリングの部屋か、じゅうたんであれば上にシートを敷いた部屋で過ごすようすると、おもらしをした際の被害が少なくて済むと思います。
ちなみに、スッポンポンでトイレトレーニングをしたら、3日でオムツが取れたお子さんもいます。
平均すると1週間位で、時々失敗はするものの、オマルに座っておしっこをすることがわかり、自分で座るようになるお子さんが多いです。
(5)子どものおしっこ(うんち)の時間帯を把握する
『最初は子どものトイレのタイミングが全然分からなかったので、表を作って一日一日毎日記入してた。トイレのタイミングが分かると声かけも楽になるし、おすすめ』
子どものトイレのタイミングを把握する、という方法を実践している方は、他にも多くみられました。
子どもがトイレをする時間帯を記入できる表を提供しているサイトもあるので、ぜひ活用してみてください。
(6)自分から「トイレに行きたい」と言ったら褒めてあげる
『子どもが「トイレに行きたい」と自分から言ったら、必ず褒めるようにしてた』
これも多くみられた方法です。子どもはパパママに褒められるのが大好きです。
自分からトイレを催促してきたら、「えらいね〜」「お兄ちゃん(お姉ちゃん)だねー」などと必ず褒めるようにしましょう。
(7)トイレの環境を整える
『子どもがトイレを異常に怖がっていたので、大好きなアンパンマンや妖怪ウォッチのポスターやシールを貼ることにしました。効果は抜群でした』
トイレを不快な場所だと思う子どもは少なくありません。そのため、子どもが自ら行きたがるような環境にしてあげる必要があります。
便器を怖がる場合は、上でも挙げた“はしご式補助便座”を使うと効果的です。
(8)EC(エリミネーション・コミュニケーション)を行う
『ウチはECをしてたから、1歳代でトイトレ完了した』
ECとは、排泄コミュニケーションという意味で、赤ちゃんの排泄したいという欲求を理解して、おまるやトイレで排泄させてあげることを指します。
よくある赤ちゃんの排泄サインとしては、
- 泣く
- 足や手を動かしている
- 顔を赤くしている
- 一点を見つめている
などが挙げられます。
サインを察知したら、トイレへ連れて行って排泄させてあげます。
これは赤ちゃんとのコミュニケーションを目的としているため、トイレトレーニングではありませんが、後々役立つと言われています。
生後2、3か月くらいから始めることが多く、赤ちゃんを小さいうちからトイレに慣れさせることで苦手意識を与えません。
この方法を行った家庭では、1歳代でトイレトレーニングが完了したという人も少なくないようです。
おむつはずしを失敗させるNG行動4つ
「なかなか子どものおむつが外れない……」と悩んでいる方は、もしかしたら以下のNG行動を取っているかもしれません。
(1)失敗したら叱っている
他の子どもがおむつを卒業している年齢になっても、わが子がおむつをしていたら、焦るのが親として当然の反応です。
しかし、それはあくまで親の都合。「周りがこうだから」という理由で焦って叱らないようにしましょう。
あまり叱りすぎると、“トイレ=怖い場所”という意識が定着してトイレに生きたがらなくなる可能性があります。
(2)ご褒美作戦をしすぎている
上手にトイレができたらご褒美をあげる! という作戦は、たしかにトイレトレーニングの進捗をスムーズにします。
しかし、あまりにもやりすぎると、ご褒美がなければトイレに行かなくなってしまう可能性もあります。
あくまでも“物”のご褒美は控えめにして、言葉で褒めてあげるようにしましょう。
(3)すぐにトイレに誘ってしまう
トイレに失敗してしまうのでは、という不安から頻繁にトイレに誘う方がいますが、これはNGです。
子どもは何かに夢中になると、なかなかそこから抜け出すことができません。
それを無理矢理中断させてしまうと、“トイレ=嫌なこと”というイメージを定着させてしまいます。
誘い過ぎには注意しましょう。
(4)排泄するまで便座に座らせている
子どもがトイレに行きたいと言ったのに、便座に座ったらぜんぜん出す気配がない……ということは良くありますよね。
それでいつまでも便座に座らせてしまうママがいますが、出ないときは出ないものです。
なるべく無理強いはしないようにしましょう。これも“トイレ=嫌なこと”というイメージがつくからです。
早期トイレトレーニングは必要?
現代では大体の子どもが2歳〜3歳半くらいの間にトイレトレーニングを完了させますが、一昔前は1歳くらいでおむつを取っていたようです。
そのため、今でも早めにトイレトレーニングを行う家庭も少なくないようです。
早めにおむつが外れると、経済的にも助かりますし、夜泣きに悩まされることも少なくなります。また最近では、姑がおむつはずしにうるさく、急いておむつはずしを行なったという家庭もあるようです。
しかし一方では、膀胱や腸が十分に発達していない状態でトイレトレーニングを行うと、尿道の炎症や便秘などを引き起こす恐れがあると言われています。
医学的には3歳前後でおむつを卒業させるのが最適だとされています。
トイトレの開始時期についての詳細は以下の記事をご覧ください。
自閉症・発達障害の子のおむつはずし
自閉症や、発達障害を持っている子どものお昼のおむつはずしでポイントとなるのは成功体験を作ることです。
そこで成功体験を作るためには、オマルから始めることをお勧めします。家の中どこでも持ち込めるので、タイミングに左右されずに使うことができます。
夜のおむつはずしについては別の対策が必要です。
夜のおむつはずしについては、朝までおむつが濡れないようになってから始めるようにしましょう。というのも、自閉症や発達障害の子どもは排尿機能が整わない子もいるからです。
夜のおむつはずしは慎重に進めるようにしましょう。
まとめ
「おむつはずしの大まかな流れ」や「おむつはずしの注意点」などについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
おむつはずしは、何よりも親子の気持ちが大切です。
周りと比べて焦るのではなく、なるべく根気よくわが子の成長を見守ってあげるようにしましょう。
【関連コラム】
・おむつはずしの時期とママの心得3つ
・いつから開始すべき? トイレトレーニングの進め方と成功のコツ
・パンツトレーニングの進め方のコツ5つ
●ライター/赤井理香(ママカウンセラー)
●追記/パピマミ編集部