子育て世代の「働き方改革」に限界を作らない
2018年9月28日 | よみもの子育て世代の「働き方改革」に限界を作らない

多くの企業や団体が制度や仕組みを整え、「女性が働きやすい職場づくり」に取り組んでいます。
その一方で、新たな課題も見えてきました。その課題を解決するために必要なことについて、パピマミ編集部が紹介していきます。
母親と父親の「働き方改革」
「女性に活躍してほしい」と活動する企業が増え、制度も整ってきました。しかしその分、男性の働き方を変えることには消極的です。
女性が子どもを持ちながら活躍できる社会を実現するためには、長時間労働を是正しなくてはいけません。男性が一旦職場を離れても、キャリアを積んで評価される制度改革、働く母親を支えるために父親の家庭参画を進めるのも、働き方改革として大切な一面だと言えるでしょう。
「女性活躍」の実現に向けて必要なのは、女性だけに焦点を当てるのではなく、社会全体の長時間労働を改善し、男女共に働きやすい環境を作ること。
その前提のもと、生産性を高める施策を練り、子育てやスキルアップの時間へ費やせばいいのです。
出産育児による労働力流出のリスクを抑えつつ、より効率的に業務を進めるイノベーションが生まれる良いサイクルが発生します。
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「長時間労働是正」の必要性
また「女性が働きやすい職場」を目指し、育児休業制度や勤務時間短縮などの仕組みが整ってきました。一方で育児休業をカバーするために、現在子育てに関わっていない人にしわ寄せが来る状況も見られます。
これまでに作られた制度は限界を超え、子育てをする人には優しく、しない人には厳しい世の中になってきました。これでは子育てをしない人が不満を感じるのは当然のこと。
職場はギスギスして、生産性も低下してしまいます。
この問題を解決に導くには、IT活用や在宅勤務の導入など、短時間で効率よく業務を遂行する方法を探索しなくてはいけません。多くの人が長時間労働から解放され、生活環境やライフステージを気にせずに活躍できる社会にしたいですね。
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「男女共同参画社会」の意識づくり
さらに、これからの経済社会の活性化のために、女性の視点や発想を生かし、新たな経済活動を創り出すことが求められています。そこで大事なのが「男女共同参画社会」に向けての意識づくりです。
そもそも「男女共同参画」とは、「男女が、互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別に関わりなく、その個性と能力を十分に発揮すること」を指します。
しかし、家庭や職場で男女間の不平等を感じている人が多いのも事実。「男性だから、女性だから」という理由で、生き方や人生の選択が制限され、個性や能力を発揮する機会が奪われてしまうことは問題です。
男性も女性も家庭生活と仕事などの社会活動が両立できるように、みんなで協力し合うことが求められます。
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「ワーク・ライフ・バランス」が実現した社会を目指す
日本は「子育ては妻の役割」という意識が他の国に比べて強く、男性の家事・育児への参画が進んでいません。
働いてお金を稼ぐのは男性、家庭で家事や育児といった無償の役割を担うのは女性という意識を変え、仕事でも家庭でも男女共に力を発揮できるようにすることが大切です。
例えば、食事の支度や洗濯、掃除などの家事は、生活するうえで欠かせない大切な仕事です。家族みんなで協力して行えば会話もはずみ、家での時間がより快適になります。また子どもと一緒に過ごすひとときは、かけがえのない貴重な時間です。
父親も母親も子育ての苦労も喜びも分かち合いましょう。
仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)は、仕事と家庭の充実が車の両輪のように、好循環をもたらしあうもの。ワーク・ライフ・バランスの実現が社会全体で求められています。
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まとめ
男性を含めた長時間労働の是正は、女性の活躍だけでなく、男性のワーク・ライフ・バランスの確保につながります。男性がもっと家庭や地域活動に参画するようになれば、地方の力もより高まってゆくのではないでしょうか。
さらに、近年あらゆる業界でキーワードになっている「人材不足」の問題を解決し、企業の競争力を高めることにもなります。
子育て世代の母親、父親自身が「働き方改革」に限界を作らず、みんなが活躍できる社会を作り出すことが望まれます。