みんな行くけど行った方が良い?考えてみて欲しい我が子の通塾の必要性
2018年2月13日 | よみものみんな行くけど行った方が良い?考えてみて欲しい我が子の通塾の必要性

こんにちは。エッセイストの鈴木かつよしです。
ついこの間のことでした。うちの息子と同じ中2の女の子がいる知り合いの女性から、「娘の友達はほとんどみんな塾に通っているのだけれど、うちの子は学校の勉強と部活だけでも手一杯で塾にまで通う体力・気力はとても残ってません。成績はほぼほぼオール3。よそのお子さんはすごいなあと思うのですが、今どき塾に通ってないうちの娘のような子はマズいでしょうか?」との相談をされました。
あくまでも筆者の見解ではありますが、わたしは全然マズくないと思います。
そう思う根拠は、中学生が塾に通うことには実は2つのまったく違う意味があり、そのうちの1つが家庭でクリアできるのであればあえて貴重な時間とお金を塾通いに費やす必要がないからです。
どういうことか、ご一緒に考えてみましょう。

中学生が塾に通うことの2つの意味
義務教育である中学校の生徒が塾に通うことには、大きく分けて2つのまったく違う意味があります。
1つは「学校の授業を先取りして優位に立ち、また応用問題に取り組んだり他流試合に臨む度胸をつけることで先々の高校受験に備える」ため。
2つ目は「学校の成績面でなかなか思ったような結果が出せないので、プロの塾講師の力を借りる」ため
以上の2つの意味です。
このうち、1つ目のような目的があるのでしたらやはり塾に通う必要があるのかもしれません。
ですが、2つ目のようなことが目的で塾に通うことをお考えなのでしたら、ちょっと待ってください。
本人とパパ・ママに本気で現状突破をしたい気持ちさえあるのなら、塾に通うよりもっといい方法があるかもしれないのです。
塾なしでも心がけ次第で成績は上がる
冒頭でお話しした知人女性に申し上げたいのは、娘さんは学校生活と部活動で余力が残らないほど生き生きと毎日を過ごしていらっしゃる。
素晴らしいことではありませんか。
そのような娘さんであれば塾に行かなくても、ちょっとした心がげ次第で成績は好転できる可能性があります。
疲れていてもその日の学校の授業で学んだ内容だけは復習してから寝ること。
次に定期テスト3週間前になったら自分なりの学習計画表を作り、教科書準拠式の参考書とワークブック類を駆使して反復練習を積むこと。
そして、テスト前3週間だけは好きなゲームや動画サイト視聴を禁欲することです。
パパやママが心がけることとしては、お子さんがこういった習慣を違和感なく身につけられるように応援してあげること。
今の時代は質の高い教科書完全準拠式の参考書が本屋さんで普通に売っていますので、学習の習慣さえ自分のものにすれば義務教育課程の勉強の内容に全然ついていけないということはありえません。
定期テスト前くらいはパパもママも好きなテレビの番組を大きな音量でつけるのは我慢すること。それだけでも全然違ってくるものです。
塾に行かない方が良い場合も
みんなが行ってるからという理由だけであえて塾に行かなくてもよいと筆者が考える根拠の中には、特に1つ目の“超難関校合格を目的とした大手進学塾”だと、知り合いの女性の娘さんのような優しい子どもはかえって人間性を阻害されてしまいデメリットの方が大きいという問題もあります。
京都で20年間にわたって義務教育課程の子どもたちに学習指導をしている水島醉(みずしま・よう)さんという民間の教育者がいるのですが、この水島さんも著書の『進学塾不要論』の中で同様の問題に触れており、偏狭な“競争至上主義”が子どもに及ぼす悪い影響の方を重要視されているほどです。
パパやママだってちゃんと教えてあげることができる
おしまいに、中学生があえて塾に通わなくても大丈夫と申し上げる決定的な理由。
それは、本当はパパやママにだって義務教育課程の勉強であればちゃんと教えてあげることができるからです。
忘れてしまっているから自信がないだけであって、社会人としてまっとうに生きていらっしゃるパパやママにできないはずがないではありませんか。
というよりもむしろ、お子さんは自分と一緒になってひねりのきいた数学の応用問題の解き方を考えてくれているパパやママのことを、あらためて大好きになるはずです。
そしてそういう時間は、子どもにとってもパパ・ママにとっても塾に通うことでは決して手に入れることのできない貴重な時間となるはずです。
●参考文献 『進学塾不要論』水島醉・著、ディスカヴァー携書、2011年