22歳まで医療費0円?私が移住してわかった地方と都会の違い
2018年1月18日 | よみもの22歳まで医療費0円?私が移住してわかった地方と都会の違い

子育てをするなら、都会と地方どちらがいいと思いますか?
都会に住む人は、「地方でのびのびと子育てしたい」と思うかもしれません。
また、地方に住む人は、「都会の選択肢が多い生活が羨ましい」と思うこともあるでしょう。
筆者は昨夏、地方から都会に引っ越してきたばかりで、両方での育児を経験しました。
今回は、生活するために必要な経費と生活の足、遊び場について、子育て中のママ目線で比較してみます。

(1)生活費や医療費など必要な経費の違い
まず、生活に必要な経費について比較してみたいと思います。
・食費
前提として、利用する店舗や地域によって異なるため、一概にどちらが安い、高いということは難しいですよね。
筆者の経験を元に言えるのは、全体的に野菜や果物、精肉や鮮魚などの生鮮食品は地方の方が安く、加工食品は都会の方が安かったということです。
おそらく、生鮮食品については地方の方が豊富に獲れて運送費がかからないため値段が安く抑えられるのでしょう。
また、加工食品については都会の方が大量に入荷されるため、価格がそこまで上がらないのだと思います。
・住居費
都会に引っ越すとき、その家賃の高さには驚かされました。
同じ間取りでも部屋は狭くなり階数も下になるのに、家賃は2倍になったのです。
家を購入するときにも、土地の値段は都会と地方では大きな開きがあります。
生活費の大きな部分を占める住居費。
これが決め手となり、都会から地方に移住する子育て家庭も少なくないようです。
・医療費
地方では若い世代の移住者を増やすために、子どもの医療費を所得制限なしに無料に設定している市町村が多くあります。
例えば北海道南富良野町では、0歳から満22歳に達した日以後、最初の3月31日までの子どもや学生の医療費の全額助成を行っています。
中学生までや高校生まで助成してくれる市町村はよく耳にしますが、22歳までとは驚きですよね。
一方で、都会でも医療費の助成が充実していないわけではありません。
東京都千代田区では所得制限なしに、高校生相当年齢である18歳に達した日以後の最初の3月31日までの子どもを対象に医療費の助成を行っています。
このように、医療費は都会と地方という違いだけで比べることはできなさそうです。
それぞれの自治体によって、大きな差が出てくるといえるでしょう。
(2)生活の足の違い
・地方で公共交通機関利用、徒歩暮らしは難しい
筆者は地方にいた頃、平日は車なしの生活をしていました。
最寄りのスーパーマーケットまでは歩いて約20分、最寄りの駅までも歩いて約15分以上。
市営や民間の運営するバスは1時間に1本しかなく、ベビーカーのまま乗ることのできない古いタイプでした。
冬場に雪が降ると、30分程度の遅れも珍しくなく、外出を断念することも。
子連れで徒歩生活は無理だと判断して、長男が1歳半のときに電動自転車を購入しました。
・子育て中のママたちが運転するのが当たり前の地方だけど……
地方では道が広く空いている、駐車場が安くて多いというように車社会が成立しているため、どこに行くにも車という人も珍しくありません。
一方で、その車生活にはいつも交通事故への心配と隣り合わせです。
夜中の授乳や夜泣きによる寝不足に悩みがちなママたちは、日中の集中力が途切れがち。
さらに、運転中に子どもが泣き出したり、チャイルドシートから抜け出したりして困ると話していた人もいました。
快適なことばかりというわけではなさそうです。
・都会での公共交通機関の利用もストレスはある
都会に出てきてから、筆者は子連れで公共交通機関を利用するように。
本数が多く利用しやすくはなりましたが、ラッシュ時の混雑にはかなり苦労しています。
「ベビーカー畳むべきか否か」という問題にも初めて直面し、周囲の視線が痛いと感じることも少なくありません。
混雑する時間を避けて利用するなど工夫の方法を検討していますが、どちらにせよ、小さな子連れの移動は大変という点では都会も地方も共通しているようです。
(3)遊び場の違い
・遊び場
筆者は地方で海水浴や川下り、山にある牧場などに子どもを連れて行っていました。
休日はお金をほとんどかけずに自然の中で遊ぶことが多かったです。
一方、都会に来てからはテーマパークなどの人工的な遊び場に行くことが増えました。
どこに行くにもお金がかかることが多く、出費は増えましたが、最近のテクノロジーやエンターテイメントに触れることも多くなりました。
公園については、地方よりも意外に都会の方が選択肢は多く、整備もされている印象ではあります。
地域差はあると思いますが、子どもの少なさや財政面での苦戦から、公園の管理を十分できないという問題があるのかもしれません。
しかし、都会の公園は子どもが多くて、子ども同士がぶつかってトラブルにならないかと心配することも多くなりました。
それぞれの遊び方から子どもたちが得るものがありそうですね。
ここまで読んでみて、あなたは都会と地方、どちらで子育てをしたいと感じましたか?
筆者は引っ越してから、さまざまなことについて「良し悪しだな」と感じることがありました。
どこで子育てをしたいかは、家族がどんな生活をしたいか、どんな子育てをしたいかということに直結していると思います。
2016年の民間の調査で、全国の都市部に住む6歳までの子どもを持つ人のおよそ4割が「地方への移住・転職をしたい」と回答していることがわかっています。
この記事を読んで、それぞれのメリット、デメリットを確認し、今後どこで暮らしていくのか改めて考えるきっかけになれば幸いです。
【参考リンク】
・『全国移住ナビ(総務省)』
https://www.iju-navi.soumu.go.jp/ijunavi/
・『北海道南富良野町』
・『東京都千代田区』
http://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/kosodate/teate/index.html
・『都市地域に暮らす子育て家族の生活環境・移住意向調査(株式会社NTTデータ経営研究所)』
http://www.keieiken.co.jp/aboutus/newsrelease/160218/index.html
●モデル/SAYA・ゆみ