【インタビュー】仕事は家庭を邪魔しない?時短でも成果を出し続けるママの毎日
2017年11月23日 | よみもの【インタビュー】仕事は家庭を邪魔しない?時短でも成果を出し続けるママの毎日

「正社員として働きながら主婦ってできる?」
「仕事と子育て、同じバランスじゃできない」
正社員として、働きながら、小さい子の待つ保育園に向かう。
時短だからこそできることもあれば、まだまだ働き方としてマジョリティーになっていないからこそ理解が得られないなど改善できる側面もあります。
時短勤務をしながらの子育て、職場と家庭それぞれにおける役割が異なる中で果たして正解はあるのでしょうか。
今回は、2人の子供の母でありながら、時短勤務として働き続けるキャリアウーマンに時短勤務をしながらの育児について聞きました。

神奈川県出身。神奈川県の大学を卒業後、新卒で宝石店の販売員に。その後結婚、第一子の出産時に育児休暇を取得。転職を経て現職。転職後に第二子を出産し、2017年6月より育休から復帰。
家庭と仕事は一緒にできない?
—自己紹介をお願いします。
大島由紀と申します。
現在都内で会社員として働きながら、1歳半と5歳の2児の母をしています。
32歳の時に結婚し、当時働いていた宝石店を退職しました。2人の子宝に恵まれ、現在は都内の事業会社にて時短勤務として週5で9:30~16:30(定時:9:30~18:30)の間で働いています。
—10年以上も勤めていた宝石店の退社はどういったきっかけだったのでしょうか。
それまで店長として7年ほど働いていたのですが、結婚に際してこのまま課長職になれば土日の出勤が絶対条件となり、フルタイムでの勤務となるので、家族のことを考え、産後復帰した時は一般職に異動することにしました。
異動先では時短勤務で母としては無理なく子育てに取り組める一方で、それまでバリバリ働いていた私にとっては、これ以上の昇進は望めないことは辛く転職を考えるようになりました。
不安からの母としての決意
—仕事も家庭も、どちらも諦めたくないという思いから転職を決断されたのですね。転職中の会社選びはどのような基準だったのですか?
前提としては、土日がお休みであること。家族のための時間が優先順位としては1番なので、ここは外せませんでした。
その上でこれまでの経歴を活かせる職種、母として活躍できる職場を探していました。
しかし実際は、職種だけで見れば募集はあった一方で、「まだお子様小さいですがフル勤務大丈夫ですか?」という質問に対して萎縮してしまう自分がいました。
転職していきなり正社員で時短は無理だと思っていたので両親に話しをしてなんとか事前に送迎の手伝いをしてもらうよう頼んでいたので「大丈夫です!」と答えるも、受け入れてくれる会社は数社。
「二人目(の子供)は考えているのですか?」という質問にも、次第に誤魔化すようになり、嘘はつきたくない気持ちと、早く転職先を見つけたいという焦りでいっぱいでした。
—そんな中出会った現在の会社にはどのようにして入社を決めたのですか?
面接中に言われた「今のこの会社には出産経験者が必要」という一言に惹かれました。
そして同じように「お子様小さいけど大丈夫?」と言う問いに私が「大丈夫です!」とお伝えしたところ、「難しくなったらその時一緒にどうするか考えていこう!」と言っていただいたことにも心惹かれました。
二人目の妊活も歓迎していただいて、そこまで受け入れてくれるのではあれば仕事では時間を言い訳にせず、ママでも成果をだして「出産経験を生かして全力でやろう!」という思いで入社しました。
—二足のわらじを履いている大島さんが目指す姿はどんな自分でしょうか?
私はずっと“働くかっこいい母親”になりたいと思っていました。
私の母がそうであったように、やりがいを感じながら働く、そんな姿を子供に見せたいと思っています。
仕事は常に人の役に立っていますし、それをし続けることにやりがいを感じています。また家族がいるからこそ毎日の仕事の中にメリハリと程よい忙しさを感じられています。
そして今の会社の若い女性達に「結婚っていいな。子供っていいな。ここなら出産しても働きつづけられるな・・・」って思ってもらえる制度を初の産休取得者として構築していきたいと思っています。

【大島さんの1日】
5:30 起床
~7:30 朝食、準備、保育園送迎、
9:30~16:30 勤務
18:30 保育園お迎え
19:00~23:00 お風呂、夕食、洗濯、洗い物、寝かしつけ、次の日の準備
24:00 就寝
仕事と家庭はどっちも追う!働く母の想い
—仕事をしている分、時間の効率化はどのようにしているのでしょうか。
意識していることは2つあります。
1つは、仕事は”考える時間”と”作業する時間”を分けること。
誰でも身に覚えがあると思いますが、今手は動かせないけど頭はその分動かせる電車の中などで、やるべきことの優先順位づけなどをし、逆に机の前に座っているときは手を動かすようにしています。
時間がヒトより短いからこそテキパキと、机に座った瞬間からやることが見えていることで圧倒的に無駄を省くことができます。
これは家事も同じだと思っていて、どの順番でどれからやるのか、仕事で得た思考は家事で、家事で得た思考は仕事で活かされています。
2つ目は”メリハリ”をつけるということです。
その時間内でどこまでやるのかを明確にし、徹底的に取り組む。
バランスを取るというよりはそれぞれに100のパワーをつぎ込むことです。子供と一緒にいるときは子供との楽しみに全力ですし、仕事の時はあまり子供のことは考えません。
中途半端になるくらいなら、1つずつに100%の方が結果は良くなります。
常に考え、時間を作り出すことを意識することで同じ”時短”でも全然得られる仕事での、家庭での結果は変わってくると思います。
切り離せないわらじだからこそ、両方履く精神で向き合っていきたいですね。
●文/パピマミ編集部