敬語は面倒? ママ友同士があだ名呼びすることのメリット3選
2017年9月11日 | よみもの敬語は面倒? ママ友同士があだ名呼びすることのメリット3選

こんにちは。ママライターのあしださきです。
人と人とが互いに心地の良い距離感で付き合っていくということは、非常に難しいことが多いですね。
ママ同士の距離感について考えたことはありますか? 筆者自身の体験したことになりますが、とても心に残ったエピソードがあるのでご紹介したいと思います。
11歳になる長女の通っていた幼稚園では、園長先生から保護者に向けて、毎年このような注意事項が言い渡されます。
「保護者同士のお付き合いは、適度な距離感を保ち、過度になりすぎないようにお願いします」
子育て1年生、右も左も分からぬまま入園した初めての幼稚園。筆者にとってはその注意事項が本当に不思議で仕方がありませんでした。
周りを見渡すと、私以外のすべてのママたちがとても仲が良さそうに見え、入園から間もないというのに家に遊びに行く約束をしているのを見聞きして、私はすっかり混乱してしまいました。
「どういう距離感?」
そんなとき、不意に園の庭でお話ししていた同じクラスのお友達のママに、「ねぇ、○○ちゃん(私の下の名前)は何年生まれなの?」と話しかけられました。
とっさのことで一瞬ひるんだものの、あまりに自然な感じでしたのでそのまま受け流して会話を続けました。
しかし、内心とてもモヤモヤというか、どうしたらよいかわからない居心地の悪さを感じました。
そのママからの「○○ちゃん」という呼び方は定着せず、結局「(娘の名前)ちゃんママ」で落ち着きました。

“あだ名呼び”のその後
その後も小学校のPTAやスポーツ少年団などの保護者の中にも、このようにママ同士で「○○ちゃん」と下の名前で呼び合っている状況を目撃してきました。
実際には大多数の方々が大人同士けじめを持ったお付き合いをしっかりされているのだと思います。
子育ての中で出会った“同志”とも言うべき存在ですから、親しみを込めての“あだ名呼び”なのでしょう。
でも私にはその機会が未だ訪れません。なぜなのでしょうか。
そこで周りの子育て中の知り合いに調査にご協力していただき、体験談をお聞きすることにしました。
あだ名呼びの体験談
(1)あだ名で呼ぶと会話が弾む
『大人でも、初めての環境に急に馴染もうと頑張るほど肩に力が入って、それがストレスになるものです。そんなときにあだ名で呼ばれるとなぜか緊張がほぐれて、うまく話すことができると気がついたんです。あだ名でお互いを呼び合うと、堅苦しい会話にならないのもいいと思います。会話がとても弾みます』(40代/小学5年の男の子の母)
確かに、その通りですよね。
筆者も中学生のころ、英語の授業でアメリカ人の先生のレッスンを受けたとき、このように言われたのを思い出しました。自己紹介では必ず、自分の名前の後にニックネームも言うこと。
「Please call me ○○.」と自分で紹介をする。全員必ずそうしていました。
心理的にも、誰かのことをあだ名で呼ぶ人は非常にフレンドリーな状態にあり、「その人と仲良くなりたい」という心の表れであるということも言われています。
初めての言語の学習に緊張し、また突然現れた外国の人との距離の取り方も全くわからなかった中学生は、このあだ名呼びによって緊張がほぐれ、クラスの雰囲気も和やかになりました。
(2)敬語を使うのが面倒だから最初からあだ名で呼ぶ
『わが家は3人子どもがいます。幼稚園だけでも10年近く通い、そのあとは小学校。毎年毎年新しいクラスでの初顔合わせの回数をこなしていくうちに、“最初だけ敬語”みたいなのが面倒になって。
初めだけの儀式みたいなのにうんざりしてきているのがお互い何となく察知できたので、早い段階からあだ名で呼んで、フレンドリーに接するようにしました』(40代/小学2年・小学5年・中学1年の母)
もしかしたら、筆者が長女の幼稚園で急にあだ名呼びされたのも、こういった理由だったかもしれませんね。
そういえば相手のママさんの娘さんは2番目のお子さんで、上に大きいお兄さんがいらっしゃいました。その時点でベテランですよね。
幼稚園の役員さんもされていたし、小学校では本部役員(PTAの中でも役職のある立場)で、コミュニケーション能力がとてもすばらしいママさんでした。
それなのに、私の反応が微妙だったのですからびっくりしたのかもしれません。
(3)困ったときに助けてもらえることが増えた
『あだ名呼びをしているママたちには、自分のカッコ悪い姿も見せて大丈夫かもという気がしています。たとえば、下の子の風邪が自分にうつってダウン! というとき、「助けて〜」と言える。そんなとき、「いいよ! 幼稚園のお迎え、私が代わりにしておくし、夕方までうちで一緒に遊んでいるから、ゆっくり休んで!」と助けてくれる。
あだ名呼びで、「他人に甘えてはいけない」という先入観が取り去られました。その代わり自分がママたちを助けられるときは、全力で頑張ろうとも思っています』(30代/2歳と幼稚園年中の子の母)
素敵なお話でしたね。これは筆者もぜひ経験してみたいことです。
困ったとき、一番助けてもらうのは近くに住む義母か義妹ですから、今までママ友達にヘルプをお願いしたことがありません。
自分のカッコ悪い姿を見せる勇気、まだ出せませんでした。
いかがでしたか? いい大人がお互いを「○○ちゃん」呼びしていることに、否定的な考えもあると聞きました。
しかし今回はそれとは逆に、実際とてもすばらしいことがあったという実例をご紹介したわけです。
3つのエピソードそれぞれ、とてもお互いの心を広く開いて相手を受け入れているな、という感想でした。
さて、未だ賛否あることに変わりはありませんが、筆者としてはとても心を動かされるエピソードもあり、自分の元にも早くその機会がやってくればいいなと願わずにはいられません。
そのためには、今より心をオープンにしていかなくてはならないのかもしれませんね。
相手との距離を恐々と測る前に、自分の方から一歩近くに歩み寄る。そこからなにかが見えてくることに期待しています。
●モデル/貴子(優くん、綾ちゃん)、坂井由有紀(央将くん)