英語だけじゃない! “インターナショナルスクール”で学ぶメリット4つ
2017年7月6日 | よみもの英語だけじゃない! “インターナショナルスクール”で学ぶメリット4つ

みなさま、こんにちは! 海外生活25年続行中、国際結婚、国際子育て真っ只中のバイリンガル教育パパ、Golden Beanです。
いじめや不登校、学級崩壊など深刻な問題が毎日のように新聞やテレビで取りあげられ、日本の学校教育には不安がありますよね。
公立学校に通わせて大丈夫かしら? かわいいわが子がいじめられたり、登校拒否になってしまったりしたらどうしよう? “お受験”で私立に行かせようかしら?
でもちょっと待って。新しい時代は“国際化”の時代。国際社会を生き抜くためには“英語力”が必要不可欠。
そのためには、できればわが子をインターナショナルスクールでバイリンガルな国際人に育ててあげるのもひとつの選択肢かも。
そうお考えのママやパパはきっと多いのではないでしょうか?
でも、インターナショナルスクールって、どんな学校なの? どんな子どもたちが学んでいるの? インターナショナルスクールでどんなことを学べるの?
詳しく知りたいですよね。
シンガポール、オーストラリア、上海と3か国で娘をインターナショナルスクールに通わせてきた私が、自身の経験を交えつつお話しさせていただきます。

インターナショナルスクールは日本に住む外国人の子どもたちのための学校
インターナショナルスクールとは、どのような学校のことを指すのでしょうか? “英語で授業を行う学校”でしょうか?
“インターナショナルスクール”は本来、母国でない国に滞在して母国の教育を受けられない外国人の子どもたちのために設けられた学校を指すのです。
日本におけるインターナショナルスクールは、外国のカリキュラムを使用して外国人の子どものために英語で教育を行っている学校であって、日本人の子どもをバイリンガルに育てることを目的としているわけではないことをまず理解しておきましょう。
日本におけるインターナショナルスクールの歴史と性格
日本におけるインターナショナルスクールの歴史は、明治初期に始まりました。
欧米からキリスト教の布教のために来日した宣教師たちが、日本人のためのミッションスクールを作る一方で、自分たちの子どもや日本に滞在する外国人のための学校として作ったのがインターナショナルスクールの始まりなのです。
また最近では、日本に滞在する外国人の数も増え、その一方で親の仕事の関係などで海外で生活をした後日本に帰国した、日本人帰国子女をどのように学校で受け入れるかという問題が起こってきました。
在日外国人の子どもの教育だけでなく、日本の生活習慣や制度になじめない日本人の帰国子女たちを受け入れる学校としても、インターナショナルスクールは大きな役割を果たしているのです。
インターナショナルスクールで身に付くこと
インターナショナルスクールで学べることを、一つひとつ見ていきましょう。
(1)優れた英語力が身に付く
世界で共通して使われている言語は英語です。国際社会で活躍するためには、英語でコミュニケーションができることは最低限の条件でしょう。
インターナショナルスクールで子どもたち同士がコミュニケーションをとる言語は英語です。
もちろん授業も英語で行われますが、勉強としての英語だけではなく、友人との対話や遊びの中で英語に親しめるという、子どもたちにとっては絶好の英語学習環境です。
授業だけでなく日常生活も英語で行われるインターナショナルスクールという環境に身をおき、英語を体に染み込ませてしまえば、たとえその後使う機会が減ったとしても、英語を忘れてしまうということはまずないと言えるでしょう。
(2)自分とは異なる文化への理解力が身に付く
異なるバックグラウンドや国籍、文化、習慣を持つ子どもたちが、一緒に遊んだりケンカをしたりしながらお互いを知り、影響を受け合うという体験は、子どもたちにとって貴重な学びとなります。
あるとき娘が、何やら一生懸命パソコンでメールを打っておりますので、何を書いているのだと尋ねたところ、シンガポール人の友人とイタリア人の友人がケンカをしたので、双方にメールを送って仲直りをさせようとしているのだ、と答えます。
わが子ながらすごいな、私にはできないな、と感心いたしました(笑)。
友人だけではなく、教える先生方の国籍も多岐にわたっています。
娘が現在、上海で通っているインターナショナルスクールの場合、算数の先生はイギリス人、英語の先生はアメリカ人、科学の先生はカナダ人といった具合です。
話す英語も微妙に違うようで、娘はそれぞれの国の英語を、「これはブリティシュ・アクセント(訛り)。これはアメリカン・アクセント……」などと言いながら器用にまねしてみせます。
先生もそれぞれ違う文化を持っているのです。
そうした異なる人たちが集まって同じ学校で学ぶ中で、お互いの文化や習慣の違いを理解し認め合う能力が身に付いていくのです。
(3)個性尊重の教育により、個性が伸びる

子どもたち一人ひとりの個性を重視した教育もインターナショナルスクールの良さです。
たとえば、個性重視の教育をテーマにした日本の私立学校でも、1クラスの人数が40人を超えている場合があるのに対し、日本にあるインターナショナルスクールのほとんどは、1クラスの人数が20人前後です。
授業も先生が黒板の前にいて一斉授業を行う日本の学校とは違い、子どもたち一人ひとりの意見を先生がよく聞いてくれ、ディスカッションやプレゼンテーション、グループプロジェクトが盛んに行われます。
2対2で向かい合った形の4つの机が点在していたり、全部の机でひとつの馬蹄形をなしていたりする教室のレイアウトは、コミュニケーションが多方向で交差することの現れなのです。
算数などの科目では習熟度別のクラス編成を取る場合もあります。
うちの娘は算数が苦手なのですが、基礎コースクラスに入れられ、少ない生徒数の中でみっちりと補習を受けています(笑)。
さらに、クラブ活動においても、日本では練習が厳しいだけでなく先輩後輩の関係が厳しかったり、いじめがあったり、それが嫌で不登校になったりと、暗いイメージが強いですよね。
それに、3年間通してひとつの種目(野球部、サッカー部、柔道部などといったように)しか経験できないという場合がほとんどです。
一方、インターナショナルスクールのクラブ活動では、学期ごとに違った種目を選ぶことができるのです。
うちの娘は、第一学期は料理クラブ、第二学期はサッカー部、学年が変わったら今度はダンス部などと毎学期全く違う内容の課外活動を思いっきり楽しんでいます。
そんなことで上達できるのかと心配していましたが、娘はダンスが楽しかったらしく、学年も年齢も違う有志とダンス部を別に作り、学校の正規のクラブ活動が終わったあと、さらにダンスをしてから帰ってくるというエネルギッシュな生活を送っております(笑)。
子どもたちに必要以上の義務感を与えたり、プレッシャーを与えたりするのではなく、自由なのびのびとした学校生活を送らせようとするのが、インターナショナルスクールの考え方なのですね。
(4)自由の中で、守らねばならない規律を学べる
しかし、インターナショナルスクールは単に自由なだけではありません。
日本の学校と比べて、いじめや学級崩壊、不登校といった問題が少ないのは、個性を生かした教育を行っているからであることは確かだと思います。
しかし、自由を支えるための規律の厳しさも同時に持ち合わせているのがインターナショナルスクールなのです。
娘がGrade6(小学校6年生)のときのことです。クラスに、カナダ人の女の子とスウェーデン人の女の子がいました。
この2人は仲が悪かったらしく、スウェーデン人の女の子が、クラスの他の子たちに皆でカナダ人の女の子を無視しようとメールを送ったそうです。
それを知った学校は、即刻スウェーデン人の女の子を一週間の停学処分にしました。
この件に関して学校から送られてきたメールには、クラス皆で一人の子を無視するというのは、心に傷を負わせる重大な暴力行為であり、その深刻さを子どもたちに理解してもらうために厳重処分としたと書いてありました。
小学校6年生に停学一週間はいくらなんでも厳しすぎるのではないか、とそのときは思ったのですが、この事件後、その類の陰湿ないじめは学年全体で全く発生しなくなったという話を聞き、子どもたちは本当に大切なことを学んだのだなと思いました。
もしいじめの理由が相手の文化や民族性、肌の色といった外見的要素に関わることであったら、学校の対応はさらに厳しくなります。
多国籍の人々が集まるインターナショナルスクールの中において、“生まれ持った個々の特性・背景”を標的にする行為は最も卑劣な行為であるとみなされるからです。
インターナショナルスクールは自由だし、子どもたちも意見を述べることができる。
しかし、YESはイエス、NOは絶対にノー。良いことは良いし、悪いことは絶対に悪い。それがインターナショナルスクールのしつけに対する姿勢なのです。
インターナショナルスクールで学ぶメリット
(1)優れた英語力が身に付く
(2)自分とは異なる文化への理解力が身に付く
(3)個性尊重の教育により、個性が伸びる
(4)自由の中で、守らねばならない規律を学べる
いかがでしたでしょうか? インターナショナルスクールで学ぶと、どのようなメリットがあるかご理解いただけましたでしょうか?
この記事を読んだママやパパに、近くにあるインターナショナルスクールを一度覗いてみようか、と思っていただけたら幸いです。
【参考文献】
・『全国版インターナショナルスクール活用ガイド』増田ユリヤ・著
・『子どもをインターナショナルスクールに入れたいと思ったときに読む本』平田久子・著