親の英語力もお金も不要! 子どもをバイリンガルに育てる手順3STEP
2017年4月6日 | よみもの親の英語力もお金も不要! 子どもをバイリンガルに育てる手順3STEP

みなさま、こんにちは! 海外生活25年続行中、国際結婚、国際子育て真っ只中のバイリンガル教育パパ、Golden Beanです。
お子様に英語を学ばせてあげたい、とお考えのパパ、ママはたくさんいらっしゃいますよね。
「かわいいわが子が将来英語で苦労しないようにしてあげたいな」
「これからの時代、英語ができたほうが進学にも就職にも絶対有利よね」
その一方で、不安もありますね。
「パパも私(ママ)も、学生時代、英語が苦手だった。子どもに英語を教えるのは無理」
「景気が悪いのに、高い学費を出して英語を習わせるのは難しいな」
大丈夫です! パパ、ママが英語ができなくても、高いお金を払わなくても、お子様が英語が大好きになる方法があるのです!
娘を英語、日本語、中国語のトリリンガルに育てた私が、自身の経験を交えつつお話させていただきます。

“インプット”と“アウトプット”
英語学習には、大きく分けて“インプット”と“アウトプット”があります。
簡単に言いますと、
・インプット……“聞くこと”と“読むこと”
・アウトプット……“話すこと”と“書くこと”
となります。英語学習でまず必要なのはインプットです。
なぜならば、インプットしなければ、アウトプットはできないからです。まずは、インプットを十分に得る必要があるのです。
言語学者による数々の研究結果によると、3歳から7歳までに自然な英語環境の中で生活し始めた子どもほど英語の習熟度が高いということは確かな事実のようです。
この年齢までに、英語に慣れ親しむ習慣を身につける、つまり質の良いインプットを十分に得ることがバイリンガルへの第一歩なのですね。
では、各ステップごとに見ていきましょう。
第1ステップ:まずは耳から自然にインプット(1か月目〜2か月目)
ご家庭で常に、お子様の好きそうな英語の歌やラジオ放送をBGMのように流しておきましょう。とにかく英語をお子様の耳に入れてあげるのです。
たとえお子様が関心を示さなくても一向にかまいません。自然にお子様の耳は英語の音、リズム、イントネーションに慣れていきます。
BGMとして英語を流しておくだけで本当に効果があるのかしら、と不安に思われるパパママもいらっしゃると思いますが、子どもの耳は大人の想像以上に柔らかく英語の音を吸い取っていきますので、心配はいりません。
このステップでは、パパママが教育熱心なあまり、子どもに「集中して聞きなさい!」と叱りつけることがありがちなのですが、お子様が英語嫌いになってしまう恐れがありますので、叱らないよう気を付けてくださいね。
英語のインプットは、自然でリラックスした状況で行われるべきものです。
パパもママも、毎日お仕事に家事にと、本当にお忙しいですよね。でも、パパとママが忙しいそのときが、お子様の耳に英語の音をインプットするチャンスなのです。
食事の準備をしたり、お部屋のお掃除をしたり、車の運転をしたりしている間にBGMとして流れる英語のラジオや音楽が積み重なり、そばにいらっしゃるお子様は全体としてかなり長い時間英語のインプットを行うことができるのです。

第2ステップ:目からもインプット(3か月目〜4か月目)
(1)DVDや動画共有投稿サイトなどで子どもが興味のある分野の短めの英語の動画や、アニメなどを見せる
(2)1回の視聴時間は子どもが集中できる10〜20分くらいで、朝と夜の2回視聴できれば最高
幼稚園や保育園に行く前に、英語のDVDや動画共有投稿サイトなどの短い動画やアニメを見せましょう。それが楽しみになって、お子様に早起きの習慣が身に付けば一石二鳥ですよね。
動画共有投稿サイトを上手に活用すれば、お金をかけずに質の良い英語のインプットを行うことが可能です。
子ども向け番組として作成されたコンテンツは、3〜4分とそれほど長くないものが多いですから、集中力の続かない小さなお子様にも最適です。
動画共有投稿サイトで「子ども向け英語」で検索すると、歌からアニメまで実にいろいろな番組が出てきます。
英語の歌のコンテンツも効果抜群。子どもは歌が大好きですので、楽しく英語が耳に入ります。
ここでは、お子様が興味を示すコンテンツを選ぶのが重要なポイントです。
うちの娘は2歳を過ぎたころからダンスに強い関心を示しておりましたので、お兄さんやお姉さんと一緒に小さい子どもたちがダンスを踊ったり、英語の歌を歌ったりするオーストラリアで人気のあるテレビ番組のDVDを買ってきました(当時は動画投稿サイトのような便利なものはありませんでした)。
幼い娘は夢中になってテレビを見ながら踊っておりましたが、そのうちお兄さんやお姉さんの話す英語のマネをしたり、英語の歌を歌ったりするようになりました。
娘は大好きなダンスを見よう見まねで踊ったりしながら、ネイティブの英語のインプットを行っていたわけです。
子どもは好き嫌いがとてもはっきりしています。せっかくパパとママが一所懸命選んだ楽しいコンテンツでも、興味を示してくれない、という寂しいこともあり得ます。お子様ご自身にコンテンツを選ばせてあげましょう。
仮に動画共有投稿サイトでお子様が選んだコンテンツの内容が、多少パパとママのお好みに合わなくても、お子様が夢中になって見ているなら、それが最高の教材なのです。
「こっちにしなさい!」とか「こっちの方がおもしろいわよ」などと親が押しつけては、子どもが英語そのものに興味をなくしてしまう恐れもあります。
また、言語学習の助けとなる“あいまいさに関する耐久力”は、一般に子どもの方が優れているといわれています。
全部がわからなくても、興味のある内容であれば、子どもは英語をかなり長く聞き続けることができたという報告もあるそうです。
内容を理解しているかどうかを心配して、「今何て言ったの?」と動画を見ているお子様にたずねるのはやめましょう。
うちの娘も、私の「今何て言ったの?」という質問をとても嫌がっておりました(笑)。理解しているかどうかは別にして、子どもは夢中になって、英語をインプットしているのです。
第3ステップ:徐々にアウトプットにチャレンジ(5か月目〜6か月目)
子どもが英語の歌を歌ったり、憶えた英語を口にし始めたりしたら、DVDや動画投稿共有サイトなどの視聴に加えて、英語の絵本を見せてみましょう。
絵本はインプットとアウトプットの両方に有効な教材です。
「だって、パパもママも英語が上手に読めないし……」
心配しないでください! パパ、ママお二人とも英語が苦手な場合は、ネイティブスピーカーが吹き込んだCD付きの絵本を利用すればいいのです。
1文字ずつ追いながらCDを聞いて、その後に声に出して読ませましょう。上手に読めたときには「読めたね! すごいね!」と大げさにほめてあげましょう。
絵本には対象年齢が書いてありますが、これは英語を母国語とする子どもの年齢ですから、お子様の年齢よりも少し下の対象年齢の本を選びましょう。
子どもは難しいと思うとやる気を失ってしまいますから、注意が必要です。
絵本の他には、歌も効果的なアウトプットトレーニングになります。うちの娘もそうでしたが、ほとんどの子どもは歌やダンスが大好きだからです。
ただ、アウトプットさせることを決して急いではいけません。
『日本の小学校では、コミュニケーション重視ということで、クラスの子ども全員に発話させるなど、アウトプット中心の授業をしばしば見かける。発話させること自体は悪くないのだが、強制は好ましくない。十分なインプットのないままにアウトプットを急がせると、児童によっては、逆に英語を話すことへの抵抗感が増してしまうことがあるからだ。
子どもには大きな個人差があり、憶えたことをすぐに使ってみたい子もいれば、アウトプットがほとんど見られない沈黙期と呼ばれる期間を体験する子どももいるのである』
(『英語学習は早いほど良いのか』バトラー後藤裕子・著(岩波新書)より引用)
焦らないでください。子どもたちが英語を口にし始めるのは、ほとんどがインプットを始めて6か月以上経ってからです。
半年から1年くらいはインプットの期間と考え、焦らずに取り組むことがバイリンガルへの近道なのです。
国際的な英語能力試験“TOEFL”で常に上位に入っているオランダでは、小学校で英語の授業をしているものの、学習時間はわずか週1時間程度だそうです。
しかし、研究によると、幼いころからテレビで英語の映画やアニメを見ている環境が、英語習得に大きな効果を与えているとのことです。
つまり、英会話スクールに通ったり英語授業がある幼稚園に通ったりしなくても、家庭の中で英語の音に頻繁に触れていれば、英語を聞いたり話したりする基礎力を養うことが十分にできるのです。
いかがでしたでしょうか。
英語が苦手なパパとママが、お金をかけずに子どもをバイリンガルにする基礎教育方法をご理解いただけましたでしょうか?
1人でも多くのお子様が、音楽や動画で楽しく英語を学び、バイリンガルになれますように!
【参考文献】
・『5歳からでも間に合う お金をかけずにわが子をバイリンガルにする方法』平川裕貴・著
・『バイリンガルは5歳までにつくられる』三幣真理・著
・『英語学習は早いほど良いのか』バトラー後藤裕子・著