焦らずチャレンジ! 子どもが楽しく挨拶できるようになるコツ4つ
2017年3月28日 | よみもの焦らずチャレンジ! 子どもが楽しく挨拶できるようになるコツ4つ

こんにちは。子育て支援を専門にしている臨床心理士の今井千鶴子です。
もうすぐ新年度です! 大人にとっても子どもにとっても、新年度は新たな出会いが多い時期です。
社会心理学の理論の中には、『最初の印象が後の印象までを支配してしまう』と述べられているものがあります。
その最初の印象に影響する代表的なものが“挨拶”ではないでしょうか。
挨拶は簡単そうに思われがちですが、「子どもが上手に挨拶できない」というママからの悩みは意外と多いものです。
今回は、お子さんが楽しく挨拶するための4つのコツをご紹介します。

(1)挨拶の“大切さ”を話しあってみる
挨拶が苦手なお子さんの中には、“なぜ挨拶をするのか”ということについて納得しておらず、その必要性を感じていない子がいます。
挨拶をする理由(意味)が理解できたり、納得できたりすると、エンジンがかかる子もいます。
世界共通で行われている挨拶ですが、実は挨拶をする“本当”の理由は明確ではありません。しかし、挨拶の“大切さ”を伝えることはできます。
たとえば、「(小さな声で)おはよう」と言う挨拶と、「(大きな声で)おはよう」と言う挨拶をお子さんに見せ、「どっちが元気だった?」や「どっちが好き?」などと質問してみましょう。
そして、お子さんの答えから、「挨拶って何ですると思う?」と話題を広げてみるといいと思います。
お子さんたちが考える理由はさまざまですが、本当の理由などないのですから、親子が納得できる理由を考えて実践できればいいと思います。
(2)焦らず少しずつ成功体験を重ねる
挨拶と一言でいっても、行動科学からすると、実はさまざまな段階(行動)に分けられます。
たとえば、“目(顔)を相手に向ける”、“会釈する”、“笑顔を作る”、”小さい声を出す”、“大きな声を出す”などいくつかの段階に分けることができます。
心理学的には、“少し頑張ったらできる”くらいの目標がちょうどよいとされています。なぜなら、初めから完璧な挨拶を求めすぎると、途中で挫折しやすくなるからです。
もし、声を出して挨拶をするのが苦手なお子さんだったら、まずは「目(顔)を相手に向けて軽く会釈をしよう」など、過度の負担がかかりすぎない段階からスタートしてみましょう(お子さんと相談し、チャレンジできそうな内容かどうかを確認しましょう)。
焦らず少しずつ成功体験を重ねることがポイントです。そして、チャレンジしたときにはお子さんの頑張りをしっかりと認めましょう。
もしかしたら、お子さんが一番喜ぶのは、挨拶した相手から「上手に挨拶できるね」などと褒められることかもしれません。ただ、残念ながらそういう機会は少ないと思います。
そんなときはママから「(挨拶の相手が)笑顔になっていたね」「○○ちゃんが挨拶するのを(挨拶した相手が)すごいなっていう顔で見ていたよ」「○○ちゃんが元気に挨拶するのを見て、ママまで元気が出たよ」など、挨拶した結果を子どもに伝えてみるのもいいですね!
そのようなママからの言葉がお子さんの挨拶へのモチベーションや自信へとつながっていくと思います。
(3)挨拶のレパートリーを増やす
挨拶が大切なことはわかっていても、“いつ”“どんなこと”を言ったらいいのかわからないお子さんもいます。
そんなお子さんとは、場面ごとにどんな挨拶をしたらよいのか話し合ってみましょう。
たとえば、「朝(昼・夜)はどんな挨拶をする?」「友達の家に遊びに行くときにはどんな挨拶をする?」「職員室に入るときにはどんな挨拶をする?」など、お子さんが経験しやすい場面をクイズ形式で考えてみましょう。
特に不安が強いお子さんや恥ずかしがり屋のお子さんの場合には、ママやパパと事前に作戦会議をしたり、実際に練習したりすることで、自信を持って挨拶できると思います。
(4)ママやパパが挨拶のモデルとなる
いくらママがお子さんに「挨拶しようね」と言っても、ママ自身が挨拶をしていなければ、お子さんの挨拶行動は身につきません。
挨拶ができる子になってほしいなら、まずはママが率先して明るい挨拶を心がけましょう。
また、意外な盲点としては“パパ”の存在があります。たとえママが明るい挨拶を心がけていても、パパが挨拶をしなかったり、適当にしたりしていては挨拶の大切さは伝わりません。
子どもは何より“矛盾”を嫌う存在ですので、一貫して素晴らしい挨拶を心がけましょう。家族みんなで気持ちのいい挨拶をしていれば、「挨拶っていいな」と自然に思えるはずです。
さらに、ママやパパ以外にも、お友達や絵本、アニメなどのキャラクターをお手本のモデルとして紹介するのもおすすめです。
いかがでしたか? 今回はお子さんが楽しく挨拶するための4つのコツをご紹介しました。
明るく挨拶をして、楽しい新年度をスタートさせましょう!