放任も介入もしない! 子どもの自立を目指す“アドラー式子育て”の方法
2017年3月9日 | よみもの放任も介入もしない! 子どもの自立を目指す“アドラー式子育て”の方法

こんにちは、保育士ライターのyossyです。
書籍やドラマの『嫌われる勇気』で話題になった“アドラー心理学”。近年、「アドラー式子育て」という言葉もよく聞かれるようになりました。
どのような子育て法なのでしょうか。メリットとともにご紹介します。

『嫌われる勇気』で注目されるようになったアドラー心理学
アドラーというのは、オーストリア出身の心理学者・精神科医です。
有名な『嫌われる勇気』の著者(古賀史健氏との共著)でもある岸見一郎氏は、『子どもをのばすアドラーの言葉 子育ての勇気』のなかで、『子育ての目標は“自立”である』と述べています。
そのためには下記の3つがポイントになるそうです。
・子どもが自分で決められる
・子どもが自分自身の価値を決められる
・自己中心性から脱却する
アドラー式子育てを実践すると、上記のようなメリットが得られるということですね。どれも、社会で人として強く生きていくために重要なことです。
また、子どもとの関係性に悩んでいる場合は、関係性がよくなるケースも多いようです。
叱る子育てとも、褒める子育てとも違う
親は、ついつい「子どものため」という言葉を言い訳にして叱ってしまいがちですね。そんな子育て法はよくない、ということで、近年は褒める子育てがよく注目されています。
アドラー式子育てにおいても、叱ることは即効性はあるが、結局親が怖いから行動をやめているだけ。長期的にみれば子どもの行動を変えられないことから、有意ではない、としています。
しかし、褒めるのも違うのだそうです。
褒めることで気分はよくなりますが、人間、いつも褒められるべき状況におかれるわけではありません。また、一生褒めてくれる人がそばにいるわけでもありませんね。
“子どものため”は本当に子どものため?
あらかじめ子どもの行動を決めてしまったり、親の言うことを無理に聞かせようとしたりすることは、本当に子どものためでしょうか。
また、褒めているとき、子どもに対して上から目線で接していないでしょうか。
子どもと対等な目線で話をするように心がけることが、子育ての大事なポイントになるそうです。体罰など、もってのほかですね。
子どもに介入せず、でも放任はせず、「いつでも援助する用意はあるよ」と寄り添うのがアドラー式です。
普段の勉強や、進学、習い事、友人関係などで決断を迫られたとき、あるいは問題が起きたとき、決めるのは子ども自身。
親は先回りして考えてしまうでしょうが、子どもの人生なので、“我が事”として考えすぎないことが大切です。
例えば、子どもが勉強をしないときに、「勉強しなさい」と言うのは踏み込みすぎ。
勉強についてどうしたほうがいいのか対等に話し合うことや、そもそも勉強が楽しいものであるということを子どもと共有することが大切だというわけです。
そして、「勉強する」という意思表示を子どもがしたら、親は本当に信じてあげるのです。
子どもはいずれ親から自立し、自分の力で生きて行かなくてはいけません。
アドラー式子育ては、頭では理解できても実践が難しいと感じる部分も多いでしょう。まずは、頭ごなしに叱るのをやめることから始めてみてはいかがでしょうか。
【参考文献】
・『子どもをのばすアドラーの言葉 子育ての勇気』岸見一郎・著