給料減るだけ? 月末金曜に早く帰る“プレミアムフライデー”への賛否
2017年1月10日 | よみもの給料減るだけ? 月末金曜に早く帰る“プレミアムフライデー”への賛否

『プレミアムフライデー』という言葉を耳にしたことはありますか?
これは、毎月末の金曜日は15時に仕事を切り上げ、その後の時間をちょっぴりプレミアムな余暇や消費活動にあてようという取り組みです。
各地のショッピングセンターや商店街などにさまざまな企画をしてもらい、買い物や外食、旅行など幅広い分野の消費を喚起するのが狙いとされていますが、実際に働く人たちからは賛否両論が渦巻いているようです。
今回は、プレミアムフライデー構想についてどう思うか、街の声を集めてみました。

『家族で旅行したい』『子連れでできないことを楽しみたい』……賛成派の声
この施策を発案した『プレミアムフライデー推進協議会』は、経済産業省や経団連を中心に構成された協議会です。
このため、積極的な導入は公務員や大企業から始まるのではないかといわれています。
早めの導入が見込まれている企業で働く人の中には、プレミアムフライデーを楽しみにしているという声があるようです。
『いつから、どのようにスタートするかといった具体的な話はまだ出ていませんが、我々にはおそらく早々に、試験的な導入がされるだろうと思います。僕は今からワクワクしてますよ。15時に職場を出て、ターミナル駅で家族と待ち合わせれば、金曜日から旅行ができますよね』(30代男性/団体職員)
毎日目まぐるしく働いているワーキングマザーからは、こんな賛成意見が聞かれました。
『せいぜい3時間程度しか早上がりできないのですが……それでも自分のためだけに使えれば、ずいぶんリフレッシュできると思う。カフェで本を読んだり、マッサージに行ったり、デパートでゆっくり服を見たりと、土日に子連れでできないことをしたいです』(30代女性/通信業)
たしかに、少しでも自分の時間を持ちたいというのはワーママたちの熱い願いです。30分でも嬉しいところ、3時間もあると思えば夢は広がりますね。
専業主婦で頑張っているママさんの中にも、賛成の声が散見されています。
『夫が激務、親も頼れないわが家。ワンオペ育児で限界です。プレミアムフライデーで、月に一度でも夫が早く帰ってきてくれたらどんなに助かるか……』(20代女性/専業主婦)
プレミアムフライデーが、家族で過ごす時間を作るいいきっかけになるといいですね。
『どうせ休日出勤になる』『誰もが帰れるワケじゃない』……反対派の声
一方で、プレミアムフライデーに反対する人たちも多いようです。
反対派の代表的な意見がこちら。
『金曜日、仕事が片付かないまま帰宅させられる。その結果、土曜日に休日出勤せざるを得なくなる。まあ、休日手当がつくだけマシなのかもしれないけど……』(20代女性/製造)
『早く帰った分だけ給料が減るので反対。消費行動を促進って言われても、お金ないから遊べないし。さっさと帰ってネットするか、寝るしかない。ないですよ』(20代男性/販売)
また、月末の金曜日に早く帰ることができない業種・部署で働く人たちの存在を忘れてはいけません。
サービス業、医療職、教員や保育士など、プレミアムフライデーと無関係の仕事は非常に多いのです。
『商社で経理やってます。月末の金曜に早上がり? できるわけありませんよ(笑)。国のエライ人ってそんなことも分からないんですかね』(40代男性/商社)
『配送員ですが、これほど僕たちに無関係な制度はないですね。金曜日の15時以降、物流止まってもいいですか? 通販で買った商品が届かなくてもいいですか? イヤでしょ? 誰しもがプレミアムフライデーを楽しめる業界で働いているわけじゃないし、プレミアムを享受できる人がいるのは、その日に汗水流して働いている人がいるから。それを無視しているこの制度、イビツですよ』(30代男性/運輸)
さらに、政府が計上した予算額に疑問を投げかける声もありました。
『このプレミアムフライデー、広告費とかで2億円くらい使っていると聞きました。もちろん、財源は私たちの血税ですよ。そんなに使って、果たしてどれくらいの効果があるのか。強い疑問を感じました』(30代女性/医療関係)
ここまで賛否両論が分かれているように、問題は山積していそうなプレミアムフライデー。
夏の定番として既に定着している『クールビズ』のように、官民問わず全国的に浸透させたいという狙いもあるようですが、果たしてうまくいくのでしょうか。
2017年2月末、この施策がどのようにスタートされるかに注目ですね。
●文/パピマミ編集部
●モデル/前田彩(桃花ちゃん)