親の接し方で変わる!? 子どもが人見知りにならない育て方のコツ
2016年12月29日 | よみもの親の接し方で変わる!? 子どもが人見知りにならない育て方のコツ

こんにちは。心理食育インストラクターのSAYURIです。
「自分の子どもには友達がたくさんいる明るい子どもに育って欲しい」多くの親御さんがそう望まれているかと思います。
その一方で、お子さんの人見知りに悩む親御さんも少なくありません。
そこで今回はお子さんを人見知りにしないための育て方について心理学からご紹介したいと思います。

乳幼児期の人見知り
赤ちゃんの人見知りは早い子で生後5か月ごろから始まり1歳くらいでおさまるケースから、1歳を過ぎて始まり2〜3歳でおさまるケースまで、非常に個人差があるようです。
かつて人見知りは母親と他人の区別がつくようになった証だと言われていましたが、そうではないことがわかっています。
『東京大学』の岡ノ谷一夫教授らの研究によると、人見知りの強い赤ちゃんは人見知りをしない赤ちゃんよりも相手の目を見る時間が長く、相手と目が合ったときに凝視するような目の動きをするとのこと。
そして人見知りの赤ちゃんは相手の視線や顔の向きに敏感なのではと考え、自分と向き合っている顔とよそ見している顔を見せたところ、よそ見している顔を長い時間みていたというのです。
このことから、乳幼児期の赤ちゃんの人見知りは相手に近づきたいけれど、相手から離れたいという感情が複雑に入り乱れた状態であることがわかったそうです。
この研究結果から考えると、赤ちゃんの人見知りに対しては、「びっくりしたね!」などと過剰な反応を見せず、「大丈夫だよ。優しい人だからね」とお母さんが優しく抱きしめながら語りかけてあげることが大切だと考えられます。
学童期の人見知り
成長して学童期になっても人見知りをする場合は、相手にどう思われるかが気になって仕方ない、嫌われたくない、否定されたくない、傷つけられたくないという心理から自分を守るために人に近づくことを恐れてしまうことで人見知りをする傾向が強くなります。
自分に自信がないとそう考えてしまうのは、大人になっても変わらない傾向があります。ではどうしたらいいのでしょうか?
物心がついたころから、することなすこと、「そんなことしちゃダメでしょ!」「そうじゃなくて、こうでしょ!?」「どうしてそんなこともできないの!?」と頻繁に親に言われたら、自分に自信のある人に育つでしょうか?
当然、自分に自信がなくなり、他人からどう思われるかが心配で仕方なくなってしまいますよね? そこで、言葉の置き換えをしてみてはいかがでしょうか?
「そんなことしちゃダメでしょ!」は、「そんなことしたらどうなるかな?」に。
「そうじゃなくて、こうでしょ!?」や「どうしてそんなこともできないの?」は、「どうしたらうまくできるかな?」と自分で考えて答えを出すような声掛けに。
そうすることで、子どもは自分で考え答えを出してその成功体験から自信を積み重ねていきます。
1度や2度失敗しても、「そのやり方じゃうまくいかなかったね。次はどんなふうにやってみる?」と根気よく見守る親の努力も必要となってきます。
「子どもだからわからない」は大人の思い込み
子育てのご相談を受ける中で、「子どもだからまだわからないだろうし」という言葉をよく耳にしますが、それは大人の勝手な思い込みに過ぎません。
まもなくお正月ですが、たとえばおじいちゃんおばあちゃんの家に行ったとき、子どもは誰におねだりをしますか?
一番自分に優しいおじいちゃんやおばあちゃんのそばに行き、甘えていませんか?
子どもは大人が思っている以上に大人を観察し、自分にとって優しい人なのか厳しい人なのかを見切って行動しているのです。
そして大人の言葉をちゃんと理解しています。
理解しているからこそ、ダメ出しをし、子どもに考えることをさせないでいると、自分に自信が持てず他人からどう思われるかばかりを気にして、傷つくのを恐れ、人見知りになってしまうのです。
子どもに考えさせるというのは大人にとっても根気のいることですが、育児は育自だと思ってお子さんと一緒に成長してくださいね。
【参考文献】
『面白いほどよくわかる臨床心理学ーストレス社会が引き起こす心の病をケアする手がかり』稲富正治・著
●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)
●モデル/藤本順子(風悟くん)