ママモデル宮平亜矢子さんインタビュー :1010gのベイビーへ。予定日よりも早く産まれてきた赤ちゃんとの過ごし方
2016年12月26日 | よみものママモデル宮平亜矢子さんインタビュー :1010gのベイビーへ。予定日よりも早く産まれてきた赤ちゃんとの過ごし方

宮平亜矢子さんは、モデルの傍ら、フラワースクール主宰やイベントプロデュースなど、出身地でもある沖縄を中心にさまざまな分野で活躍しています。また、プライベートでは2人の男の子を育てるママでもあります。
仕事と子育ての両立を日々楽しんでいるそうですが、長男の出産時は早産を経験されたとのこと。
今回は、宮平さんから「これからママになる女性や、いま同じような経験をしているママのために、少しでも役に立てることがあれば」とお声掛けいただき、ご自身の経験をもとに、出産時のお話や、早めに産まれてきた赤ちゃんとの過ごし方についてインタビューさせていただきました。
宮平さんの出産ストーリー
—最初に、宮平さんの出産時のご経験について教えてください
長男が27週と5日で産まれてきました。通常、赤ちゃんは37~42週くらいでお腹から出てくるので、早産ということになります。
体調に気をつけて仕事をしていたつもりだったのですが、あるとき破水して病院に行ったところ、すぐにNICU(新生児集中治療室)がある病院に運ばれ緊急入院となりました。
—その時、どのようなお気持ちでしたか
実は、病院に行った時点では不安は感じていませんでした。気が付くかどうか程度の破水だったので、病院に行ったのも「念のために、かかりつけの先生に診ていただこう」くらいの気持ちだったんです。
それが、とても危険な状態にあることがわかり、目の前が真っ暗になりました。お医者さんに「現在の周期だと肺の機能が完成していないので、無事に産まれたとしても脳に障がいが出てしまうかもしれない」と言われ、仕事を続けていた自分を責めました。
それからは、お腹の子に「今までごめんなさい。少しでも長くママと一緒にいてね」と語りかけながら、病院で安静にして過ごしました。
—それから数日後に、ご出産されたんですね
はい。入院中は母親の精神状態が赤ちゃんにも影響すると言われたので、なるべく穏やかに、無事に外に出てきてくれるイメージを持って過ごすようにしました。
そして、数日後に陣痛が。私の場合は、陣痛が始まり半日くらいで出産となりました。1010gという小さな赤ちゃんでしたが、元気いっぱいの産声が聞けて、本当に嬉しかったです。息子は対面後すぐにNICUに入りましたが、その後、保育器の中で初めて抱っこすることができました。

△ 産まれたばかりの赤ちゃん
—その後、退院まではどんな風に過ごされましたか
事前に入院して適切なケアを受けられたおかげで、最も危険な状態は脱することができたのですが、経過観察の過程で「未熟児網膜症」と診断されてしまいました。1500g以下の超低体重児に起こりやすく、重症になると網膜剥離を併発して失明にいたることもある病気です。
そのためのレーザー治療を受けながら、日々、体重が減らないように搾乳してNICUまで届けて(※)いました。産まれたばかりのわが子が治療を受ける様子を見るのが辛い時期もありましたが、通院日記をつけて家族と共有したり、NICUのスタッフさんや同じ先輩ママたちに励ましてもらったりすることで、少しずつ気持ちを整えていくことができました。
ゆっくりですが確実に成長している息子からも、たくさんの勇気をもらったと感じています。大変なことをたくさん乗り越えて、無事に産まれてきてくれた。ただもうそれだけで幸せだと思えるようになったんです。それから2か月半の入院生活を経て退院しました。
※小さく産まれた赤ちゃんは直接ミルクが飲めないため
赤ちゃんとの暮らしを大切にするため、心がけていたこと
—赤ちゃんとの暮らしのなかで、大切にされていたことはありますか
はい。これは、今も変わらずなのですが、4つのことを大切にしています。
1. わが子の生命力を信じる
母親になって最初に意識したのは、子どものすべてを受け入れ、わが子の生きる力を信じることです。成長がゆっくりなことも、向き合う時間ができたと考えて感謝するようにしました。過去ではなく未来に目を向けることで、子どもも私も穏やかに過ごせるようになったと思います。
2. ときには、家族や友人に甘える
前向きな気持ちでいようと心がけていても、落ち込んだり悩んだりすることもあります。そんなときは、家族や友人に甘えることもありました。たわいもない話をしたり、子どもをみてもらっている間に夕食の買い物に出たりして気持ちを切り替えていました。
自分ですべてを背負いこもうとしても、必ずどこかで無理がでてきます。大切な人たちのおかげで、辛い時も頑張ることができました。
3. わからない事はきく
初めての出産はわからないことだらけ。不安を感じたら、素直に質問をしてひとつひとつ解消していくことが大切だと思います。
医師や、身近にいる先輩ママから正しい知識を得る、頻繁には会えなくてもSNSなどで同じような環境にあるママと交流するなど、自分なりの支えを見つけることも大事だと思います。
4. 他と比べない
早く産まれた赤ちゃんに限らず、子どもの発達はひとりひとり違います。私自身、「まあ!小さな赤ちゃん!」「首がすわるのが遅いんじゃない?」など、何気なく発せられた言葉に傷つくこともありましたが、わが子の成長過程を丁寧に見つめて楽しもうと考えるようになってから、気持ちが穏やかになりました。
最後に
—貴重なお話、ありがとうございます。これからママになる女性や、早く産まれた赤ちゃんのママにメッセージをいただけますか
小さく産まれてきた息子ですが、今は元気に学校に通っています。お友達もたくさんいて、帰ってくると毎日いろいろなことをおしゃべりしてくれます。
産まれた時の影響で視力が悪いので、日常生活のなかで少し不便を感じることもあるようですが、力をあわせて一緒に前に進んでいます。入院した時の気持ちは永遠に忘れることはありませんが、だからこそ、息子との時間は一瞬も無駄にせず、大切に過ごしていきたいと思っています。
子育てを通して、日々、信じること、向き合うこと、相手も自分も大切にすることなど多くのことを学ばせてもらっています。
子育てをしていると、思うようにならないことや困難に直面することもあり、つい、色々なことを子どもに望んでしまいそうになることもあります。でも、そんなときは、息子を迎えた時に心の底から感じた「産まれてきてくれて、ありがとう」という気持ちを思い出すようにしています。これは、心を軽くしてくれる魔法の言葉。不安な時に思い出すと、前向きな気持ちになれると思いますよ。
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●文/パピマミ編集部