賛成or反対? “できたら婚”に対する現役ママたちの本音6つ
2016年11月30日 | よみもの賛成or反対? “できたら婚”に対する現役ママたちの本音6つ

こんにちは、ママライターの木村華子です。
“できちゃった婚”は、これまでさまざまな批判にさらされながらもジワジワと数を増やしてきました。
厚生労働省の『出生に関する統計(平成22年度)』によると、できちゃった婚の割合はなんと25.3%!
およそ4人に1人が婚前妊娠を機に結婚へ踏み切っているのです。
芸能人においては、もはや入籍と妊娠がセットに報道されても驚くことがなくなった感がありますね。
そんなふうにデキ婚へのバッシングが緩和されている昨今、あらたに“できたら婚”というスタイルが誕生していることをご存じでしょうか?
“できたら婚”と“できちゃった婚”との違いは、「赤ちゃんができたら結婚しよう」という約束が存在したかというのがポイント。
従来存在していたデキ婚といえば、単に“妊娠しちゃったから結婚する”というシンプルなものでした。
これに対し、できたら婚は入籍前のカップルが妊娠することを目指して妊活し、赤ちゃんができたら結婚する……というもの。
これまでのデキ婚にはなかった計画性さえ感じさせる、“大人なデキ婚”というイメージのスタイルですね。
とはいえ、感じ方は人それぞれでしょう。いくら計画性のあるスタイルとはいえ、マイナスイメージをもっている方はまだまだいらっしゃるはず。
同じように母親として育児を行うママたちにしてみれば、主張もさまざまなのではないでしょうか。
そこで今回は、現役ママたちによる“できたら婚への賛否”についての取材を行いました。

できたら婚を肯定するママたちの声
(1)授かったことはおめでたい。中絶するより良い
『どんな状況であれ、赤ちゃんを授かったことはおめでたい。それが結婚前であっても、まずは新しい命をお祝いしてあげたい。
しかも、前もって「できたら結婚しよう」と約束してるってことは、生活やお金の問題をすでにクリアしてるってことでしょ? 何も問題はない。ひたすらおめでたい話だと思うけど……。中絶を選択するカップルと比べれば、何億倍も正しいはず』(20代・小1のママ)
妊娠は紛れもなくおめでたいことです。この意見は、これまで“できちゃった婚肯定派”からも挙がっていた声ですね。
しかしその主張に対し、「お金は? 生活は?」というバッシングが存在していました。
ところが、できたら婚の場合、できたら結婚しようという約束を交わせるだけの信頼関係があり、しかも金銭問題もクリア済みであることが伺えます。
(2)年齢を重ねたカップルが結婚を決意するきっかけになると思う
『私自身がデキ婚。できちゃった婚の方。独身時代は子どもなんて絶対欲しくないと思っていたし、結婚もまだまだ先だと考えていたんだけど、うっかり20代前半の適齢期に妊娠が発覚して結婚した。デキ婚は離婚率が〜とか言うけど、私たち夫婦は今でも仲良し。その後2人産んで、家族楽しく暮らしてる。
できたら婚はそんな私たちよりもよっぽど真面目で計画的な印象がある。できちゃった婚でもこれだけ幸せな家族になれたんだから、できたら結婚しようと約束しあえる仲のカップルなら間違いなく幸せになれそう。もちろん、ハズレくじ(離婚してしまうなどのケース)もあると思うけど、ハズレくじはデキ婚以外にもある』(30代・小2のママ)
自身ができちゃった婚! という貴重な生の声です。確かに、妊娠が結婚前だろうが結婚後だろうが、ハズレくじを引いちゃった方は存在します。
“計画的に子どもを作った”という側面を見れば、できたら婚は決して無計画でも無責任でもないのかも……。
(3)合理的。離婚しない限りバッシングされる筋合いは無いでしょ
『たとえばお付き合いが長くて、自分も仕事してて、いつでも会える距離にいて……という場合、女性側にとっても入籍するメリットを感じられないことってあると思う。そうなれば、結婚の意味なんて“子ども”しかなくなる。かといって今の時代、望めば誰しもが授かれるワケじゃない。
自分と彼とのあいだに子どもができたという事実がなければ結婚することに意味を見いだせないなら、できたら婚が一番合理的な選択だと思う。デキ婚というだけで叩く人っているけど、事情は人それぞれだし、離婚して子どもを不幸にしない限りはバッシングされる筋合いもないでしょ』(40代・年長児のママ)
結婚は、新たな親戚付き合いや舅・姑との関係、生活臭の強いお金の問題などなど、独身時代にはなかったさまざまなしがらみに身を投じることでもあります。
自立した女性の中には結婚=自由を脅かす行為だと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結婚への価値観は人それぞれですが、目的が子どもであるのなら、できたら婚が確かに合理的だといえそうですね。
できたら婚を否定するママたちの声
(1)印象が悪いし、覚悟が足りていない感じ
『できちゃった婚がこれだけ長いあいだバッシングされているんだから、わかれよって感じ。デキ婚=だらしない人という印象を持つ人は少数派ではない。叩かれて嫌なら、しなきゃいいのにと思う。
「できたら結婚しよう」って、じゃあ今すればいいじゃない。面倒なことを先延ばしにしたいだけにしか感じられないし、結婚する勇気も親になる覚悟も足りていない』(40代・小2のママ)
できちゃった婚やできたら婚とかではなく、もう“婚前に妊娠すること”自体がNG! というママによる意見です。
「できたら結婚しようと言うくらいなら、今結婚しろよ」とのこと。たしかに、ごもっともかもしれません。
結婚は幸せだけでなく、面倒や苦痛がセットになってやってきます。
それを乗り越える覚悟不足を指摘する声は、できたら婚を選択する立場の人にとって耳の痛い意見なのではないでしょうか。
(2)そんなこと言う男は、妊娠した途端に逃げそう
『「できたら結婚しよう」って言い出す男性の方に嫌悪感がある。こんなことを言い出す人の口約束なんて信じられない。妊娠した途端に「やっぱムリ」って逃げられそう。妊娠するのも出産するのも女性。そして万が一彼に逃げられたときには育てるのも女性なのだから、こんな重要な約束は簡単にするべきじゃない』(30代・年少児のママ)
この可能性は……なきにしもあらず。
できたら婚を目指して妊娠した後に、「やっぱムリ」と逃げていく彼氏を想像してはらわたが煮えくり返りそうになった意見です。
恋愛に盛り上がっている最中、まともな覚悟もなしに「できたら結婚しよう」とか言っちゃう男性っていますよね……。
一時の感情の高ぶりで人生を棒に振ってしまう可能性もゼロではありません。
ぜひ女性は冷静に、彼の覚悟が本物であるのかを見極めておく必要がありそうです。
(3)“妻”が欲しいんじゃなくて、“母親”を欲している点が気に入らない
『多分、できたら婚を望む男性は、彼女に“妻”や“女”ではなく、“母親”や“子持ちの俺”を求めているんじゃない? 本当に彼女のことが好きで女性として愛しているのであれば、できたら婚なんて選択肢はとらないと思う。
子どもができなかったらずっと結婚しないつもりなのかな? 完全に女の人生をナメてる。“結婚して妻子を持った俺”と“母親となった妻”がそろわなきゃ結婚する意味が無いってことだよね? それを言われてうれしいと感じる女性がいるのかも疑わしい』(30代・小3のママ)
上記(「そんなこと言う男は妊娠した途端に逃げそう」)の意見にも言えることですが、できたら婚を希望する男性への不信感や嫌悪感があるようです。
たしかに、できたら婚を行う男性はどんな思いでいるのでしょうか。
もし、女性のことを子どもを産むための道具だと思っているのだとすれば……結婚はおろか、お付き合いも考え直させる要因かもしれません。
できたら婚は、“相手は決まっているけどタイミングが決まらない”カップル向き!
私自身の意見を言えば、できたら婚に賛成です。
全てのカップルに当てはまるとは限りませんが、妊娠が結婚を後押しして幸せになるケースもたしかに存在しています。
幸せになれたのであれば何の問題もないはずですよね。その足掛かりとして、新しい命の力を借りることも悪いことではありません。
しかし、これに“相手は決まっているけれどタイミングが決まらないカップル”という条件を付け加えさせてください。
結婚は、人生をともに歩むパートナーを決定させる重要なイベント。「妊娠したから〜」と軽はずみにするべきではないとも思うのです。
本当に彼でいいのか……できたら婚を目指す前に、ぜひ冷静に見極めることをオススメします。
【参考リンク】
・平成22年度「出生に関する統計」の概況 | 厚生労働省
●ライター/木村華子(ママライター)