庶民には関係ナシ!? マンション高層階での増税に対する意識調査
2016年11月7日 | よみもの庶民には関係ナシ!? マンション高層階での増税に対する意識調査

高層マンション、いわゆる「タワマン」と呼ばれる物件の購入によって節税する人が増えています。
固定資産税や相続税を算定するときに基準となる“固定資産税評価額”は、マンション1棟の評価額を床面積で割るという方法がとられるため、これまでは同じ面積であれば階数に関係なく税金が同額となっていました。
つまり、高層階では取引価格に対する税金が安いことになるのです。
この不公平感をなくそうと、2018年以降に引き渡す新築物件を対象に、20階建て以上の高層マンションについて高層階の固定資産税と相続税の引き上げが検討されています。
タワマン購入によって節税を考えていた人たちにとっては行く末が気になるところではないでしょうか。
そこで、パピマミ読者のみなさまに「タワマン増税についてどう思う?」というアンケートを実施しましたので、その結果を見てみたいと思います!

タワマン増税についてどう思う?
・1位:2018年以降ではなく既存のマンションにも適用すべき……40%(73人)
・2位:富裕層にしかできない節税対策がなくなって喜ばしい……23%(43人)
・3位:不公平感がなくなっていいと思う……16%(29人)
・4位:なんとも思わない……13%(23人)
・5位:高層階に住む人が減るから税収の総額が減ると思う……4%(7人)
・6位:年間数万〜数十万円の差だからあまり影響はない……3%(6人)
・7位:タワマンで節税を考えていたので困る……1%(2人)
※有効回答者数:183人/集計期間:2016年11月3日〜2016年11月4日(パピマミ調べ)
既存のマンションにも適用してほしいという声が最多
『現行の制度を前提に買った人に対して「やっぱり変えます」というのは難しいと思うけど、気持ちとしては既存のマンションにもこの新しい制度を適用してほしい。不公平感をなくすという意味ではね』(40代男性/営業)
『今の制度がおかしいってことで変更しようとしてるんですよね? だったら今すでに建てられてるマンションにも適用するのが正しいと思いますけど』(30代女性/主婦)
実際に変更が検討されているのは2018年以降ということで、すでに購入済みの人には関係のないことと言えそうですが、現行制度に不公平感があるだけに、既存のマンションにも等しく適用してほしいという声は多いようです。
特に、高層階の人が増税になるということに加え、低層階の人にとっては減税となるため、低層階の人にとっても気になるところ。
しかし、不公平感があるとはいえ、税制のルールを守りながらマンションを購入したことに変わりはありません。
それをさかのぼって適用しようとするのはやはり無理があると言えるでしょう。
歓迎すべきこととした人は4割近く
『きちんと定められたルールにのっとってやってるとはいえ、高層階を買えるのなんて富裕層だけでしょ? 誰にでもできるわけじゃない節税対策があるというのは、やはり好ましくないですよね』(30代男性/自営業)
『不満を持たれやすい税金のことは、公平であることがなにより大事。歓迎すべきことだと思います』(50代男性/アパレル)
マンションの高層階を購入し、それによって節税の効果を受けられるというのは、まず高層マンションを購入できるだけの資金がなければなりません。
つまり、タワマンを使った節税は富裕層にしかできないということ。
すでにお金を持っている人を優遇するかのような制度に不満を持っていた人も多く、制度変更は多くの人にとって歓迎すべきことと受け止められているようです。
自分には関係のないことと感じる人も
『実際にタワマンを購入しようとする人には重要なことだと思うけど、そんなの一握りの人だけ。どうでもいいというのが正直なところです』(30代女性/事務)
『税制が変わるといっても、年間で数万円から数十万円の差ですよね。タワマンを買えるようなお金持ちにとっては誤差みたいなものじゃないですか?』(40代女性/編集者)
総務省が検討している新しい制度によれば、評価額5,000万円の建物が5,500万円へとアップした場合、固定資産税は70万円から77万円へと増えることになるようですが、その差は7万円。
この差を安いと見るか高いと見るかは人によるでしょうが、「タワマンを購入するだけの資金がある人にとっては誤差にすぎない」と感じる人がいてもおかしくはありません。
そもそも高層マンションに住んでいない人にとってはあまり関係のないことで、「どうでもいい」という回答もうなずけます。
既存のマンションにも適用がないことから、注目する人はそれほど多いとは言えないでしょう。
いかがでしたか?
2015年に相続税が引き上げられたことで人気の高まったタワマンでの節税。
制度の抜け穴を付くようなものと言えるだけに、国も対策を検討せざるをえなくなったのかもしれません。
不公平感がなくなれば、税金も気持ちよくおさめられるはず。
これからの購入を考えていた人にとっては痛い変更かもしれませんが、「やっと正しい制度になった」とも言えるのではないでしょうか。
【参考リンク】
・【アンケート結果(1位〜7位)】タワマン増税についてどう思う?
●文/パピマミ編集部