先入観なしで有利? 乳幼児期に英語を学ばせるメリットと効果的な学習法
2016年10月28日 | よみもの先入観なしで有利? 乳幼児期に英語を学ばせるメリットと効果的な学習法

こんにちは、海外在住プロママライターのさとうあきこです。
いま日本では英語教育の必要性が叫ばれています。幼稚園や保育園で英会話レッスンを取り入れることが増え、幼児期の習い事として英会話スクールに参加する例も少なくないようです。
小学校や中学校ではネイティブによる英会話クラスも設置されています。それでも、日本における英会話力は決して十分な伸びを見せていません。
なぜなのでしょうか?
英語は言葉です。日本で生まれ育てば、平均して3歳くらいまでに日本語を話せるようになり、それが英語圏であれば英語を話せるようになります。そこに、特別な学習は必要ありません。
この当たり前な前提をもとに、乳幼児への英語教育の効果と、家庭で親たちにできることについてまとめてみました。

乳幼児期は異文化への抵抗がない
大人になってから外国語を学ぶことが非常に難しいとは誰もが知っていることです。でも、乳幼児にとっては日本語も外国語も土俵は同じです。
生活の中で自然に聞こえてくる言葉、それが日本語であれば日本語を、英語であれば英語を自然に学び取っていきます。
大人にとっては異文化な英語も、乳幼児にとってはなんの抵抗も感じない一つの言葉に過ぎず、自然に受け入れることが可能なのです。
三つ子の魂百まで
これは、幼いころに培われた性質が一生変わらないことを意味することわざですが、実は言語にも当てはめることができます。
乳幼児期に培われた言語は、その後何らかの事情で使わなくなり忘れてしまったとしても、ゼロになることはなく、記憶の中に残っていくと考えられています。
ある人は、日本でごく一般的な教育を受けて成人しましたが、海外旅行先で英語を耳にしているうちに、相手の英語がよく分かるようになり「発音がいいね」と言われたといいます。
帰国後それを両親に話したところ、幼稚園で1年間ネイティブ教師の英会話授業を受けていたことが分かって納得したそうです。
ポイントは英語に触れる量
英語を習得するために、乳幼児に“ガリ勉”をさせても大きな効果は期待できません。彼らに暗記や応用を求めるのは酷です。では、何が大切かというと、それは英語に触れる量。
英語圏で育つ、片親が英語を話すなどの環境でバイリンガルが育ちやすいのは当たり前の事実です。これは、英語に触れる量の多さが大きく影響を与えています。
乳幼児の英語教育を成功させるポイントは一つ。英語に触れる量の多さにあると言っても過言ではないのです。
耳から入り、目で確認して口から出す
英語圏の乳幼児が英語を学ぶ場所は主に家庭と幼稚園などの教育施設です。
そこでは、英語で話しかけられ、英語の歌を唄い、英語のテレビや絵本を見て読んで過ごします。これを、日本での生活にどれだけ持ち込めるかがカギとなります。
親がネイティブ英語スピーカーでなければ、英語で話しかけることは難しいでしょう。そこで、英語のアニメや簡単なゲームなど、聴覚と視覚に訴える材料を使うのがおすすめ。
絵本はCD付きを選び、絵を見ながら何度も繰り返して聞きましょう。親も一緒に学び取るつもりでつきあいます。
これらに、1日1時間を費やすか、3時間を費やすか、その量の違いが効果の違いとなって現れてきます。
日本語がダメにならない?
乳幼児期の英語教育は日本語力の低下につながるとして警鐘を鳴らす人もいます。
海外生活で英語の幼稚園に通わせたから、国際結婚家庭で家族の共通語が英語だったから、そのために日本語が話せなくなってしまうことがあるともいいます。
確かにそういった例もあります。ただその多くは英語の量が日本語の量と逆転した結果起こっているのです。それだけ量が言語習得に影響を与える、その証拠ともいえそうです。
日本で暮らし、通常日本語に囲まれていれば、日本語が話せなくなることはまずありません。24時間のうち3時間程度を英語に譲っても、それは変わりありません。
まとめとして
子どもに英語を習得させたいと考える親は少なくありません。ただ、中学校以降の授業で学ぶ“英語”と“英会話”は別物です。
乳幼児期の英語教育はあくまで英会話。英語の学力に直接結びつくとは限らないことも知っておきましょう。
ただ、時代や世界が求めているのは“英会話”のほう。それを学び取るには、どの年代よりも乳幼児期がもっともスムーズなのです。
そして、家庭で英語に触れる時間の量を増やすことが、その効果をより大きくしてくれるのは、間違いなさそうです。
●ライター/さとうあきこ(海外在住プロママライター)
●モデル/神山みき(れんくん)