専業主婦は要注意? “ムスコンママ”になりやすい人の傾向と対策4つ
2016年10月13日 | よみもの専業主婦は要注意? “ムスコンママ”になりやすい人の傾向と対策4つ

【ママからのご相談】
こんにちは、3児の母で、上の2人が女の子、末っ子が待望の男の子で現在1歳6か月のかわいい時期です。初めての男子なのでとても新鮮で、ついつい息子には甘くなってしまいます。
旦那がちょっとしたことで息子に「それはダメだよ」と注意しただけで、「まだ1歳なんだから仕方ないでしょ!」と軽くキレてしまうことも(笑)。
男の子を産んでみて初めて、ムスコンママ&マザコン息子にならないか、我ながら心配になることが増えました。今から心がけるべきことはありますか?
息子さんはご家族みんなの宝。ママの“家庭内独占”が始まったら危ないかも……?
こんにちは、ムスコンママにならないよう、気を付けているつもりのライター・月極姫です。
個人差はありますが、『エディプスコンプレックス』という言葉が示すように、異性の子どもに特別な感情を抱いてしまうのはある程度仕方がないかもしれませんね。
私見ですが、今はとびきりかわいい時期。イチャイチャ、チュッチュするのは別に構わないのではないでしょうか? 私もしてます(笑)。
しかし少し気になるのは、旦那様がちょっと息子さんをたしなめただけでキレてしまうという点。
たしなめ方の詳細がわからないので何とも言えませんが、一緒に暮らしている以上、家族みんなで息子さんの基本的なしつけをしたり、危険なことを教えたりしていくのは当然の流れです。
「息子のことは私が全部やる!」といったある種の独占状態になっているならば、ママさんの負担も大きくなって余計にイライラしますし、少しだけ息子さんへの接し方を見直してみるのもいいかもしれませんね。
ムスコンママになりやすい人の傾向とともに、ならないための心構えを見てみましょう。

(1)夫婦関係の不満を放置するな
ムスコンママに限らず、子どもに依存してしまうママさんの多くは夫婦関係において何らかの寂しさを抱えています。
“脳科学おばあちゃん”として有名な久保田カヨ子さんは、旦那様も教育職で忙しく、育児のほとんどを自力で行われていたそうですが、その状態を「亭主元気で留守がいい」と割り切って育児を楽しんでいたそうです。
そんなメンタルの強さがあれば、旦那様が多少忙しくても苦にならないのですが、根が依存的で寂しがり屋のママさんの場合は厳しいものがあります。
そういうタイプの方は、無理せず最初から「一緒に育児していきましょうね」と歩み寄ることが大事になってきます。
旦那様との関係を良好に保ち、女性としての不満を心にため込むことのないよう、夫婦生活も維持していくことが必要です。
夫への不満の矛先が、息子さんへの異常愛に姿を変えてしまうケースが非常に多いからです。
(2)“母子一体”は乳児期までと心得よ
出産から乳児期までは、多くのママさんが心から母子の一体感を実感しながら幸せな育児をされていたのではないでしょうか。
岐阜大学医学准教授の高岡健さんは、子どもの愛着形成が成されるのは3歳くらいまでが大切であり、その後は子ども自身の関心と行動範囲が徐々に外に向いていくと述べられています。
つまり3歳以降は子どもの成長度をよくよく観察し、自立に向けて少しずつ応援していくのが王道というわけです。
もちろん基本的なしつけ、能力開発、善悪や危険を教える教育はまだまだ続きますが、「何をして遊びたいか」「誰と遊びたいか」「何を学びたいか」「どうありたいか」は子どもの自由。
徐々に、息子さん自身の個性を尊重して解き放つ時期が近づきます。
一方で、自分自身の寂しさや世の中への不信感が原因で息子離れできない人も多いものです。
たとえばママさん自身が幼いころにいじめられた体験があって、そのトラウマが未だに解消できていない場合。
「自分の子もいじめられるかもしれない」「世の中は意地悪な子であふれている」という歪んだ世界観から、過剰に息子さんを囲い込み、他者との交流を制限し、ひどい場合は年頃の息子さんの異性との交流を邪魔するようになります。
しかし、息子さんの人生はママさんの人生とは別物です。母子一体の時期は、間もなく終了するのです。
やれるだけのことをやってあげた後は、息子さんのためにも解放してあげる覚悟を持ちましょう。
(3)かわいい子には失敗させよう
「発表会では全員に主役を」「運動会では全員に一等を」。
「わが子に敗北感を与えたくない」という保護者のエゴがまかり通って、一時期は実際に全員主役の発表会、全員が1位の運動会を行った幼稚園、学校もあったようです。
失敗や悔しい経験を経て来なかった人はいません。むしろ男子には、とくに「悔しい」「負けた」「どうして自分は劣っているんだろう?」という思いを幼いうちにどんどんさせるべきです。
たとえ他者との比較に苦しむことがあったとしても、家庭の中でしっかり認められていれば大丈夫。
失敗経験・敗北経験が乏しいまま大人になってしまう方が、その後の人生を考えるとよほど残酷だと思いませんか?
勘違いしがちですが、悔しいのはあなたではなく息子さんです。
そして、息子さんには「悔しさ」「痛み」「敗北感」を経験して、そこから這い上がる道のりを考える権利があるので、それを奪ってはいけません。
スポーツ、勉強、趣味活動など何においても、息子さんの悔しさを肩代わりして地団太を踏み始めたり、息子さんを負かした相手や指導者を責め始めたら、ムスコンママ予備軍かもしれません。
(4)出産と育児に依存するな
男女問題研究家の山崎世美子さんは、『ムスコンママになりやすい大きな条件は専業主婦です』と述べられていますが、もちろんお仕事をしているママさんでも、働き方によっては息子さんと密着傾向になることが可能です。
いずれにしても、息子さんと2人きりの時間が長すぎると他のことに目がいかなくなり、育児が全てになってしまいます。
視野が狭くなり、出産や育児にしか価値を見出せなくなることもまた、ムスコンママになりやすい条件といえるのかもしれません。
しかし逆に言えば、専業主婦の方ほど、お子さんが成長するにつれご自分の時間も増え、豊かな“自分の世界”を持てる有利な立場にあるのです。これを生かさない手はありません。
やるべきことをやったなら、あとは趣味や学び、旦那様との2人だけの時間、楽しい大人どうしの集まりに没頭してよいのです。
そう思うと、これからの人生が楽しみになってきますね。
「過保護」と「放置」は表裏一体の心の病
ムスコンママの背景には、「自分の中の空虚な部分を息子の存在で埋めて欲しい」という病んだ心理があります。
この心理状態が“過保護”という形で現れたらムスコンママということになり、逆に、産むだけ産んで妊娠中~周産期の恍惚感が過ぎたら放ったらかしの“育児放棄”という形で現れることもあります。
お子さんをもうける前に、また出産前に、できるだけママさんの精神状態を整えておくことはとても重要です。
あらゆる人間関係が自立している者同士でないとうまくいかないように、親もまた自立した状態で子どもに接するべきなのです。
これはこれから結婚される方、将来出産を希望する方が、たった今から心がけておいて損はないことだと思います。
渇望感や劣等感、寂しさでいっぱいの状態で出産育児にあたることがないよう、独身のころから自分の毎日を充実させ、年齢相応の自立した精神を育んでおくのが健全な育児のための準備となるでしょう。
【参考文献】
・『男の子の本当に響く叱り方ほめ方』小崎恭弘・著
・『カヨ子ばあちゃんの男の子の育て方』久保田カヨ子・著
●ライター/月極姫(フリーライター)
●モデル/倉本麻貴(和くん)