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子どもからのSOS! 思春期に“過換気症候群”を起こす原因と対処法

子どもからのSOS! 思春期に“過換気症候群”を起こす原因と対処法

こんにちは。メンタルケア関係を中心に執筆しているメンタルケア心理士の桜井涼です。

20代の女性に多くみられると言われてきた『過換気症候群』。

この病気は、多感な思春期を迎えた10代の子ども(女子に多い)でも発症することがあります。

どのような子どもがなりやすく、発作を繰り返すのかなどの情報は、知っておいて損がありません。万が一、わが子がなったときに、慌てずに対処ができるからです。

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過換気症候群とは?

過換気症候群は、『過呼吸』とも呼ばれている、内科領域の心身症の1つです。

過剰に酸素を体内に取りこんでしまうため、二酸化炭素の排出量が増えて、血液中のpHがアルカリ性に傾いてしまう状態です。

そして、発作を伴う病気です。よく、自ら起こしていると勘違いをされてしまいますが、無意識のうちに起こります。突然息苦しさが襲ってくるため、本人もわけがわからない状態です。

その後、あまりの苦しさに「もっと呼吸をしなくては!」と考えてしまうため、早い呼吸を続けてしまいます。

過呼吸発作はストレスが多い環境や不安感が強く襲ってくる子どもに起こりやすいと言えます。

子どもの場合、発作的に繰り返しますので、注意しておかなくてはなりません。

原因・症状

原因の多くは、強いストレスです。

・生活環境の中に原因があり、心と体に大きくストレスを受ける
・成長過程において、愛情不足や虐待、「いい子でいなくては」というところから来ている

という2つの理由が関係しているとされています。

過換気症候群は、突然襲ってくる不安感・恐怖・怒りなどが引き起こします。このときに起こる発作は、自分でコントロールすることができないため非常に苦しみます。

症状は次の通りです。

・急な息苦しさ
・動悸やめまい
・手足のしびれ
・胸痛
・嘔吐感

などが最初にきて、その後にけいれんや意識消失といった重い症状が起こります。

このような過呼吸発作は60分以内に収まることが多いですが、不安感が強すぎるなどの場合は数時間続くこともあります。

対策・親ができること

けいれんや意識消失といった重い症状を起こさせないためには、紙袋を口に当てて酸素の摂取を抑えることが必要です。

紙袋を口に当てて呼吸をすると、二酸化炭素の排出量を減らすことができるのでいくらか楽になります。

ただし、親が側にいるときに限定して、窒息などが起こらないように見てあげることが必要です。

発作は突然起こるため親や側にいる人が大変驚きます。そうやって慌てふためいているうちに、けいれんや意識消失を起こしてしまいます。

ですから、一番大切なのは、親や側にいる人が慌てないことです。

親が側にいるときに起こったら、

(1)紙袋を広げて子どもの口に当て呼吸をさせます。
(2)その間、背中をゆっくりさすって「大丈夫だよ」と声をかけ安心させましょう。
(3)発作が収まったら横にして休ませます。

これで収まることもありますが、発作が強い場合、何度も起こす場合、発作時間が長い場合は、心療内科・メンタルヘルス科への受診が必要です。

ストレスが心と体に影響して出る症状ですので、原因となっているストレス元を何とかしないことには収まるものではありません。

発作が続けば続くほど、不安感は強くなる一方です。決して責めるようなことは言わないで、安心させることを第一に考えていただきたいと思います。

おわりに

思春期は心の成長の時期。そんなときに「いい子でいなきゃいけない」と頑張らせたり、ストレスを発散できない生活環境に子どもをおいたりすることは良くありません。

「家は安心できて息がつける場所」と子どもが思えるように、環境を整えてあげることが大切です。

過呼吸発作を過剰反応のように言ったり、責めたりしないでください。

本人は、「このまま死んでしまうのでは?」というほど苦しい思いをしているのです。親が温かく見守り、安心させてあげて欲しいと思います。

【参考文献】
・『史上最強カラー図解 臨床心理学のすべてがわかる本』松原達哉・編著

●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)

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