思春期ゆえの現象? 10代の女子が“Sっぽい男子”に惹かれる理由3つ
2016年9月29日 | よみもの思春期ゆえの現象? 10代の女子が“Sっぽい男子”に惹かれる理由3つ

【ママからのご相談】
こんにちは! いろいろなテーマのコラム、いつも楽しく読んでいます。現在中1の娘の“彼氏”のことで、ずっとモヤモヤしています。
まだ13歳の娘が、先日初めて男子を家に連れてきました。まだまだ初々しくかわいらしい子どもの初恋、コソコソされるよりはずっと健全だと思っていますが、連れてきた男の子が予想外のタイプで大ショック……(涙)。
馴れ馴れしくて横柄な態度、ひと昔前の肉食系男子の風情漂う、いわゆる“俺様系”というやつです。
こちらの話は聞かないくせに自慢話をベラベラしゃべり、私の目の前で、娘の髪の毛をナデナデしたりします(怒)。
娘も大して出来が良くないので、クラス一の優等生を連れてこい、とは言いません。でも親としては、優しく礼儀正しい、安心できるタイプを好きになって欲しい。
主人は「結婚するわけじゃないからいいじゃないか」と言いますが、正直気が気ではありません!
思春期特有の現象。Sっぽい男子のモテ期はまもなく終了かも
いつもありがとうございます! ライターの月極姫です。
あ~わかりますそのお気持ち。わが家でも似たようなことがありましたが、結論から言うとSっぽい男子、俺様系男子を一生好きで居続ける女性は少数派。彼らのモテ期は思春期だけです。
娘さんの今の嗜好も、成長につれて変化していくものと予想されます。一部の女子が期間限定でSっぽい男子に惹かれてしまうには、思春期ならではの理由があるのです。
以下、ご相談者様の娘さんに当てはまるところが無いかチェックしてみてくださいね。

思春期の女子がSっぽい男子に惹かれる理由
(1)乙ゲー、ケータイ小説の影響
“壁ドン”、“顎クイ”にドキドキするという女子はいまだに結構いるようですが、いずれも恋愛シミュレーションを楽しむ“乙女ゲーム”やケータイ小説といった若者独特の文化の中で生まれてブームになったもの。
物珍しさも過ぎた感がありますが、いまだに“壁ドン、顎クイ”でキャーキャー言っているのはやはり中学生が中心のようで、年齢が進むほど冷めた目で見ている人が多いようです。
『壁ドンとかは、綺麗に描かれた二次元のイケメンがするから美しいんであって、普通の生身の男がやったところでバカだと思われるだけですよね』(30代カメラマン/女性・東京都)
『壁ドンも顎クイも、もうお笑いのネタでしかないですよ~。実際にやってみて成功した男子も少ないと思う』(16歳高校生/女性・宮城県)
『いやいや、実際壁ドンされたら突き飛ばし返しますよ(笑)。失礼でしょ』(20代会社員/女性・北海道)
しかし、今は大人の女性たちでも、かつて大好きなドラマや小説、音楽や映画などに溺れて、夢と現実の区別がつきにくくなっていた時期もあるはず。
もし娘さんがその時期にいるとしたら、一時的に妄想から抜け出してきたような男子に惹かれるのも無理はないかもしれません。
(2)自信の無さと依存心の表れ
輝かしい10代は、同時に劣等感との闘いでもあります。敏感な子ほど自分の劣っているところ、不十分なところを痛いほど自覚し、ゆっくり大人になるのを待ち切れず“自分に欠けている何か”を、他者に求めようとするものです。
依存的で孤独に弱い子は、一見グイグイ引っ張ってくれる父性的な強さを男子に求めることがあります。
しかし、10代そこそこの男子で本物のリーダーシップが育っているケースはそう多くなく、一歩見る目を誤ると形だけ強そうで実の無い、オラオラ系男子に引っかかってしまうわけです。
もちろん、そういう男子も日々刻々と成長していくわけですから、あまりのめり込まず「ちょっといきがってるけどかわいい男子だな」くらいのスタンスでお友達で居られるのがベストですね。
恋愛も友情も、共依存の関係に陥るのではなく、自立したもの同士でこそうまくいく。そこに気が付くのは、ずっと後のことです。
中には、大人であっても気が付いていない人もいるのですから、今は仕方がないのではないでしょうか。
(3)まだ恋愛初心者で、相手の実態を見抜けない
ここまでSっぽい男子を否定的な論調で書いてきましたが(笑)、中には本当に強く立派な男性になるS系男子も居るでしょう。
単なるビッグマウスではなく、守ると言った相手を守り抜き、掲げた目標はしっかり達成するような有言実行タイプです。
ある程度恋愛経験、人生経験を積んだママさんたちなら「この人はクチだけっぽいな」「いや、この人は目上からの信頼も厚いし実績もある、本物かもしれない」と実質を見抜く術に長けているものですが、10代のころはいかがでしたか?
微かな記憶を辿っていくと「そういえば、なぜあんなダメな子を好きだったんだろう(笑)」とか「カッコいい男子だったけど、あのまま結婚しても幸せになれるタイプじゃなかったかも」という恋愛の1つや2つ、あるはずです。
これから少しずつ恋愛を覚えていく、ご相談者様の娘さん。誰しもそうであったように、言動の一致している相手、本当に自分に合っている相手など、まだまだ見抜けないのです。
何しろまだ13歳。これからたくさんの喜びや失意を味わって、年齢相応の洞察力を身につけていくことでしょう。
たとえ見誤って傷つくことがあっても、安心して相談できる家族が居ればきっと幸せなお嬢さんになると思います。
カッコだけのドS男子に気を付けて! できる男性は真逆のタイプ
「別に結婚するわけじゃないんだから」と旦那さまが仰るように、今は成長の過程と捉え、若い恋愛ごっこを温かく見守っていればよいのでは? と思います。
とはいえ、娘の将来を思うと「このまま男性を見る目が育たなかったらどうしよう」とご心配になるのもよくわかります。
『PREZIDENT online 2012年12月17日号』に掲載された調査結果によると、女性管理職の多くが「人の話を聞かない上にビッグマウス」をできない男の代表格と捉えているということです。
逆に聞き上手で的を得た質問ができる、落ち着いたタイプが出世株のようです。虚勢を張っているだけのSっぽい男子を、ご相談者様が警戒されるのもよくわかりますね。
お手本となるような人物との出会い、映画や本など、娘さんに理想的な男性像を伝えていく方法はいろいろあります。
もっとも説得力があるのは、お父さんに理想像へ近づくべく、努力してもらう方法です。
母親の男性観が娘さんに影響しやすいのも事実なので、過去の恋愛遍歴や旦那さまとの関係など、わが身を振り返る良い機会でもあるかもしれませんね。
【参考文献】
・『ダメ男がグッチ社長になったわけ』田中伸一・著
・『Newton増刊 人はなぜ心の病気になるのか?』竹内均・編
●ライター/月極姫(フリーライター)
●モデル/TOYO、香南