過剰に手をかけすぎ!? コドモを支配しようとする“毒親”の特徴と危険性
2016年9月21日 | よみもの過剰に手をかけすぎ!? コドモを支配しようとする“毒親”の特徴と危険性

こんにちは。メンタルケア関係を中心に執筆しているメンタルケア心理士の桜井涼です。
昨今、自分の子どもを所有物という目で見ている親が多いと、さまざまなメディアで取り上げられていることはご存じでしょうか。
その上、“毒親”や“毒母”なんていう言葉が出てきている世の中になっています。
自分の子どもを一生懸命に育てている親にとっては、ひどい言葉だと感じている方もいるでしょう。
しかし、残念なことに、実際にそういった考えを持っていたり、知らずにそうなっていたりする親もいるのです。

“毒親”“毒母”とは?
この言葉は、1990年代にアメリカから入ってきた言葉です。
要は、
・子どもに過剰に関わり先回りする親
・子どもの人生をあたかも自分のもののように感じてレールを敷きたがる親
・自分の叶えられなかった夢を子どもで叶えようとする親
につけられた言葉です。
一生懸命に子育てをしている状態で、しかも核家族が進行し、孤独の中で子育てをしてきたために、間違った方向に考えが向かってしまう人もいるでしょう。
だから、始めから親が悪いのではなかったと私は考えています。
子育て環境や孤独といった生活背景が、支配的な親になってしまう要因になっていると思います。
そこに子どもを大切に思うあまり過剰になってしまった考え方があいまって、こういう親を作り出してしまったのでしょう。
自分はそうなっていないか、そういう考えをしていないかと立ち止まって、いま一度自分を見つめるようにしていただきたいと思います。
子どもへの影響
こういった支配的な親から子どもは大きな影響を受けます。
・いい子症候群になってしまう
・常に親の目を気にしてしまう
・失敗を経験していないので、ちょっとのことでつまずいたら大変なことになってしまう
・考えて行動することができない
・主体性を持てない
・いつもビクビクしていておびえが強い
・条件付でないと愛してもらえないと思ってしまう
・自己肯定感が異常に低い
・居場所がないと感じる(家に帰りたくない)
こんな状態では心が健全に育ちません。
一見普通に見える子どもでも、何かしらの闇を抱えてしまうことになります。そんな状態にしたくないですよね。
先生に怒られた、友達に悪口を言われたなど、社会ではさまざまな嫌なことがあります。
それを乗り越える力が子どもには必要です。それをつけてあげることこそが、本当に大切なことではないでしょうか。
支配的な親の特徴
支配的な親の考え方は、常に自分が主体です。
そのため、子どもの人生なのに口出しをしたり、人から良く見られることばかりを要求したりします。
・子どもを平気で罵る
・攻撃的な態度や口調を子どもにとっている(手をあげても平気)
・子どもの人生は私が何とかしなきゃと思っている
・子どもに尽くすことが生きがいになっている
・過剰に子どもに手をかける
・良い母親に見られるように行動する
など。
子どものことを考えているような素振りですが、よく見てみると親が主体となっていることに気がつくと思います。
たとえば、子どもが忘れ物をしないように親が準備をしてあげたり、準備するまで声をかけ続けたりということが日常の中にあります。
小学校などからのお便りで、「忘れ物をしないようにお声かけをお願いします」と書かれているせいもあるでしょう。
それに便乗して、必要以上に手や声をかけすぎてしまうのです。
忘れ物をしなければいいのですか? 忘れ物をしたから(失敗をしたから)覚えることがあります。
そこを自ら学ばなければ、子どもは成長できません。それを阻害してしまっているということに気がついてほしいと思います。
おわりに
失敗から学ぶことってたくさんあります。失敗しないと心が成長できないのです。
それをさせないのは、子どもの人生を邪魔していることと同じだということを自覚しなくてはいけないでしょう。
自分の子どもがかわいいのはわかります。
でも、「かわいい子には旅をさせよ」「若いときの苦労は買ってでもせよ」という言葉が昔からある通り、頑張らせなくてはならないのです。
子どものときの失敗は、“怒られて謝って”で済みます。
しかし、大人になってからはそうはいきません。親が守ってあげられるときに、しっかり失敗から学ばせましょう。
どうか、それを理解してください。“毒親”になんてならないように自分を見つめ直していただきたいと思います!
【参考文献】
・『子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わるほめ方・叱り方(3)小学生編』明橋大二・著
●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)