アナタはどう思う? 公園での“ボール遊び禁止”に対する賛否
2016年9月14日 | よみものアナタはどう思う? 公園での“ボール遊び禁止”に対する賛否

子育てをしていて「窮屈な社会だなぁ」と感じることって多いですよね。
保育園の建設中止要請や道路族問題しかり、電車でのベビーカー論争しかり、日本では子どもがいるだけでアレルギー反応を起こす人が増加してきていて子育て世帯は非常に窮屈な思いをしています。
しかし、世の中は子育て世帯だけで回っているわけではありませんから、大声で「子育て世帯を優先してほしい!」と言うこともできません。
ただ、よりよい子育て環境を求めて議論をすることはできます。日本には議論されるべき子育て問題が山積しているはずです。
そこで今回は、数ある子育て問題の中から、“公園でのボール遊び禁止”問題にフォーカスを当て、賛否両方の意見を持つ人たちにインタビューしてきました!

禁止に賛成派の意見
『私は断固反対です。この前なんてベビーカーにサッカーボールが当たってヒヤッとした。危ないから永遠に禁止すべきです』(41歳女性/2児のママ)
『うちは家が公園と隣接しているので、子どもたちのはしゃぐ声がうるさくでしょうがないです。何回が苦情を出したらボール遊び禁止の張り紙をはってくれ、今はとても静かに暮らせています』(37歳女性/子なし)
禁止に賛成する人たちの意見としては、大きく分けて“危ないから”と“うるさいから”の2つがあるようです。
たしかにボール遊びをしていると、ボールが外へ出てしまって通行人に当たる可能性があるので危険ですよね。
また、公園に自宅が隣接している人たちは、ボール遊びではしゃぐ子どもたちの声を苦痛に感じてしまうようです。
しかし、“危ないから”という理由に対しては、フェンスやネットを自治体が取り付ければ解決できますし、“うるさいから”という理由に対しては利用時間を制限して遊んでもらえば問題ないはずです。
おそらく本質的な問題は別にあり、「子どもの遊びごときにそんなお金が出せるか」「子どものためになんで私たちが我慢しなきゃならないの?」といった“対立意識”が大きく影響しているのではないでしょうか。
昔は「子どものやることだから」と“親目線”、もっといえば“上から目線”で接する大人が多かったものですが、今では「自分にも権利がある!」と子どもと同じ目線で考える大人が増えてきています。
それが良いことか悪いことかは置いておくとして、大人たちの子どもに対する意識が変わってきていることは事実でしょう。
禁止に反対派の意見
『うちの周りには遊ぶ場所がないので、本当に困っています。代わりに道路で遊ばせたら遊ばせたでクレーム入るし、結局家にこもってゲームさせるしかありません』(32歳女性/2児のママ)
『息子に全然友達ができなくて困っているんですが、その原因の一つに公園でのボール遊び禁止があると思います。私が小さいころは一緒にボール遊びをする中で仲良くなったりしたものですが……』(41歳男性/1児のパパ)
公園でボール遊びが禁止されることによって、子どもの遊び場やコミュニティの場がなくなることに悩んでいる方が多いようです。
また、それによってむしろ道路族が増加している(ならざるを得ない)という背景もあるようです。
子どもの騒音を防ぐために公園でボール遊びを禁止した結果、行き場をなくした子どもたちが道路で遊ぶようになっているのです。
そしてさらに周辺住民からクレームが入って、子どもたちの遊び場がどんどんなくなっていくというわけです。
昨今では子どもの運動不足が問題視されていますが、このような現状では仕方ないのかもしれません。
ただ、道路族の問題では騒音のほかにも、子どもの不法侵入(ボールを取りに庭に入る)や器物損壊(車にボールを当てる)などが問題視されていて、子どものマナーの悪さに嫌悪感を抱いている人たちが少なからずいます。
公園でのボール遊びのときにも子どもによる同様のマナーの悪い行為は見られましたから、今後公園でのボール遊びを全面的に許容してもらうためには、まず親がしっかりと子どもにマナーを教える必要があるでしょう。
いかがでしたか?
どちらの意見が正しいというものではなく、両方の意見を汲み取りながら解決しなければならないのが子育て問題の難しいところです。
とくに騒音系の子育て問題では双方の“不理解”が原因だったりしますから、日頃から意識して問題を考えるようにしたいですね。
●文/パピマミ編集部