高額にならないか心配! お金がなくても弁護士にトラブル相談できる方法
2016年9月9日 | よみもの高額にならないか心配! お金がなくても弁護士にトラブル相談できる方法

【ママからのご相談】
息子が幼稚園に入ったころからだんだんと夫の帰りが遅くなり、最初のころは「子どものために頑張ってくれているんだな」と思っていたのですが、共通の友人からの目撃証言で不倫が発覚しました。
夫は離婚の意思が固く、私も不倫するような夫とやっていく気は全くないので離婚はスムーズに決まりました。養育費や慰謝料は支払うと言われてはいるので、やはりきちんと書面にした方がいいと思っています。
しかし、家計は裕福とは言えず、もし弁護士に頼むとなると借金をしなければならないような状況です。
今後の生活もありますし、しっかり取り決めをしたい反面、どうすればいいのかわからなくて困っています。なんとかする方法はありませんか?
法テラスの無料法律相談や弁護士費用の立替制度を利用することができます。
ご相談ありがとうございます。アディーレ法律事務所弁護士の正木裕美です。
離婚は当事者には大きな負担があり、いろいろ不安を抱えていると思います。
弁護士ってドラマでもよく見るものの、実際にどんなときに頼めばいいの? 自分の抱えているこのトラブルって弁護士に聞くものなの? 費用はどのくらいかかるの? など、わからないこともたくさんあると思います。

争いになっていないのに、弁護士に頼むことってできるの?
弁護士というとモメてトラブルになってしまったときに介入するというイメージがあるかもしれませんが、実は現状モメていないけれど、将来トラブルになるかもしれない可能性がある場合に、法的な予防策を講じることも重要な業務の1つです。
離婚では感情論も先走りがちですが、法的に離婚後に夫と妻がそれぞれ負う権利や義務を理解した上で取り決めをすることが大切ですし、特に離婚の場合、離婚後に養育費支払いが滞ったケースも大変多いですので、予防策を講じた方がよい分野だと思います。
今回は、不倫が原因での離婚に伴う慰謝料、養育費の額や支払方法、財産分与、子どもを養育しない側の親と子どもとの面会交渉の頻度や方法等の取り決めが必要そうですが、いくらぐらいが妥当なのかも検討した上で、取り決めをすべきでしょう。
一般に養育費は通常毎月いくら払うという取り決めがされることが多いですが、支払いが滞って話し合いなどで解決できなかった場合、裁判をし強制執行して回収しなければならず、将来困ることになる可能性があります。
リスク回避のため、少し費用がかかりますが、強制執行認諾文言付き公正証書を作成するという手があります。
公正証書を作成すれば、万が一支払いが滞ったときに裁判をせずに強制執行ができるので便利ですよ。
今回も、弁護士に依頼するかは別にして、まずは個別の事情に応じて将来トラブルになりにくい取り決めや書面作成をするための相談をしてみましょう。
お金がなくても弁護士に頼める方法はある?
とはいえ、弁護士=高額というイメージのせいで、「相談や依頼をしたときにかかる費用が不安」という方は多いと思います。そんなときに使える制度をいくつかご紹介しましょう。
収入や資産状況の条件を満たした場合には、法テラスの無料法律相談や弁護士費用の立替制度を利用することができます。
立替制度では、弁護士を依頼したときにかかる書面作成費用、着手金、実費、報酬等の費用について、法テラスが法テラスの基準に基づいて金額を決定した弁護士費用を立て替えてくれます(法テラスと契約している弁護士なら申込みできますので、相談された弁護士に聞いてみましょう)。
利用者は毎月分割返済をすればいいので、生活に余裕がない場合でも安心です。
また、各地域で弁護士会や地方自治体が行う無料法律相談、相談だけなら無料の法律事務所もありますので、ご事情にあった制度をぜひ利用してくださいね。
まとめ
現在、弁護士費用は自由化され各弁護士が金額を決めていますので、画一的な基準はありません。
備え付けの報酬基準の確認や見積作成依頼をして費用を確認しましょう。
タイムチャージ制や完全成功報酬制などさまざまなので、遠慮せず聞いてくださいね。
たとえば、私の所属するアディーレ法律事務所では、“離婚や浮気の慰謝料”に関するご相談は何度でも無料ですし、着手金をはじめとする弁護士費用は、分割でお支払いただくことも可能です。
民事法律扶助制度は、離婚に限らずさまざまな民事トラブルで使えますので、お困りや不安のある方は、トラブルの内容も費用も弁護士への相談をオススメします。