悪化すると心身症に!? “身体的ストレス”の特徴とスッキリ解消するコツ
2016年8月17日 | よみもの悪化すると心身症に!? “身体的ストレス”の特徴とスッキリ解消するコツ

こんにちは。メンタルケア心理士の桜井涼です。
眠れなかったり、疲れが取れなかったりすることが半年以上続いているという人は38.7%にものぼるという研究結果が出ているのをご存じでしょうか。
このような疲労の原因は、主にストレスであることが多いと言われています。ただ、一口にストレスと言っても、実は3つの種類に分けられます。
1つは『精神的ストレス』、もう1つは『身体的ストレス』、最後は『生活環境ストレス』です。その中でも今回は、『身体的ストレス』についてお話ししたいと思います。

身体的ストレスとは?
過重労働・激しい運動などで体に負担がかかっている状態が起こることを『身体的ストレス』と言います。
身体的ストレスはたいていの場合、体を休めることで改善されます。
しかし、ストレスの量が自分で対処できる範囲よりも大きいとなかなか改善されません。それどころか、さまざまな症状が体に起こり始めます。
【症状】
・疲れやすく寝つきが悪い
・立ちくらみやめまい
・寝起きが悪い
・頭痛
・便秘や下痢が続く
・息苦しさを感じる
身体的ストレスがうまく解消されずに蓄積されてしまうと、症状が悪化して心身症を発症してしまうことがあります。
よく、「最近、胃が痛くてさ」と話しているサラリーマンの方を見かけます。こういった何気ない症状でも心身症の可能性があります。
たとえ軽い症状だとしても、体からのサインだと思って見逃さないようにしていただきたいと思います。
ストレスによって体はこうなる
人は、ストレスを感じると自分で修復することができるようになっています。
しかし、自分の修復能力を超えてしまうような大きなストレスがかかると、ナチュラルキラー細胞などの免疫が低下します。
そのせいでウイルスに対する抵抗力が弱くなってしまいます。
この状態になると、ヘルペスができてしまったり、風邪をしょっちゅうひいたりするようになります。
この状態を何とかするために体が免疫物質を作り出すのですが、これが慢性的な疲労感などを引き起こします。まさに悪循環です。
体がこのような状態だと、自律神経の働きにもズレが生じるようになり、寝付きが悪いなどの症状を引き起こすようになります。
身体的ストレスを強く感じれば感じるほど、心にも負担が大きくのしかかり、さまざまな症状が出てくるので注意が必要です。
身体的ストレスが現れたときの対処法
身体的ストレスの解消には、休むことが一番です。
しかし、パソコンやスマホを使うことが増えたことによって困ったことが起きています。
本来であれば、夜になると自然と体が休息の体勢に入るものなのですが、現代ではそれができない状況になってきています。
身体的ストレスを軽減するために、寝る1時間前は次のようなことを実践してみてほしいと思います(活動を促す交感神経の分泌を抑えるため)。
・メールやSNSをしない
・テレビを見ない
・スマホやタブレットを使わない
・ゲームをやめる
・激しい運動をしない
など。リラックスして、睡眠に入りやすい環境を整えるためです。
また、食生活を整えたり、早寝早起きをしたり、ゆっくり湯船につかってリラックスしたりといったことも効果的な対処法と言えます。
ただ、前提として覚えていただきたいのは、“全ての症状がストレスからきているものであるかどうかは、自己判断できるものではない”ということです。
「体の調子がおかしい」と感じたら病院へ行き、医師の診察を受けましょう。
検査などをして異常がなければ、身体的ストレスである可能性が高いということになります。何でも自己判断は危険です。
おわりに
現代では、日々の生活や情報が流れるスピードが早くなってきており、うまく体を休めることができずに身体的ストレスを抱える人が多くなっています。
身体的ストレスを感じたら、リラックスできる環境を整えたり、いつもより睡眠を多くとったりして対処しましょう。
体に出ている異常は、「休んでほしい」という体からのサインであることを忘れないでいただきたいと思います。
【参考文献】
・『こころと体をつかさどる ストレスケア・カウンセリング』美野田啓二・著
●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)