反抗と甘えの往復!? “プレ思春期”の子どもと向き合うコツ
2016年7月20日 | よみもの反抗と甘えの往復!? “プレ思春期”の子どもと向き合うコツ

【ママからのご相談】
小6になる息子のことで相談なのですが……。ちょっとしたことで反抗的な態度を取ることが多くなってきました。
それなのに甘えてくることもあって……。思春期ってこんな感じなのでしょうか。どう接すればいいですか。
子どもの心を第一に考えて、大事なときに手を離さないことです。
こんにちは。メンタル関連を中心に書いているメンタルケア心理士の桜井涼です。ご相談ありがとうございます。
思春期に入りかけているお子さんがいらっしゃるということで、自立のときに見せる反抗と、依存である甘えの狭間で相談者様も迷いが生じることがあるかと思います。
この2つは、大人になるための大切な成長課程なので、無理に押さえつけようとしたり、構い過ぎてしまったりすることはよくありません。
お子さんの心の成長を第一に考えて、依存(甘え)の面を見せたらしっかりと甘えさせましょう。
自立(反抗)の面を見せたときは、無理に押さえつけるようなことをしないで、また構い過ぎないことも大切です。

思春期は心の大事な成長
小学校高学年あたりから、反抗と甘えのあいだで行ったり来たりを繰り返す時期を『プレ思春期』と呼びます。
反抗したかと思っていたら、次は甘えてきたなんてことを繰り返して、自立と依存のあいだを行き来します。
この年齢であれば、あって当然の心の動きだと思っていただければと思います。相談者様のお子さんは、心が健全に成長してきているのですから心配ありません。
思春期は、自立しようとする心が反抗という形で表れます。大人になるためには自立は必要です。これを抑えようとしないようにしましょう。
依存は、思春期の中で親から友達、そして異性へと向かっていきます。この時期は親から友達に移行していきます。
その課程の中ではさまざまなことがあるため、傷つくこともあるでしょう。そんなときに安心して戻れる場所が必要です。それが家であり、親なのです。
親がしてはいけないこと・してあげること
思春期は、子どもが多くの模索や心の葛藤などさまざまなことを学びます。その状況の中で親がしてはいけないことがあります。
それが、“親の不安を解消するための過保護・過干渉”です。親だって不安になりますよね。
この不安を解消するためにしてしまうのが、
・先回りをして手を貸したり口を出したりすること
・子どもに構い過ぎてしまうこと
などです。
これは一見、子どものために動いているように思えますが、実は自分の不安を和らげるためにしていることなのです。
構うことは大切ですが、度が過ぎれば害になります。
してあげなくてはいけないことは、“助けを求めてきたら必ず受け止める”です。
学校や習い事などの中で生じる不安や問題を乗り越えるのに、助けが必要になることだってあります。
そのときに、突き放すことが必要な場合もありますが、本当に助けが必要なときは必ず受け止めてあげることがお子さんの成長に役に立ちます。
手を離してしまわないようにすることが心を救うことにつながります。
この時期の接し方
反抗が生まれるのは、親と子がそれぞれに主張や意見があるからです。反抗が起こったら、子どもの意見をまず聞いてあげてください。
話を聞いて譲れるところとそうでないところがあります。そんなときは、「なぜ譲れないのか」をきちんと説明してあげることが大切なポイントになります。
相談者様が言ったことに対して、ご主人が話も聞かずに反対ばかりしたら反抗的な気持ちになりませんか? それと同じことです。
甘えてくるのは、家の外で不安になるようなことなどがあったときだと思われます。親に甘えることで受け入れてもらって、安心をしたいのです。
受け入れてあげて安心させてあげてほしいと思います。
この年齢になれば、反抗と依存を繰り返します。大切なのは、親の不安な気持ちを優先させてしまわないことです。
そのせいで過剰に反応し過干渉になってしまったり、「もう勝手にしなさい!」と子どもの手を離してしまったりすれば、完全な思春期に入ったときに、親に頼れない・家に戻れないとなってしまうことが心配です。
そうならないように、今の時期を大切にしていただければと思います。相談者様のお力になれたら幸いです。ご相談ありがとうございました。
【参考文献】
・『10代からの子育てハッピーアドバイス』明橋大二・著
●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)