3歳じゃ遅い!? 日本脳炎の予防接種が生後6か月からに変わったワケ
2016年7月15日 | よみもの3歳じゃ遅い!? 日本脳炎の予防接種が生後6か月からに変わったワケ

【ママからのご相談】
生後6か月になる娘がいます。先日小児科で、「日本脳炎の予防接種も打っていいよ」と先生に言われました。しかし予防接種の目安としてはいろいろな資料に3歳と書かれています。どういうことなのでしょうか?
日本脳炎を確実に予防するためには生後6か月からのワクチンを。
こんにちは。ご相談ありがとうございます。ママライターの横山かおりです。
時代の変化により、予防接種の数や種類はどんどん変化しています。そして最近気になるのが『日本脳炎』の予防接種。
今回は日本脳炎の予防接種について、小児科の先生に最新の情報を聞いてきましたのでご紹介します。

推奨年齢が変わったワケ
『日本小児科学会』は2016年2月、日本脳炎流行地域に渡航・滞在する小児、最近日本脳炎が発生した地域・ブタの日本脳炎抗体保有率が高い地域に住んでいる小児に対し、生後6か月から日本脳炎ワクチンの接種をはじめることを推奨しました。
「東京などはブタの抗体保有率が高くないのでは?」と先生に質問したところ、
『以前都内の学童に日本脳炎抗体の有無を調べたところ、ワクチンを接種していなくても抗体が検出される場合が多くあったのです。つまり感染した人が運良く脳炎を発症しなかっただけ。東京でも日本脳炎にかかる可能性は十分あるのです』
と回答されました。また、
『近年日本脳炎を発症した子どもの年齢が3歳未満でも数例あることから、生後6か月から接種したほうがいいのでは、ということになりました』
ということです。実際に2009年と2011年に1歳児、2015年に0歳児が発症しています。予防接種を受ける前の3歳未満でも注意が必要ということがわかりますね。
生後6か月で接種しても大丈夫なのか
いままで3歳で接種していたものをそんなに早めて大丈夫なのかが心配ですよね。先生によると、
『日本脳炎ワクチンを3歳未満で接種する場合、半量の0.25mLを接種します。3歳以上で接種するのと効果、副反応に差がないことは確認されています。余計な追加接種(2期接種の9〜13歳以外)も必要ありません。同時接種もできますのでワクチンスケジュールに影響を与えることもないでしょう』
とのことです。ここまで確認されているなら安心ですね。早めに接種するほうがメリットは大きいのでしょう。
3歳未満で接種したい人はどうしたらいいのか
現段階では、区や市などの自治体から日本脳炎の予診票が送られてくるのは3歳の誕生日前です。
もし早めに接種したい、という人は自治体に電話をして早めに送ってもらう必要があります。
待っているだけでは送られてきませんので、こちらから要望を伝えてくださいね。
予防接種を待っている3歳までのあいだに日本脳炎にかかってしまうかもしれないと思うと、恐ろしいですよね。ウイルスを媒介するのは蚊なので、夏は特に注意したい季節。
小児科の先生や家族と相談し、接種時期を決めてみてはいかがでしょうか。
●ライター/横山かおり(ママライター、元モデル)