身体ナビゲーションVol.98「年齢と睡眠の関係」
2016年6月23日 | よみもの身体ナビゲーションVol.98「年齢と睡眠の関係」

こんにちは。健康管理士のSAYURIです。
前回は睡眠にも個性があることをご紹介しました。そして個性やライフスタイルとともに睡眠に大きな影響を及ぼすのが年齢。
今回は年齢と睡眠の関係についてご紹介したいと思います。

(1)赤ちゃんの睡眠
生後1か月までの新生児の睡眠時間は16~18時間。お腹がすいたら泣いて、授乳が終わってお腹がいっぱいになったらまた眠る。これが2~3時間ごとに繰り返されます。
そして、1か月を過ぎると少しずつまとまって寝るようになり、3か月を過ぎたころには体内時計が働くようになるので、昼間起きて活動する時間が増えてきます。
生後3か月ごろから、朝起きたら朝陽を浴びさせると生活リズムがつきやすくなりますが、生後6か月くらいまでは睡眠にも個人差が激しいので、無理に起こさない方がいいでしょう。
明るい光の刺激のないところで寝かせる大切さ
抱っこしていたら眠ったのでお布団に寝かそうとすると、起きて泣く。赤ちゃんにはよくあることですが、これは赤ちゃんのレム睡眠(浅い眠り)が長いためです。
レム睡眠のときに脳が発達するので、赤ちゃんにとってレム睡眠は非常に重要なのです。
また、部屋の電気をつけたまま、テレビがついているまま、スマホを触りながら、などの状況で赤ちゃんを寝かしつけると、赤ちゃんのノンレム睡眠時間が短くなります。
すると、最初のノンレム睡眠時に最も多く分泌される成長ホルモンの分泌が妨げられ、知的面や情緒の面でも発達が遅れるなどの悪影響が出やすくなります。
成長ホルモンというと身長を伸ばすホルモンだと勘違いされがちですが、骨や筋肉はもちろんのこと、脳神経など体のあらゆる成長に大きく影響しているホルモンなのです。
だからこそ、大人の都合で明るく大きな音のする場所で寝かせるようなことは避けた方がいいでしょう。
(2)幼児期から学童期の睡眠
幼児期に入ると徐々にお昼寝の時間が減り、夜にまとまって眠るようになります。
そして学童期に入ると睡眠リズムが確立されていき、次第に成人と同様の睡眠時間に近づいていきます。
学童期はノンレム睡眠の時間が増え、質の良い眠りが得られるようになり、それが数十年間は安定します。
(3)中高年以降の睡眠
中高年になると、睡眠の質そのものに劣化が目立ち始めます。
なぜなら睡眠とは主に脳に対し休息を与える機能ですが、その睡眠をコントロールするのも脳の役割であるため、中年以降は加齢とともに脳の劣化が始まりやすく、それに伴い眠りが浅くなっていきます。
そして社会生活での現役を退く、子どもの独立などで早起きの必要がなくなるなどの生活環境の変化なども重なって、生活リズム自体が変わったり、体の不調が増えることへのストレスが増加したりします。
すると、次第に夜の睡眠にレム睡眠が増える一方、日中に眠気がくるなど睡眠の質の低下がみられるようになります。
このようなことを避けるためには、規則正しい生活や適度な運動をする必要があります。そして、夕食を早めに済ませ、睡眠時には胃腸も休めるような工夫が必要になってきます。
成人以降の睡眠も、ストレスや生活習慣に大きな影響を受けるので、日常、自分がどんな睡眠が得られているのかを意識するといいでしょう。
【参考文献】
・総務省認証予防医学学術刊行物『ほすぴ』成人病予防対策研究会発行
【関連コラム】
・「身体ナビゲーション」シリーズ一覧
●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)
●モデル/KUMI(陸人くん、花音ちゃん)