親の口癖がカギ!? 「完璧主義な子ども」を大らかに変える声かけテク
2016年6月3日 | よみもの親の口癖がカギ!? 「完璧主義な子ども」を大らかに変える声かけテク

【ママからのご相談】
年長と年少の男の子の母をしています。長男が完璧主義で困っています。何か始めたら最後までやらないと気が済まないし、できないと泣いてしまいます。少しだらしない弟にもきつく接することがあります。もっと大らかになってほしいのですが何か良い方法はありますか?
意識的なつぶやき、口癖を効果的に使いましょう!
しっかり者のお兄さんなのですね。弟さんはマイペースといったところでしょうか。

第一子は完璧主義になりがち?
アメリカの認知療法士であるリンダ・ブレアの著書『きょうだいの暗号』(早川麻百合・訳)にて、典型的な第一子の性格として挙げている内容を一部ご紹介します。
1…他人、特に偉い人から認められたいという欲求が強い
2…素直で保守的、ルールや規則をきちんと守る
3…几帳面で責任感が強い
4…面倒見がいい
5…自分に批判的で、自分のミスを許せない
6…ほかの生まれ順の子よりもストレスを感じやすい
また、心理学博士の磯崎三喜年さんも著書『きょうだい型人間学:性格と相性を見ぬく』の中で、
第一子は、新米パパ新米ママによる、何もかもが初めての育児で試行錯誤の中、スターのように育てられていたのに、二人目の赤ちゃんが生まれた日を境に自分中心の生活から、弟・妹が中心の生活へ180度変わってしまう。下の子が生まれ急に甘え出す子も多いのですが、ある段階でキッパリ気持ちを切り替え、「下の子の面倒を見る!」という役割を、受け入れていく
と述べています。
統計的にも、第一子にこのような完璧主義の子が多いということですので、質問者様も少し気が楽になのではないでしょうか。
完璧主義な子どもには“ポジティブな口癖”を!
ただ、母親にとっては心配の種。
少しでも大らかに、間違っても良いということを知ってもらいたい、でも頑張り屋の部分はそのままでいてほしいという思いのはざまで悩まれていることと思います。
そんなときにオススメしたいのが、お母さんによる意図的な「ま、いっか」という口癖の活用テクニックです。
筆者の長男も、しっかり者といえば聞こえはいいのですが、こだわりが強く、こうと決めたら他のものは受け付けない頑固な一面がありました。まさに前述の第一子の特徴にほとんど当てはまります。
子どものこだわりが強くなっているときは、母親である自分のシチュエーションに合わせて「ま、いっか」「なんとかなる」と口ずさむようにしてみました。
例えば、
「お豆腐は冷蔵庫にあると思ってたのに、なかった! ま、いっか。麻婆豆腐にしようと思ってたけど今夜は麻婆だな!」
「(外出先で)あ、タオル忘れちゃった! でもなんとかなる!」
というように、独り言をあえて聞こえるように子どもの前で口ずさんでみました。すると、口癖は伝染し、長男の口からも「ま、いっか!」と聞こえてくるようになりました。
『「まっ、いいか」と言える子を育てよう 協調性のある、柔軟な心の育て方』の著者である諏訪耕一さんも、
「まっ、いいか」とか「それは明日また考えよう」「仕方がないさ、相手があることだから」などのあいまいさを許すことができる、柔軟で幅のある心を持った子どもに育てることは、その子が後の人生において対人関係を良好に保つのに大変役立ちます。
と述べています。
言葉を口に出してみることの効果については、医学博士・農学博士の佐藤富雄さんも著書『夢をかなえる口ぐせの心理学』の中で、
意識的に肯定的な言葉を選び、いい口ぐせを習慣化することで、こうありたいと望む自分の姿が現実のものとなっていくのです。
言語習慣こそが、思考習慣をかたちづくる源です。
と述べています。
日々子育てをする中で、子どもへの言葉掛けには気をつけていても、そう毎分毎秒、きれいな言葉ばかりを掛けてあげられない状況もあるかと思います。
子どもへの言葉掛けと構えずに、母親自身のポジティブなつぶやき・口癖も子どもへの好影響があるということを認識すると少し気楽に続けることができるのではないでしょうか。
意図的なポジティブな口癖が、家族間に広がり、母親も子どもも心の幅を広く持てるようになればいいですよね。
【参考文献】
・『きょうだいの暗号』リンダ=ブレア・著/早川麻百合・訳
・『きょうだい型人間学:性格と相性を見ぬく』磯崎三喜年・著
・『「まっ、いいか」と言える子を育てよう 協調性のある、柔軟な心の育て方』諏訪耕一・著
・『夢をかなえる口ぐせの心理学』佐藤富雄・著
●モデル/KUMI(陸人くん、花音ちゃん)