精神疾患になるケースも!? 子どもへの「体罰」がもたらす悪影響とは
2016年4月20日 | よみもの精神疾患になるケースも!? 子どもへの「体罰」がもたらす悪影響とは

【ママからのご相談】
44歳主婦、小学校6年生の息子がいます。主人が子どもに手をあげることがあり、悩んでいます。
主人には何度も「たたくのはやめて!」と言っていますが、「言ってもわからないからだ、オレが子どものころは普通だった」と聞いてくれません。親から手をあげられたことがない私は、違和感しかありません。将来子どもに悪い影響はないのでしょうか。
体罰は子どもに思いがけない影響を及ぼします。
ご相談ありがとうございます。ライターの渦マキです。
親御さんからたたかれたことがない相談者さまにとって、ご主人さまのそういった教育方針に疑問を感じることは当然のことと思います。
ご主人さまは「言うことを聞かない」とおっしゃっていますが、子どもさんの言い分を聞くことはされたのでしょうか?
言うことを聞かないわけではなく、息子さんなりの意向はあるはずなのです。
まずは、お子さんの声を聞き出すようにしていきたいものですね。

なぜ、手をあげてしまうか?
ご主人さまは「体罰はしつけの一環」だという意見をお持ちで、相談者さまは体罰に違和感があるのですね。
ご主人さまは子どものころから“体罰はしつけ”という育ち方、相談者さまは親御さんから手を上げられたことがなかった……というそれぞれの成育環境の差によるものです。
親から体罰を受けて育った子どもは、「それが普通である」と刷り込まれ、そのまま大人になります。そして、再びわが子に同じことを繰り返していきます。
体罰を受けると、家族以外の他者にまで影響が及びます
「言ってもわからないから」という理由で暴力で言うことを聞かせる教育の弊害は、家庭の外にまで影響が及ぶ恐れがあります。
体罰を受けた子どもは、クラスメートが間違った言動をすれば、手をあげて言うことを聞かせるという行動をとるようになります。
「言ってもわからなければ、たたいて言うことを聞かせる」
親が自分にやってきたことが“正しいことである”と刷り込まれてしまうからですね。
体罰を受けると高まるリスクとは
アメリカで体罰を受けた人たちに行った調査で、以下のリスクが高くなる結果が出されました。
(1)攻撃性が高くなる
(2)反社会的な行動に走る
(3)精神疾患を発症する
日本でも成育環境に体罰が存在した場合、社会性の発達に大きな影響を及ぼすことが調査から明らかになっています。
中には大声を出されたりたたかれたりすることで、必要以上に恐怖心をおぼえる子どももいます。
親も人間ですから、カッとなることもあるでしょう。そこをグッとこらえて、まずは子どもの目をじっと見てください。
気持ちをくみ取る努力をするだけでも、子どもの心はほぐれて親の話に耳を傾けてくるはずです。
食事中にたわいのない会話をしたり学校でどんなことがあったかを聞き出したりして、お子さんと日常的にコミュニケーションをはかっていくことも大切ですね。
【参考文献】
・『忙しいパパのための子育てハッピーアドバイス』明橋大二・著
●ライター/渦マキ(フリーライター)
●モデル/大上留依(莉瑚ちゃん)