急に痩せた時の病気とは? 急激な体重減少で疑うべき病気と予防法とは?
2016年4月13日 | よみもの急に痩せた時の病気とは? 急激な体重減少で疑うべき病気と予防法とは?

2019/04/22 記事更新しました!
健康・美容ライターのMAKIです。
ダイエットや運動をしていないのに異常に急激にやせてきたという場合には、糖尿病や甲状腺疾患、うつなどの精神疾患が潜んでいる可能性があります。
「手足の手首や足首など痩せこけてる」
「下半身周りが急に落ちてきた」
などの声を聞いたりもします。
中には数ヶ月で7キロ〜10キロも体重が減少したという方も。
今回は、どのくらいの期間にどのくらい体重が減ったらどの病気を疑った方がいいのか、体重減少に関しては何科に行けばいいのか、また普通の日常生活でできる体重減少の予防法についてもご紹介していきたいと思います。
6〜12ヵ月で5%以上体重が減ったら“体重減少”!
体重減少とは言っても、何キロ痩せたら体重減少というのか分からない方もいるのでは?
日本臨床検査医学会のガイドラインによると、6〜12か月間に5%以上体重減少があった場合、医学的に“体重減少”が起こっていると定義されています。
体重が減る原因には、食事量の減少や運動などによる消費エネルギーの増加が考えられます。
ダイエットによる食事制限や運動を意図的におこなっていないのに体重が急に減少したという方は、病気のサインかもしれません。
適正体重を知るための計算法
適切な体重(標準体重)を知る方法はいくつか存在します。
今回は適正体重の計算法と、BMIの計算方法をお教えします。
まず、健康的な状態が維持できるとされる適正な体重は、「身長(m)×身長(m)×22」で求められます。
骨格や体質などによって違いがあるため、ここで出てきた数値が万人にとって理想の体重というわけではありませんが、現在の体重と大きく離れている場合には注意が必要でしょう。
次にBMIについてです。
BMIとは、Body Mass Index(ボディ・マス・インデックス)の頭文字をとったもので、ベルギーのアドルフ・ケトレーによって提案された、体重と身長の関係から肥満度を示す体格指数のことです。
「体重(kg)÷身長(m)×身長(m)」という計算式で求めることができます。
肥満の判定方法は国によって異なりますが、日本肥満学会では、統計上もっとも病気にかかりにくいとされるBMI指数22を標準としています。
逆に18.5未満の場合は痩せすぎと判定されます。
体重減少が起きたときに考えられる原因
体重が減る原因として考えられるのは以下の4つです。
- ダイエットなどによる食事量の減少
- 激しいスポーツをしたことなどによるエネルギーの過剰消費
- 精神的なストレスなどによる栄養の消化吸収不良
- 感染症や消化器疾患、悪性腫瘍、心疾患などの疾患がある
1個目のダイエットなどの食事量の減少は、ひどい場合は摂食障害に繋がるケースも。また高齢者の場合は、様々な要因から低栄養になり、体重が減少する場合も。
2個目の精神的なストレスに関しては、毎日の仕事などのストレス(特に男性)、日頃からの孤独からのストレスなどが影響する場合もあるようです。
また、原因は1つだけでなく、これらの原因がいくつか重なっている場合もあります。
体重減少によって不安や心配がある場合は、こうした疾患が原因となっている可能性もありますので、早めに医療機関を受診することをお勧めします。
女性特有の原因がある場合も
女性の場合、病気が原因以外でも体重が減る機会があります。
まず、生理後。生理後は女性をきれいにしてくれる卵胞ホルモンが多く分泌され、痩せやすい時期となります。
また、妊娠初期にも体重が減ることが多いと言います。
妊娠初期はつわりがつらく食べ物が食べられない、筋肉が落ちる、胃が圧迫されることによって食欲がなくなるなどの原因から、痩せるのです。
ただ、大幅に体重が減少してしまうと赤ちゃんにも悪影響があるので、食べられるときに栄養のあるものをしっかり食べるようにしましょう。
また痩せすぎの場合は、切迫早産や、低出生体重児の分娩などの危険もあるようです。
どうしても食べられず体重が大幅に減ってしまう場合は、赤ちゃんのためにも病院で先生に相談しましょう。
全く別の要素としては、更年期障害が原因の場合もあるようです。40代〜50代のかたがかかる可能性があるので、こちらも先生に相談するようにしましょう。
更年期に関する詳細は以下の記事をご覧ください。
体重減少の症状が出たとき疑われる病気21選
体重減少の症状が出たときに疑うべき病気を21個ほど紹介します。
- 糖尿病
- バセドウ病(甲状腺機能亢進症)
- うつ
- 胃炎や胃潰瘍
- がん
- 神経性食欲不振症(拒食症)
- 結核
- 肝硬変
- HIV感染症
- アジソン病(慢性副腎皮質機能低下症)
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
- 慢性膵炎
- 潰瘍性大腸炎
- クローン病
- 吸収不良症候群
- 褐色細胞腫
- 肺結核
- 精神疾患
- 巨赤芽球性貧血
- 尿毒症
- 薬物依存症
体重減少は身体内に重大な影響を与えます。
それぞれ詳細を見ていきましょう。
糖尿病
糖尿病は、血糖値を下げるインスリンというホルモンの働きが低下し、食事から摂取した栄養素をエネルギーとしてうまく利用できなくなる病気です。
そのため、脂肪や筋肉中のタンパク質がエネルギーとして使われるようになるので、体重が減少していくのです。
最近では、子ども(子供)の小児1型糖尿病という、小児期から発生する糖尿病もあるようです。
糖尿病に関する詳細は以下の記事をご覧ください。
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)
甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。甲状腺ホルモンは新陳代謝を高める働きがあるため、食事をきちんと取っていても痩せていきます。
バセドウ病の他の症状としては、甲状腺が腫れる(首元)、頻脈、手の震え、発汗などです。当てはまる場合は、一度病院で血液検査を受けて確認してみるのもいいかもしれません。
うつ
ストレスが自律神経やホルモン免疫等の機能を乱すことで、体重が減少することがあります。
特に、うつになると、倦怠感や気分の落ち込みから何を食べても味がわからなくなり、食事への欲求がなくなっていくことで体重減少を引き起こします。
うつにも様々なタイプがあるので一度調べてみることをおすすめします。
うつ病の詳細に関しては以下の記事をご覧ください。
胃炎や胃潰瘍
胃痛や胃もたれの症状によって食欲不振が続いたり、消化不良による慢性的な下痢が続いたりすることで体重減少が起こります。
上記のような胃腸疾患は確かな診断ができるように胃腸科の専門家に診てもらうようにしましょう。
がん
がんが進行すると、食欲不振になるほか、がん細胞が正常な細胞の栄養素を奪ってしまうため体重減少が起こります。
特に、膵臓(すいぞう)がんによる体重減少スピードは早いと言われています。
がん細胞はエネルギーを大量に消費するため、何もしていなくても多くのカロリーを消費してしまいます。
がんの自覚症状がなくても、体重減少が著明な場合には医療機関を受診しておくといいでしょう。
神経性食欲不振症(拒食症)
標準的な体型にも関わらず「私は太っている」と思い込み、「綺麗になりたい」と過剰なダイエットをしてしまったり食べないことに満足感を覚えたりしてしまう病気です。
体型だけでなく、学校や仕事などの社会的な環境が影響することもありますが、問題が生じていることを直接解決しようとせず、“やせること”で補おうとする傾向にあります。
ただ単に食べることをすすめるだけでは解決しないため、精神科などによる治療を必要とすることが多いでしょう。
拒食症に関する詳細は以下の記事をご覧ください。
結核
呼吸器系の慢性炎症疾患である結核でも、体重減少の症状があります。
微熱や咳などの症状が見られることの多い病気ですが、まれに体重減少以外の症状が見られないこともあるようです。
肝硬変
過度な飲酒が原因にもなると言われている肝臓の病気、肝硬変。
初期症状として、食欲不振や体重減少が見られます。
また、人の体は摂取した栄養素を体に必要な形へ変換する働きを持っていますが、肝硬変になるとそれができなくなってしまい、体重が減少していきます。
HIV感染症
一般的にエイズと呼ばれる疾患で、嘔吐や下痢などによる体重減少が起こります。
免疫力が低下して腸内の悪玉菌が増殖してしまい、栄養の吸収が極端に低下してしまうことも体重が減少する原因のひとつです。
アジソン病(慢性副腎皮質機能低下症)
生命の維持に必要な『副腎皮質ホルモン』が、何らかの原因によって必要な量を分泌できなくなることによって起こる病気です。
症状としてはさまざまなものがありますが、倦怠感や体重減少、色黒、食欲不振、下痢、便秘、低血圧などがあらわれます。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃酸やピロリ菌などによって胃や十二指腸の粘膜が傷つき、胃・十二指腸の粘膜や組織の一部がなくなってしまう病気です。
症状は人によって異なるそうですが、主に胸やけや上腹部の持続的な痛み、食欲不振、膨満感が起こるようです。
これらの症状から食事を摂ることができず、体重減少につながることがあります。
慢性膵炎
アルコールを習慣的にたくさん飲むことなどによって膵臓に持続性の炎症が起こり、細胞が破壊され、線維が増えて硬くなる状態を引き起こす病気です。
主な症状としては上腹部痛や腰背部痛、吐き気や嘔吐、腹部膨満感、食欲不振などが起こります。これらの症状によって体重が減少することもあります。
潰瘍性大腸炎
自己免疫疾患で、その原因はまだ明確にはわかっておらず、難病に指定されている病気の中でも最も多くの発病率となっているそうです。
20代に多く発症しているといい、肉体的なストレスや精神的ストレスで悪化すると言われています。
症状としては主に下痢や血便があります。症状が強くなると、お腹の痛みや発熱、関節の痛み、発疹が出ることもあるそうです。
クローン病
原因不明の難病の一つで、比較的若年で発症することが多い病気です。
症状は病変が消化管のどの部分にあるかでも異なるそうですが、主に腹痛や下痢、血便などがあらわれるといいます。
また、腸閉塞を起こすこともあるそうで、それにより栄養障害を起こし、体重減少が起きることもあります。
吸収不良症候群
消化器系にて、正常に栄養の吸収が行われなくなることによって栄養障害を来す病気です。
症状としては、下痢や脂肪便、体重減少、腹部膨満感、全身倦怠感、浮腫、貧血、病的骨折、出血傾向などがあるといいます。
褐色細胞腫
副腎髄質または脊髄に沿った交感神経節細胞にできる腫瘍のことです。
症状としては主に高血圧、頭痛、血糖の上昇、発汗過多、代謝亢進などですが、便秘や動悸、やせ、胸痛、視力障害なども起こることがあるといいます。
なお、これらの症状は継続的に起こっている場合もあるそうですが、発作的にあらわれる場合が多いそうです。
肺結核
結核菌を吸い込むことによって発症する感染症です。
主な症状としては、せきやたん、喀血、血たん、発熱、食欲不振、寝汗、体重減少や疲労感などがあらわれます。
精神疾患
ストレスがたまることによって、ホルモン免疫や自律神経、内分泌系などの機能が乱れ、うつ病などの精神疾患を引き起こします。
その結果、何を食べてもおいしいと感じることができず、食欲不振や体重減少が起こります。
巨赤芽球性貧血
骨髄の血液をつくる能力は上がるものの、赤血球になる前に壊れるという“無効造血”になり、貧血が起こります。
なお、胃がんが原因で巨赤芽球性貧血になることもあるそうです。
尿毒症
腎臓の働きが10分の1程度まで極端に低下することにより、腎臓障害が進行する腎不全の末期状態が尿毒症です。
腎臓の働きが低下することによって、全身の各種臓器の機能に障害が起こり、疲れやすさやだるさ、体のむくみ、呼吸困難、せき、食欲不振、吐き気、けいれん、睡眠障害など、さまざまな症状があらわれます。
しかし、腎機能の悪化がゆるやかな場合は、自覚症状がないまま進行していってしまうことも多く、注意が必要です。
薬物依存症
麻薬や覚せい剤など、最近では若者のあいだで薬物の乱用による薬物依存症も増えてきています。
薬物依存症になると、食事がしっかり摂れなくなる、栄養をきちんと吸収できなくなる、代謝が阻害されるなどの症状が出て、結果、体重が減少してしまいます。
さらに、薬物の常用を続けることで精神障害をきたし、最悪の場合、犯罪をおかしてしまうこともあるので注意が必要です。
癌を予防するためにできること
では、そのようなガンを予防するためにできることは何があるのでしょうか?
- バランスの良い食事を摂る
- 定期的に運動する
- 年に1回は癌検診を受ける
上記3つについてそれぞれ細かく見ていきましょう。
バランスの良い食事を摂る
高カロリー、高脂肪な食事が習慣になってしまうことで癌になってしまうと言われています。
そのため、肉食中心などの偏った食事は改善し、さまざまな栄養をバランスよく摂取できる食事に変えることが大切です。
定期的に、不足している栄養素はないか、自分の食生活を見直す習慣をつけましょう。
定期的に運動する
運動不足によって大腸癌になるリスクが上がると言われています。
運動不足で肥満になったり、便秘になったりすることは、癌の発病に大きく関わってくるのだそうです。
そのため、できれば週に2〜3回程度、1回30分ほどの運動を心がけましょう。激しい運動ではなく、汗が体全体ににじむ程度が効果的です。
年に1回は癌検診を受ける
健康診断を定期的に受けることで、もし癌になっても早期発見が期待できます。
癌検診を年1回受けて、もしも精密検査をすすめられたときは、専門病院をすぐに受診しましょう。
日常生活で“体重減少”を予防するには
普段からできる急激な体重減少の予防法は、次の3つです。
- 過度なダイエットを避ける
- ストレスをためない
- 定期的に健康診断を受ける
まずはバランスの良い食事を取ることが大切。心と体、両方にストレスを与えないようにすることを意識しましょう。
ストレスを発散するにはストレッチやランニングなどの適度な運動が効果的です。
定期的に健康診断を受けることで、病気の恐れがある体重減少なのかどうか早めに知ることができ、病気の早期発見につながります。
まとめ
「体重減少と言われる目安」や「疑われる病気」などについてご紹介してきました。
肥満が生活習慣病を誘発するのはよく知られており、注意されている方も多いでしょう。
しかし、反対に体重が減少しすぎても病気を引き起こすリスクが高まります。
仮に病気ではないにしても、過剰なダイエットでやせすぎてしまうことは風邪をひきやすくなったり、顔の肌荒れに繋がったり、決して望ましいことではありません。
中には不妊に繋がるケースもあるようです。
健康を維持するためには、太りすぎとやせすぎのどちらにも注意することが大切です。
●追記/パピマミ編集部
●モデル/沖まりね、坂井由有紀(央将くん)
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