水曜の16時がキケン!? 子どもを不審者から守る「防犯対策」のポイント
2016年4月11日 | よみもの水曜の16時がキケン!? 子どもを不審者から守る「防犯対策」のポイント

【ママからのご相談】
最近、誘拐事件の犯人が逮捕されて話題となっていますが、今回の事件に限らず、近年子どもが被害者になる事件が多いので、親としてとても心配です。
私が小学生のころは、学校が終わるとランドセルを玄関に放り投げ、夕方遅くまで友達と楽しく遊んでいた記憶があります。
しかし、今の時代ではそのように自由に遊ぶことができない危険な世の中になってしまっていることが残念で仕方ありません。
子どもにしっかりとした防犯意識を持ってもらうにはどうすれば良いでしょうか。
不審者事例データを参考にして考えてみましょう。
ご相談ありがとうございます。ママライターのあしださきです。
私たち親にとって、近年の子どもが被害者となる事件の多さに驚きと不安を感じずにはいられませんよね。
こんな危険な時代だからこそ、今一度“自分の身は自分で守る”ということを親子で考える必要があります。
そこで今回は、現在報道されている誘拐事件のあった埼玉県のデータを参考に、子どもが事件に巻き込まれないための“自己防衛の知識”を一緒に考えていきたいと思います。

声かけ事案は“水曜16時”が最も多い
埼玉県警察による『子どもに対する声かけ事案』の“時間帯別発生状況”に注目してみたいと思います。
このデータを見てみると、“声かけ事案”は15〜16時の時間帯に最も多く発生していることが分かりました。
これは学校帰りや遊びからの帰宅時間帯である夕方が狙われやすいことを示唆しています。
一方、意外と知られていないのは、朝の7時も発生件数が多いという事実です。
朝、学校に向かっている時間帯に声かけ事案が発生していることを、子どもと話し合っておきましょう。事前に知っておくことで適切な対処を取ることができます。
地域の方々との日頃のコミュニケーションを大切にし、子どもを見守ってもらえるような関係性を作っておくことも有効です。
また、声かけ事案が最も多い曜日は水曜日で、子どもが多く遊んでいる土曜や日曜は逆に発生件数が少ないことが分かっています。
次に、月別の発生状況にも注目してみましょう。
平成26年と27年の資料ですが、意外にも8月が最も声かけ事案が少なく、9〜10月が最も多いという結果となっています。
これには日照時間が関係していると考えられ、明るい時間の多い8月は犯罪をしにくい傾向にあると推測できます。
不審者から逃げ切るには、20mの差が必要
「不審な人に声をかけられたら逃げる」ということは、子どもたちは皆知っています。
しかし、実際に声をかけられてしまったら、具体的にどのように逃げればいいのか分からないという子どもも少なくないはず。
そのため、万が一のときに備え、どのように逃げるべきかを親子でよく話し合っておく必要があります。
どのように逃げるのが最適かという疑問については、『防犯先生の子ども安全マニュアル』という書籍にヒントがあります。
犯罪者は(ターゲットにした)子どもが20メートル先へにげてしまうと完全に諦めてしまいます。
ですから、大人と競争して20メートル逃げ切る力を子どもにつけさせる必要があるということです。逃げ切る力がない限り、逃げ切れない部分は周囲の大人がカバーしてあげなければなりません。幼い子どもほど20メートルは逃げ切れない。「小さな子どもから親は目を離してはいけない」というのは、ここからきているのです。
逃げるときは、迷わずランドセルを捨てる
では、逃げるのが小学生ならどうでしょうか?
子どもの4メートル手前から大人が追いかけ、子どもは20メートル必死で逃げるという実験を行った結果が以下のように出ています。
1年生から3年生までの子どもがランドセルを背負って逃げた時には、全員が追いつかれてしまいました。
しかし、6メートル手前からだと逃げ切れました。
ランドセルを背負っていない場合、4メートル手前からでも20メートル逃げ切ることができました。
つまり、この実験から学べることは「ランドセルを背負っているときに襲われそうになったら、ランドセルを捨てなさい」ということです。捨てて逃げることが重要なのだということです。
「ランドセルを下ろしているよりもまず逃げたほうが良いのでは?」と思いますが、それでは先ほどの実験のように20m逃げ切ることができないのです。
そのためには、ランドセルをストンと落とすという練習をしておくといいです。
両肩を後ろに反らした状態にして肩のベルトをずらして落とすというイメージですが、これはぜひ、お子さんと一緒に練習してみてください。
いかがでしたか?
近頃は子育てをしていく者にとって非常に不安な事件が多く、子どもの安全により一層の注意が必要となっているのは、残念なことです。
しかし、日頃からしっかりと対策を考え、練習をしていれば、万が一の事態でも子どもが自分の身を自分で守ることができると信じています。ぜひ、一緒に考えてみてください。
【参考文献】
・『防犯先生の子ども安全マニュアル』清永賢二・著
●ライター/あしださき(元モデル)