多いほどイイ!? 子供が“2人以上”いる家庭のメリット&デメリット
2016年4月1日 | よみもの多いほどイイ!? 子供が“2人以上”いる家庭のメリット&デメリット

【ママからのご相談】
20代、女の子のママです。私は一人っ子だったので、兄弟(姉妹)がいる友達をいつもうらやましく思っていました。
「絶対に2人以上子供は欲しいね」と旦那といつも話しています。
でも、子供が多くなると、
大きくなったときの教育費や食費など経済的にきつくなりそうで、思いと現実のはざまでためらいを感じています。
子供が2人以上いることのメリットっていったいなんなのでしょうか?

ご相談ありがとうございます。家族を笑顔にする荒川茂樹です。
今は経済的な不安のある世の中ですが、ご夫婦やお嬢様にとってどんな未来を作っていくのかとても重要なものです。
何より大切なのは、夫婦二人で自分たちのこれからをじっくりと話し合うということ。
新しい命は欲しい欲しいと思ってもできるものではありません。奥様はまだお若い年齢ですが、妊娠出産というのは体に大きく負担をかけるものです。
そのあたりも踏まえて旦那さんと話し合われることをおすすめします。
出生子供数の平均データ

ひとつの家庭に何人の子供がいるのか、これを知るための物差しとして2つの統計があります。
“合計特殊出生率”と“完結出生児数”です。
前者は”一人の女性が一生のうちに産む子供の数”で、後者は“結婚した女性が産む子供の数”を表しています。
合計特殊出生率
合計特殊出生率は、15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの。
1人の女性が該当の年代で一生に生む、としたときの子供数に相当するものです。
2014年の合計特殊出生率は1.42で、前年の1.43を下回っています。
これは未婚の女性もすべて対象に含まれているため、そもそも子供を産む環境にない人も0としてカウントされています。
完結出生児数
完結出生児数は、結婚から15〜19年経過した夫婦の平均出生子供数で、夫婦における最終的な子供の数と見なされます。
この年数は、結婚後15年以上経過した夫婦のあいだに子供が産まれることはほとんどないということから使われるようになりました。
2010年の調査では、1.96人となり、調査開始以来はじめて2人を下回るという結果に。
これは未婚の女性は対象に含まれていないため、合計特殊出生率よりも高い数字が出ますが、同時に結婚しない女性が増えたことも表しています。
関連記事:2人目は何歳差がベスト?ママたちに聞いたベストな年齢差とは?
1人から2人、2人から3人……子供の増え方による違い

子供が1人のときは親と子供が1対1で真正面からぶつかり合うことになるため、さまざまな悩みを抱えることになるでしょう。
ここから子供が2人になると、今度は子供同士の関係性にも目を向けなければいけません。
そして3人を超えると、そこには社会としての機能が生まれてくると言っても過言ではありません。
また、“子供が2人”という状況は周りの家族にも多く、ママ友との交流でも共通の話ができて同級生のお母さんたちと大きな違いなく生活していけるはずです。
しかし、3人となると、その分子育てをしている期間が長くなり、「ずーっと子育てをしている」という感覚に陥ることも。
特に、子供の同級生のお母さんが子育てから開放されている中で、自分はまだ子育ての真っ最中という状況は、いつまでも子育てに追われているという思いを抱かせるでしょう。
関連記事:2人目不妊の治療をスタートさせる時に気をつけること3つ
子供が2人以上いることの5つのメリット

(1)子供同士の関わりがある
日常的に子供同士の関わりがあり、そこで仲良くすることの大切さ、優しくしてもらうことのうれしさを学んでいきます。これは、学校や社会に出てから大切になる気持ちです。
(2)けんかができる
子供同士でけんかができます。けんかをすることで、相手がどんな気持ちになるのかが分かります。
また、痛みをもとに、叩く強さの加減についても考えていけるようにもなります。
(3)勉強を教えたり、教わったりできる
勉強が分からなかった場合には、自然に聞く、教えるという関係ができてきます。
(4)家族としての責任感が高まる
一人ひとりに家の中にある仕事を分担させることにより、家族としての責任を子供のうちから体験できます。
これは一人っ子でもできることではありますが、2人以上だとお互いの見る目があるのでより責任感が高まります。
(5)相手に気を配れるようになる
協調性や思いやり、我慢強さが育ちます。また、夫婦のやりとりをよく見て学ぶ中で、自然と相手に気を配ることを覚えていくようです。
だからこそ、夫婦の関係が重要にもなってきます。
関連記事:育児が大変な時期っていつまで?
子供が2人以上いることのデメリット4つ
(1)自分の時間がなくなる
子供が増えることで当然子育ての負担が増し、そこに取られる時間も伸びていきます。
自分のことに使うための時間も確保できないため、キレイなお母さんでいることは難しくなる傾向に。
子育てに追われていない周りの女性と比べて、老けていっているという印象を持つことも少なくないようです。
(2)夫の協力が減る
1人目の子供の場合、初めての子育てということもあって旦那さんの協力も手厚くなる傾向にあります。
しかし、2人目ともなると慣れが出てくるのか、旦那さんの子育てに対する協力が薄まっていくこともあるようです。
しかも人数が増えたことでママがやらなければならないことは増えているわけですから、余計に負担が増すという結果に。
2人以上子供を産んで育てていくためには、夫への教育も必要になってくると言えるでしょう。
(3)子供の扱いに差が出てしまう
一人っ子は甘やかされて育てられると言われますが、子供が2人以上になると、すべての子供に同じように接することが難しくなってきます。
当然下の子の方が手がかかりますので、上の子への対応が雑になってしまいがち。
子供2人が並んでわがままを言っていれば、「お兄ちゃん(お姉ちゃん)だから我慢しなさい」と上の子に我慢させてしまうこともあるはずです。
反対に、慎重に子育てしていた上の子と違い、下の子の子育ては雑だったということもあるのではないでしょうか。
いずれにしても、子供たちに寂しい思いをさせないような子育てを心がけたいものですね。
(4)体型が崩れる
子供を産んだ後、体型を戻すのに苦労するママも多いかもしれませんが、これは出産を重ねるごとに大変になっていきます。
1人目のときはなんとか産前の体型に戻せたという人も、2人以上となると体のどこかに手に負えない部分が出てくるようです。
子育てが大変になることで、自分のことに手がかけられないということもあるかもしれません。
2人目の子供を産み育てるために必要なお金

ここでは2人目の子供を産んだときにかかる費用を見てみたいと思います。子供が増えると、その分この金額が倍々に増えていくことになります。
出産にかかる費用
子供の出産にかかる費用は、一般的に45万円程度と言われています。これは妊娠中の健診や出産時の入院費用などが含まれます。
子供を出産すると”出産一時金”や“児童手当”などの補助金を受け取ることができますが、これは第2子までは金額が変わりません。
3人目の出産から増額されるため、人数が増えるごとに出産時の費用負担は減っていくことになります。
学校にかかる費用
幼稚園や保育園に入ると月3〜5万円の費用がかかります。
この後も進学するにつれ、学校にかかる出費は増えていき、幼稚園から大学まですべて公立の場合で1,000万円、すべて私立だった場合には2,200万円が必要と言われています。
これは習い事や塾などにかかる費用を除いた金額ですので、教育全般にかかる費用と考えるとこれ以上を覚悟しなければなりません。
幼稚園などで兄弟が同時に入園していると割引があるということもありますが、基本的にこの費用は子供の人数分だけ必要になるものと考えなければなりません。
関連記事:2人目育児で大事なことは”やらないこと”ベース?ママさんが語る時短育児
2人目の子供を産むベストなタイミング

2歳差で産む場合
上の子がイヤイヤ期に入ったタイミングで子供が生まれることになり、非常に大変な子育てを強いられることになります。上の子の赤ちゃん返りも起きやすいでしょう。
ただし、大変な時期を同時に終わらせることができるため、それさえ乗り越えれば後が楽ということはあるかもしれません。
また、保育園等の就園が2人重なると補助金が増額されるということもあるため、費用の面ではメリットがありそうです。
3歳差で産む場合
上の子が3歳だと比較的成長しており、子供の面倒を見てくれるようになるため子育てが楽になります。
しかし、上の子の高校入学時に下の子が中学入学、上の子が大学受験のときに下の子が高校受験と、出費や心労のある時期が重なってしまうというデメリットも。
トータルの出費は同じでも、同じ年にまとめて必要になってくると家庭への負担は大きいと言わざるをえません。
4歳差で産む場合
この年齢差があると、兄弟喧嘩も起きにくくなります。3歳差と違って学校の時期かぶりもないため大きな出費に悩まされることもなくなります。
ただし、幼稚園が重ならないため割引が受けられないということはあるかもしれません。
着るものや育児用品に関しても、お下がりが難しく買い替えが必要ということも多く、そういった出費は増えそうです。
関連記事:上の子は寂しくないかな…2人目妊娠の時に私が前向きになれた理由
子供が2人いる家庭ならではの育児テクニック

お風呂
子供同士の年齢が離れていれば、上の子を1人で入浴させることもできますが、近ければ2人一緒にママが入れてあげなければなりません。
コツとしては、まずママと上の子が一緒に入り、先に体を洗ってしまいます。
このとき下の子は風呂の外で待たせることになりますが、泣きわめいても危険が及ばないような安全な場所で待機させてください。
上の子を浴槽につからせた後、下の子を浴室に連れてきて子供の体を洗います。その後はママが一緒に下の子と浴槽につかって入浴完了となります。
ポイントは、浴槽に1人にするのは上の子だけにするということです。
子供部屋
家庭によっては、2人の子供に1つの部屋しか与えられないということもあるでしょう。
そんなときに活躍するのが、天井に設置できるタイプのベッドです。宙に浮いた状態となるため、その下の空間を有効に活用することができます。
ベッドの真下に机を置けば、3畳ほどのスペースでベッドと机を設置することができるため、これで6畳の2人部屋ということも可能です。
寝かしつけ
ただでさえ大変な子供の寝かしつけ。下の子がぐずってしまって手に負えないということもあるはずです。
そんなとき、少しでも子供を早く寝かしつけるのに有効なのが”背中ボスボス”。
赤ちゃんの背中を少し強めに叩くことで、驚くほど早く眠りについてくれるようになります。目安は、飲み物でむせたときに自分の胸を叩くぐらいの強さです。
関連記事:二人目育児のイライラを乗り切る先輩ママのアドバイス3つ
まとめ
「子供の出生数」や「2人目の子供を産むタイミング」などについてご紹介してきました。
子供が1人であればたっぷりの愛情を注いであげられますし、たくさんの兄弟がいればにぎやかな中で明るい家庭が築けます。
子供たちの笑顔を見ればどんな大変なことでも乗り越えていけるはず。周りの意見に振り回されることなく、自分たちの幸せの形を見つけてほしいものですね。
【参考文献】
・『あなたが生まれてから』くわばたりえ・著
●ライター/荒川茂樹(プロ学習講師)
●追記/パピマミ編集部
●モデル/大上留依(莉瑚ちゃん)
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