ダルくてイライラ! 産後に体調不良が起こる原因と対処法
2016年3月22日 | よみものダルくてイライラ! 産後に体調不良が起こる原因と対処法

(5)甲状腺の病気

産後の体調不良の原因として見過ごされがちなのが、甲状腺に関する病気。
日本甲状腺学会専門医の宮下和也医師によれば、『産後の女性のうち、20人に1人の割合で、甲状腺の病気を発病する』とのこと。
あまりにも症状がひどい場合は、病院で検査してもらうことも考えてみてください。
>甲状腺とは
『甲状腺とは、首の前、のどぼとけの骨よりやや下の方にあり、甲状腺ホルモンやカルシトニンというホルモンを分泌する臓器。甲状腺ホルモンは、全身の代謝を活発にする働きがあります』(名古屋大学医学部付属病院)
>産後ママの20人に1人がかかるといわれる『橋本病』
日本甲状腺学会専門医の宮下和也医師によれば、『産後1~3か月の頃から、甲状腺が肥大し、甲状腺ホルモンの過剰または不足が生じる。出産後の女性は、20人に1人の割合で甲状腺の機能異常が現れる』とのこと。
主な原因となる病気は、甲状腺機能が低下する『橋本病』という慢性甲状腺炎。
橋本病にかかる人は、男性より女性が多く、特に30~40代の女性に多いそうです。橋本病になると甲状腺ホルモンが不足し、全身の代謝が悪くなるので、以下のような症状が出ます。
>甲状腺機能低下症『橋本病』の症状
・むくみ(特に、手や顔がむくむ)
・のどの違和感、声が枯れる
・皮膚の乾燥
・食欲は低下するのに、体重は増加する
・無気力、物忘れ、ボーっとしている
・疲れやすい
・寒がり、でも夏には暑さを感じず、汗が出にくい
・脱毛
・筋力低下、肩こり
・月経不順、月経過多
・便秘
・動悸
>『橋本病』の対処法
産後、数か月たっても上記の症状が気になる場合は、医療機関の受診をおすすめいたします。
過去に橋本病を患った女性は、総合病院でもその病名は分からず、何件か病院を回った末にこの病名を告げられました。
甲状腺ホルモンの分泌量は血液検査で分かるそうですので、気になった方は病院で検査してみるのも手かもしれません。
診断が難しいということもあるため、上記のような症状がなかなかおさまらず、病名がはっきりしないという場合には、甲状腺専門病院を受診することをおすすめします。
(6)痔
妊娠中の便秘が原因で痔になってしまう人も少なくありません。脱肛や産後のむくみで腫れてしまい、座ることすらままならないということもあるようです。
『場所が場所だけに、周りの人にも言えず苦労した。会陰切開もしていたので座ることができず、休めないというのが本当につらかった……』
【改善方法】
まずは便秘を治すために、水分を意識して摂取するようにしましょう。
肛門に負担をかけてしまうため、脂っこいものや辛いものばかり食べないようにすることが大切です。
同じ姿勢で座り続けると血流が悪くなってしまうので、適度に体を動かすようにしましょう。湯船につかり、体を温めるのも効果的。
市販の痔の薬にはステロイドが含まれるものが多いため、使う際には自己判断せず医師に確認して使用するようにしてください。
→次ページでも、引き続き産後の体調不良と改善法を見ていきましょう。